明けましておめでとうございます。
2015年もよろしくお願いします。
今年 2015年がメモリアルイヤーとなるクラシックの音楽家を調べてみますと、シベリウスが生誕150年、スクリャービンが没後100年です。
シベリウスについては、コン・ヴィヴァーチェでも以前「ピアノのしらべ」で1つ作品を紹介させていただきました。
ピアノのしらべ:シベリウス作曲 5つのピアノ小品集より第4番「白樺」
シベリウスは、北欧フィンランドの作曲家で、日本では、ご存知ない方のほうが圧倒的に多いと思いますが、フィンランドでは紙幣に肖像が描かれていたほどの英雄です。
そして、スクリャービンは、チャイコフスキーやラフマニノフと同じくロシアを代表する作曲家です。ピアニストとしても活躍しました。モスクワには、スクリャービンが晩年を過ごした家が記念博物館として公開されています。以前、その博物館を訪れましたので、今年は、その写真なども公開していきたいと思います。
日本人としては、山田耕筰が没後50年です。彼が作曲した「この道」や「赤とんぼ」などは、ほとんどの日本人が知っていると思いますし、全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)の入場行進曲でも有名です。
しかし、山田耕筰は、数多くの軍歌を作曲したことでも知られています。
昨年は、映画「2001年宇宙の旅」で使われた「ツァラトゥストラはかく語りき」で有名なリヒャルト・シュトラウスの生誕150年でしたが、リヒャルト・シュトラウスも戦時中 ナチスへ協力したことで、戦後 裁判の被告となり波乱万丈の人生を送りました。
山田耕筰も、戦後は戦犯論争に巻き込まれることになります。
国家権力と音楽の結びつきは強く、その中で苦しんだ音楽家が多い中、何の疑いもなく「音楽に国境はない」と言える現在の平和な世の中に、改めて感謝したいと思います。
(この記事は、第162号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、兄弟・姉妹でのピアノレッスンについてです。
ピアノ教室の生徒さんの中で、兄弟や姉妹で通われている方も割と多いものです。お姉さんと弟というパターンもあります。
最初は、上のお子様が通っていて、送り迎えに、お母様に連れられて下のお子様が来ていて、興味を持ち始めるというパターンです。
「ぼくも、大きくなったらピアノやるんだ!!」と、お姉さんのお迎えに来るたびに、話していた弟さんもいました。
やがて、兄弟揃って続きの時間でレッスンを始めると、一緒にレッスン室に入って、途中で弾く人が交代する感じになります。
上の子がレッスンをしているときは、下の子が待っていて、下の子がレッスンをしているときは、上の子が待っています。
やがて、兄弟別々に異なる時間にレッスンをするようになるのですが、個人的には、兄弟のレッスンは、なるべく早い段階で個別に行うようにした方が良いと思っています。
特に、上の子の態度は、兄弟一緒のときと別々にレッスンするときでは、ガラリと変わります。
上の子は、下の子の面倒を見るという役割がすっかり身についているものです。これは、普段の生活では必要なことだと思いますが、ピアノのレッスンでは、そういう役割を取り払ってレッスンをした方がよいように思うのです。
一人だけですと、とても自由に「のびのび」した態度になり、演奏も変わってきますし、なにより楽しそうです。
私も、「○○さんのお兄さん」「○○さんのお姉さん」として見ることがないので、気が楽になるのかもしれません。
また、下の子にも、良い影響があるように思います。
兄弟の関係や性格にも寄るのでしょうが、お兄さんやお姉さんを頼りにして、わからないことを教えてもらう癖がついていることがあります。
そのため、ピアノのレッスンで何か質問をすると、すぐに「わからない」と答えるのです。
すごく考えても分からないというのではなく、ちょっと考えて、難しい、分からないと言っているようです。
また、「○○ちゃんは、どう思うかな?」と自分の感じた気持ちについて質問をしても、同じような状態になります。
まだ小さいので、頭では分かっていても上手に言葉や文章にならない事もありますが、しかし、兄弟がいない状態で、レッスンの度に質問をして、焦らせないように待っていますと、徐々に自分の頭で考え、自分の意見が言えるようになってきます。
兄弟・姉妹でピアノを楽しむのは、お互いの刺激になり、共通の趣味にもなると思います。
そして、同じ曲を弾いても、それぞれのお子様の個性が演奏に現れるので、親御さんから見ても、とても楽しいのではないでしょうか。
ちょっとした工夫で、それぞれのお子様が、より大きく伸びていければと願っています。
(この記事は、第161号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、音楽演奏とご家族の理解についてです。
ピアノのレッスンをしていて、残念に思う事の一つが生徒さんの退会です。
かなり長くピアノの講師をしていますが、いつも残念で悲しくなります。
このことは、ピアノの先生が集まると必ず話題の一つに挙がるので、みんなそのように感じていると思います。
ピアノを辞めるタイミングとして、お子様の生徒さんで一番多いのが受験です。
高校受験も多いのですが、最近では中学受験も珍しくなく、クラスの半分は中学受験すると答えた小学生の生徒さんもいました。
そうなると、小学校4年生くらいから塾に行き始め、小学校6年生で、「受験をするので、ピアノは辞めます・・・」となってしまう訳です。
塾によっては、「小学校4年生では遅いです。小学校3年生からスタートしないと」と話しているところもあるようです。
大人の生徒さんの場合、ご本人やご家族の体調不良が一番多く挙げられます。
特に高齢となりますと、当初の予定よりも長い入院となってしまったり、リハビリが思うように進まず時間がかかることもあります。
家族の体調が悪く、入退院を繰り返していることがきっかけとなり、ピアノを辞めてしまった方もおられました。
入院中はまだしも、退院後は連日病院通いで、つきっきりに近い状態となり、そうなると介護する方もくたくたに疲れてしまい、レッスンどころか自宅での練習も難しいようです。
「実は、今度入院することになりまして・・・」、「主人の体調が悪く・・・」などのお話を前々から聞いていて、その結果としてピアノを辞めてしまう事は、まだ理由が明白なので納得もできます。
しかし、そのような前触れもなく、突如辞めてしまわれる事が先日ありました。
思い当たる事が全く無かったので、本当にビックリしたのですが、少しお話を伺いますと見えてきました。
どうも、ご家族の理解が得られなかったようなのです。
音を出して楽しむことがピアノであり音楽なのですが、曲が完成するまでには、同じ所を何回も練習したり、それでもあまり進歩しなかったりと色々あるものです。
弾いている本人も辛い時期なのですが、それが聞こえてくるご家族も辛いという事なのでしょう。
大人の方ですと、お子様のように、ちょっと弾いたらコツが掴めたとか弾けてしまったということは少なく、習得に時間がかかることの方が多いと思います。
そのため、しばらくご家族との間でギクシャクしていたようです。
消音ピアノや電子ピアノなどを提案するタイミングもないまま、お別れになってしまったことは、とっても残念に思いました。
このようにご家族の理解が得られず、辞められた生徒さんもいれば、その一方で、ご家族が亡くなった悲しみを、ピアノを弾くことで乗り越えて行かれた生徒さんもいらっしゃいます。
音楽は、一人でも複数人でも楽しめ、色々な楽しみ方が出来て、とても心が潤い、癒され、活力が沸く素晴らしいものです。
しかし、生活を共にする家族の理解を得ながら音楽を楽しめるようなアイデアも必要なのだと、考えさせられました。
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