(この記事は、2025年6月16日に配信しました第424号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、お子様の生徒さんの様子です。

大人の方は、春になっても何かが変わるという事は少ないように思いますが、お子様の場合は、毎年学校の学年が変わりクラスも変わり、場合によっては学校も変わります。今年中学生になった生徒さんは、これまでピアノを含めていろいろな習い事をしていたそうですが、中学生になったことをきっかけに習い事を整理してピアノのレッスン時間を増やし、部活動では吹奏楽部に入部したそうです。

フルートを始めるとの事ですが、これまでもピアノ教室に通っているお子様で、中・高学生になって音楽系の部活動に入った方が何人もいます。ピアノのレッスンを続けながら新たな楽器にもチャレンジされるわけですが、音楽がとても好きな様子が覗えて私もとても嬉しくなります。

ピアノを弾いているので楽譜は読めますから、新しい楽器とはいえ有利に進められますので、ピアノを習っていてよかったと思っていただけるのではないでしょうか。また、ピアノとは異なり、基本的に単旋律で演奏する楽器になりますので、メロディーをきれいに演奏するという意識が強くなり、ピアノ演奏にもよい影響がありそうです。

このように、ピアノをきっかけに音楽との関わりが増して、楽しみ方が広がってくれたら、いいなあと思っています。

春から私のクラスに移動してきた小学1年生の生徒さんは、生徒さんのご家族と先生の相性が今一つということで移動してきました。これまで、他の先生のクラスから移動してきた生徒さんはたくさんいますが、学年が上がり下校時間や塾の時間、他の習い事の時間などと合わなくなり移動してきたパターンがほとんどです。

生徒さんと先生の相性の問題で移動してきた方もいますが、今回のような生徒さんご本人ではなく、ご家族と先生の相性の問題で移動してきた生徒さんは初めてでビックリしました。

小学校に入学したての、まだまだ甘えん坊な生徒さんで、ご家族がつきっきりという状態ではありますが、それでも毎回レッスンが終わる時には、「ありがとうございました」とお辞儀をしてご機嫌な様子で帰っていきます。

私がレッスンを担当して1カ月後くらいに、発表会の曲について生徒さんと話したところ、この曲を弾きたいと言いながら「猫ふんじゃった」を弾き始めました。低年齢のお子様の場合、ピアノ曲と言ったら、真っ先にこの「猫ふんじゃった」が出てきます。学校でクラスメイトから教えてもらい、こぞって弾く事もあるようですが、この生徒さんの場合は、以前レッスンの付き添いでいらしたお父様が、「私は、この曲しか弾けないのですが、教えたんです」とお話しされていました。

生徒さんは、毎回レッスンの度に「猫ふんじゃった」を弾くのが楽しみな様子でもありましたし、生徒さんにとってもご家族にとっても思い出深い曲ですから、「初めての発表会で弾いてみる?」と話したところ、「うん!」と、とても嬉しそうにお返事をしていました。

それから少し経ち、発表会の日程のお話をした際に、ご家族から「検査入院の日とぶつかってしまい、時間が合わないので今回は難しいかも」というお話をいただきました。生徒さんは、発表会で「猫ふんじゃった」を弾く事を、とてもお楽しみにしていて、「発表会出る!発表会出る!」とお母様に何回もお話していました。

お母様が、「でもね、前から入院の日って決まっていたからね、また来年かな」と言うと、とてもがっかりした様子でしたので、直ぐに私は、「他の日程で発表会に参加できるところがあるか探してみますね」と話し、運よく当初と同じ日の早い時間帯で、発表会に参加ができることになりました。

生徒さんも大喜びでしたし、お母様も「発表会では、こ~んなにかわいいドレスを着てピアノが弾けるのよ」と楽しみな様子でお話をされていて、「良かったなあ」と思いました。今は、「猫ふんじゃった」と一緒に弾く、新しい曲の練習に励んでいます。初めてのピアノ発表会で、ご家族皆さんの思い出深い曲を披露できるなんて、とても素敵なことだと思います。

先日レッスンに来た、小学3年生の生徒さんは、いつも自由奔放に、でも楽しそうにピアノを弾いています。よく指は動きますし、新しい曲も直ぐに譜読みが終わります。物事を掴むことに長けているようです。先週のレッスンでは、音符の話をしたのですが、「8分音符は1個だけ書くとき、ひら~とカーブの線を1本書くでしょ。同じ8分音符を何個か連続して書くときは、もちろん先程の音符を何個か書けばいいんだけれど、普通は音符の丸を書いて横棒でつなげて書くよね。この横棒は、先程の1個だけ音符を書いた時のカーブの線と同じ1本線なのよ。この横棒が2本線だったら、16分音符だよね。では、質問ね。この横棒が、3本線だったら何音符になるんだろうね。4本線になったら何音符になるのかな。算数が得意だから、ちょっと考えたらわかるんじゃない。これは宿題ね」と音符と質問を書いてお渡ししました。

お教室の出口で、「20音符?23分音符?」と言うので、「いろいろ言っていたら、そのうち当たってしまいそうだね。でも、よく考えて来週教えてね」と生徒さんにお話して、レッスンに同席していたお母様には、「答えが合っているとか間違っているとかではなく、う~んと考えて悩んでいただくことが目的なので、ヒントなしでお願いします。でも、たぶん答えは自力で出せると思います」と話して、承知していただきました。

そして、別れて10分も経たないうちに、レッスン室をノックする音がして、見ると先程の生徒さんの姿がありました。ゼーゼーハーハーと肩で息をしていて、全速力で走ってきた様子でした。ドアを開けると、その生徒さんは「32と64!」といきなり宿題にしていた音符の名前を答えて、私が「正解!」と言った瞬間、「よっしゃ~」と声を上げて、すぐさま走って帰っていきました。

一瞬の出来事でしたので、私もちょっとびっくりしましたが、早く答えを伝えたいという気持ちが伝わり、とても嬉しく思いました。

それぞれの生徒さんが、上達しながら尚且つ毎回のレッスンが楽しいと思っていただけますように、これからも精進していきたいと思います。

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