(この記事は、第252号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、ピアノ教室のオーディションのお話です。

ピアノ教室では、夏はお子様の発表会があると共に、オーディションが行われる季節です。

このオーディションは、教室に通っている大学生までを対象としたもので、発表会だけでなく、お客様の前で演奏を披露できる場を作ってあげる事が目的となっています。ずば抜けた才能の持ち主を発掘する一般的なコンクールやオーディションとは、少し異なるものです。

本番という舞台を数多く経験することは、ピアノや音楽を上達させるために、とても重要で貴重なのですが、意外にそのような機会は少ないものです。

発表会は、年に1回行っている教室が多いと思いますが、その他に本番となるとグレード試験くらいになり、それも年に1回のペースで受験することになりますから、本番を多く体験することは実は容易ではありません。

一般的なコンクールやオーディションは、昔に比べて随分増えており、難易度の幅も広がってきてはいるのですが、それでもすごく上手な方々が受験するイメージが根強く、実際にそのようなコンクールが多いので、心理的なハードルは高く、気軽に参加して本番を体験しようという感じにはなりません。

ピアノ教室のオーディションは、気軽に参加できて、ちょっと頑張れば手が届く難易度という事も大切に考えています。各学年ごとに細かく部門を分けていて、自由曲1曲のみで参加できるようになっています。通常のコンクールやオーディションは、課題曲、自由曲というように複数の曲を用意しなければならないので、その点でも参加しやすいわけで、年々参加する生徒さんが増えています。

そのオーディションで、先日審査員をしてきました。

今回は、小学校4年生を担当しました。このくらいの年代になりますと、お子様がよく弾く曲を選ぶ人もいれば、ショパンなど大人が弾くような曲を選ぶ人もいて、曲の難易度にかなりの差が出てきます。今回も、やはりショパンやモーツァルトのソナタを選んでいる方もいれば、ギロックなどのお子様向けの作品を選んでいる方もいました。

少し易しい曲を手堅く弾きこなすのか、曲の仕上がりが少々粗くても難易度の高い曲を弾くのか?という選択肢です。

曲選びは重要ですが、当然ながら、それ以上に曲の完成度や表現力、様々なテクニックがどのくらい身についているかなどが最重要ポイントとなり、それを踏まえて審査をしました。

3グループに分かれて審査を始めますと、調子よく弾いていたのに、突然暗譜が抜けてしまったり、思わぬミスをしてしまった方々も少なからずいて、惜しいと思ったり、しっかりとまとめ上げて、小学生ながら自分の演奏を披露しているような方もいて、将来が楽しみと思いながら聴きました。

全員の演奏を聴いた後に投票するのですが、今回は揉めることなく、すんなりと一発合格の方と、2次審査に回す方が決まりました。

その後、同じ小学校4年生の他の2グループと、合同審査を行いました。(敗者復活戦のようなものです)

他の2グループは、合否のボーダーライン上の参加者が多かったようで、合同審査は少し時間がかかりましたが、再度投票をしてみますと、すんなりと合格者を決めることができました。

同じピアノ教室のオーディションなので、全ての参加者が生徒さんであることを考えますと、演奏に合否をつけることはとても複雑な心境で、もう何回も行っていますが慣れることはありません。

それでも、すべての演奏に対してコメントを書いて渡すことができますので、素晴らしかったところを褒め称えることができますし、今後の課題になりそうなところは、いろいろなアドバイスを伝えることができるので、本番を体験して今後の上達に繋がるよい機会になると思っています。

指導者という立場から見ますと、いろいろな生徒さんの演奏を聴くことができますので、曲選びから曲の解釈や表現力など、なるほどと思うところもあり、今後のレッスンの参考になることも多々ありました。

残念な結果になってしまった方は、本当にがっかりして落ち込んでしまうこともあると思いますが、ピアノが嫌いにならないように、しっかりとフォローしたいと思いますし、次に向けて頑張ろうと、たくましく進んでもらいたいと思います。

合格した方は、大きなホールでの合格者お披露目コンサートもありますし、公開レッスンも控えています。さらに演奏に磨きをかけて、進化した演奏ができるように頑張ってもらいたいと思います。

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(この記事は、第249号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、お子様のピアノ発表会のお話です。

先日、お子様の発表会を行いました。前回も書きましたが、例年7月に開催していた発表会が、今年は6月に入ってすぐの開催となりました。

複数の先生のクラス合同の発表会となり、ヴァイオリンのクラスも含まれるため、前半と後半に分けて、それぞれの最後に講師演奏を入れました。私も、久しぶりにご一緒した先生とバレエ音楽を連弾しました。

当日は、午後の開催でしたので、朝は比較的ゆっくりと過ごすことができ、生徒さん方も自宅で練習をしてから、本番に臨めたのではないかと思います。

生徒さんの集合時間より1時間ほど早くに担当者は集まり、最後の打ち合わせを行いました。

欠席連絡の伝達や、アナウンス担当の確認、出演者名の呼び方、演奏曲目や作曲者のアナウンスの有無、出演者に舞台袖に来ていただくタイミング、足台の用意や椅子の高さ調整の有無、ヴァイオリンの生徒さんの譜面台の有無、伴奏のピアノの蓋の開け具合などを確認しました。

普段、ヴァイオリンの先生とは関わりが少ないのですが、それが影響したのか、これまでに聞いていなかった事態が、この最後の打ち合わせで起きました。

お子様のヴァイオリン演奏の際に、お父様が一緒に演奏されるというのです。しかも、弦楽器の中で最も大型であるコントラバスでの共演です。

ヴァイオリンの演奏の際に、ピアノの伴奏をご家族が行うケースはありますが、大きなコントラバスでの共演というのは初めてです。

本番前に楽器を舞台袖に置きたいという要望が出たそうですが、舞台袖は、演奏前に待機する場所で、アナウンスや舞台周りのお世話をする担当者などで、スペースの余裕が全くありません。

そして、チェロやコントラバスは、楽器を固定させるためにピンを舞台に刺すのですが、そのまま床に置いてしまうと舞台に傷が付いてしまいます。そのため、ゴムなどを使用しますが、そのような備品は用意されていません。

更には、発表会費の話にもなりました。伴奏のお手伝いなのか共演者なのかで集合写真などへの参加も変わり、発表会費の支払いも変わります。

このような諸々の問題の対策を話しているうちに、どんどん時間は過ぎていき、本来は余裕をもって開演まで過ごせるはずが、気が付いたらもう開演時間という状況になっていました。

もちろん、このような舞台裏の慌ただしい出来事は、参加される生徒さんやご家族、観客の方には伝わらないように、また出演される生徒さんが集中して本番に望めるように、気を付けて対応しました。

舞台袖には、出演前の生徒さんが色とりどりのドレスで現れ、華やかであると同時に緊張感のある空気に包まれました。

姉妹で参加された生徒さんは、同じデザインで色違いのドレスを着ていて、同じリボンを頭に付けていました。姉妹ならではのコーディネートで、姉妹で並んで写真を撮ったら素敵だなあと思いました。

今回、私のクラスでの発表会が初めてとなる生徒さんは、舞台袖に現れるなり、「楽譜忘れちゃった。先生、こうでしょ?」と曲の最初から弾く真似をしていました。少し違う所があったので直したり、「先生、結局3回弾くんだよね?」と聞くので、繰り返し部分は2回で、他に一部同じ所ががある事を話すと、「えっ、なになに? わかんなーい・・・」と、どうも緊張して舞い上がってしまっている状況でした。

「大丈夫、落ち着いて。いつも通りで大丈夫よ」と声をかけましたが、話を聞くような状況でもなく、落ち着きを取り戻さないまま出番となってしまいました。

ハラハラ、ドキドキしながら舞台袖から見守りましたが、舞台の上では、先程までの舞い上がった感じは全くなく、普段通りに落ち着いて演奏していたので、本当に驚きました。

真っ赤なロングドレスで舞台袖に現れた生徒さんは、これまでに何回も発表会に参加しています。小さい頃は、そこまで長いドレスを着る方はいませんが、成長と共に、大人のようなロングドレスを着るようになります。「大きくなったなあ~」としみじみ感じました。

ピアノの生徒さんの演奏が終わり、いよいよ連弾で講師演奏をする番になりました。

リハーサルもままならない状況で、一緒に演奏するプリモ(高音部)担当の先生は、多少緊張していたようですが、二人で呼吸を合わせて弾けたように思います。

プリモ担当の先生は、これまで何人かの先生と組んで、同じ曲を演奏してきたようですが、「今までで一番上手く弾けたかも。私達、相性が良いのかもね。また来年も一緒にやりましょう!」と喜んで話していました。

その後は、写真撮影をして、受付で記念品を選んで頂き解散となりました。解散後も生徒さんのご両親が挨拶に来られて、生徒さんと写真を撮ったり、演奏の感想をお話しました。

春から、例年以上にバタバタと過ごし、あっという間に発表会本番を迎えた感じですが、終わってみますと、6月の発表会も悪くないと思いました。

夏休み期間は、学校の授業はお休みですが、部活や塾の夏期講習など、普段以上に忙しく過ごす生徒さんも多く、また、旅行や帰省の予定も、発表会が終わっていれば
立てやすくなります。発表会当日も、会場が遠いと暑い中での移動は、思いのほか負担になります。

来年の発表会も6月開催にしようかしらと、ご一緒した先生と話しているくらいです。

来週から、また普段通りのレッスンが始まりますが、発表会での経験を今後の演奏に繋げてもらいたいと思っています。

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(この記事は、第248号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、発表会に向けた生徒さんの様子です。

新学期が始まりゴールデンウィークも過ぎて、ようやく新しい生活のリズムに慣れてきた時期かと思います。お子様の生徒さんは、発表会に向けて毎週熱心にレッスンに通っています。

以前もお話しましたが、今年は予想外に発表会の時期が早くなってしまい、生徒さんも私も大変驚きました。一番驚いているのは、もしかしたら生徒さんのご家族かもしれません。

日々、発表会本番までのカウントダウンをしている状況で、レッスンでも挨拶と共に、「今日のレッスンを入れて、本番まで○回しかレッスンが無いからね」とカレンダーを一緒に見ながらお話をしています。話だけではなく、カレンダーを見るというのが効果的で、小学生でも本番が刻々と迫っている事がよくわかるようです。

「うわっ、マズイ・・・」と小声で呟く生徒さんもいました。

レッスンの集中力も普段以上に高まり、みなさん熱心にピアノを弾いています。とにかく本番までに仕上げて、余裕をもって弾いていただきたいので、レッスンのペースも普段に比べてハイペースになっていると思います。

今回、私のクラスでの発表会が初めてとなる小学生の生徒さんも、ペースを上げてきました。

この生徒さんは、小学校3・4年生になってからピアノを始めました。お子様の場合、小学校入学前から始める方がほどんどなので、珍しい生徒さんとなります。ご本人がピアノをやりたいと、ご家族にお願いしたそうです。

進学校に通っているので、日々の大量の宿題やテストの勉強に忙しく、ピアノの練習時間が思うように取れないようですが、発表会が近づいてきて、さすがにピアノの練習量が増えたようです。

楽譜を見てパッと弾けるタイプではないのですが、曲の構成や伴奏部分の音の進行など、少し理論的に話をしますと「なるほどね」と言って理解してくれます。

当初は、少し難しい曲を選んでしまったかなと思いましたが、理解力が高く、ちょっと間違えてもすぐに弾きなおして、黙々と部分練習ができる集中力もあるので本番には間に合いそうです。生徒さん自身も、「弾けそう」という手ごたえが掴めてきたように思います。

他の、これまでに何回も発表会に参加してきた生徒さん方も、本番に向けて積極的に準備を進めています。

先日のレッスンの時に、バックを開けた瞬間、「楽譜、忘れた!」と私以上に自分自身で驚いていた生徒さんがいて、「今からお家に取りに帰る?それでいいけれど、○○ちゃんのことだから、全部暗譜できているんじゃないの? ちょっと弾いてみたら?」とお話しますと、思った通り全て暗譜で弾けていました。

暗譜でレッスンをしたのですが、暗譜だからこそのメリットもあり、出てくる音に対しての集中力がとても高まり、メロディーなどを美しく歌わせたり、全体の音量のバランスを整えたり、曲想がガラッと変わる所の変化も、普段以上に生徒さん自身が敏感に感じ取れている気がしました。

この春、卒業と入学という2つのイベントを経験した生徒さんは、新しい学校生活を楽しく過ごしているようです。部活などもが決まるまでは、何回かレッスンをお休みされたので、忙しくしているのだろうと思いつつ、発表会に間に合うのか内心ハラハラしていました。しかし、お休み後のレッスンでは、「暗譜はしてきた」と言って最後まで通して暗譜で弾けていました。

「必死で暗譜した」という事なので、確かにゆとりはなく、音符を忘れないように懸命に弾いていたという感じですが、そろそろ暗譜をする時期というのを知っていて、自分で計画的に練習をしていたようです。

この生徒さんの弾く曲は、とてもロマンティックで優美な雰囲気の曲なので、曲に合った弾き方を重点的にレッスンしました。テンポを少しゆっくりにしたり、逆に少し速めたり、音の強さのバランスなども細かく指摘して、部分練習なども行い、レッスンの間に随分と良い雰囲気で弾けるようになってきました。

発表会の曲を決めて、最初のレッスンで全て弾けるように譜読みをしてきた生徒さんは、かなり早い段階から、細かい練習をすることができました。やはり譜読みを早く済ませますと、音楽の表現について時間を多く使えるので有利ですね。

今回の曲では、初めて弱音ペダル(ウナ・コルダ。グランドピアノの一番左にあるペダル)とダンパーペダル(一番右にあるペダル)を同時に使用するところがあり、その話をした時には、「えーっ?!」と驚きを隠せない様子でしたが、2週間後には違和感なくすんなりと使用できるまでになっていました。

和音の変化が少し面白い作品を弾きますので、レッスンの時には和音の進行について弾きながら説明をしたところ、あまり気が付かなかった音の響きにも耳を傾けることができたようで、その後の演奏にも多彩な和音の響きが表現できたように思います。

私自身も、今回はもう1人のピアノの先生と連弾をすることになり、日々の練習の他に、2人で合わせる練習もしています。曲はよく知っているのですが、実際にきちんと練習した事はなかったので、とても新鮮な気持ちで練習をしています。

連弾は、1台のピアノを2人で演奏するもので、1人の時よりも華やかさやゴージャス感が出せるものです。私はセカンドという低い音のパートを弾く事になりました。ずっと伴奏というわけではなく、ところどころではメロディーも弾いていきます。

連弾では、常に体が接近して弾くだけでも、なんだか窮屈な感じがするものですが、それだけではなく、もう一人の方の左手と私の右手を交差させて弾く所があり、弾きながら手がぶつかりそうになったり、実際にぶつかってしまう事もありました。

大変なのはそれだけではなく、セカンドはペダルも担当しますが、1人で弾いている時のペダルとまるで違うのです。何が違うのかと言いますと、自分が弾いていない所もペダルを踏む必要があるのです。プリモという高い音を弾く人の音や、全体としての音楽が美しく響くように、自分が休符で何も弾かない所でもペダルだけは踏むことになります。

普段の練習は、1人なので、自分の音だけしか鳴っていませんが、連弾は2人で弾いていて、全体の音楽の響きを意識しないと、おかしなペダルになってしまうので責任重大です。

2人で合わせる練習を重ねてきますと、お互いの呼吸が合ってきて、演奏がピッタリと重なって調和をしてきて、段々と手ごたえを感じるようになってきます。お互いに意見やアイディアをどんどん話して、部分練習をして、共に音楽を作っていく事は、1人で弾くのとはまた違った楽しさがあるものです。

大変有名なバレエ音楽を弾くので、生徒さん方も楽しく聴いていただければと思っています。

発表会本番まで残り僅かですが、時間を大切に、生徒さん方が、それぞれ成長していければと思っています。

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