(この記事は、第255号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、暑い夏が終わり秋を迎えたピアノ教室の様子です。

今年の夏は、だいぶ早い段階からかなり暑い日が続き、また、台風が多く発生したり、大地震が起きるなど、自然の脅威を感じる日々となりました。9月に入り、暑さも一段落した感じで、ほっとされている方も多いと思います。

ピアノ教室では、6月にお子様の発表会を終えていますし、大人の方は11月が発表会でまだ時間がありますので、夏は比較的穏やかな気分で過ごせたのではないかと思います。

連日35度を超えるような猛暑続きだったこともあり、70代・80代の生徒さん方は、かなり体力的に辛かったようです。

いつもお元気で、楽しそうにピアノを弾いていた80代の生徒さんも、今年の暑さには疲弊してしまったようで、暑くて通うのが大変ということで、秋までお休みをされています。復帰の日にちを決めていますので、その日を楽しみにしているところです。

学生さん方は、大学の授業の傍らインターンで企業に足を運んでいたり、帰省して教育実習をしていたりと、なかなか忙しい日々を送っているようです。

インターンで企業に通っている生徒さんは、子供の時から囲碁を学んでいてかなり強いらしく、授業が終わると囲碁サロンでアルバイトをしていたり、個人レッスンをしていたり、大会の運営スタッフなどもやっているようです。現在の囲碁のお仕事でも、生活をしていけるようなのですが、それでも企業への就職を考えているようで、インターンなどを通して将来どのような職種を選ぶのか模索しているそうです。

帰省して教育実習をしていた生徒さんは、数か月レッスンをお休みされていましたが、先日予定通り復帰されました。久しぶりの再会でしたが、笑顔で教室にいらっしゃいました。

教育実習は大変だったようですが楽しかったそうで、充実した日々を過ごしたような印象を受けました。ただ、何となく今一つすっきりしていないような、少し影があるような気がしたので聞いてみますと、帰省中、自分の将来についてご家族に相談し、意見が割れてしまって悩んでいるとのことでした。

教育実習をして、高校の先生になりたいという思いが強くなった一方で、まだまだ勉強が足りないと感じたそうで、大学院進学を考え始めたそうです。現在は、退職する教員も多いため、就職するタイミングとしては良いようで、また、進学するとなると学費もかかるため悩んでいるとのことでした。

就職か進学か、生徒さんの迷いもわかりますし、ご家族の思いも想像がつきますが、アドバイスは何とも難しく、お話を聞くことと、はるか昔の私自身の体験を話すことくらいしかできませんでした。

1週間経ってレッスンに来た時には、結論を出したそうで、すっきりした表情でいらっしゃいました。これからは、自分の決めた道を進むのみなので、ぜひ頑張ってほしいと思います。

お子様の生徒さん方は、受験生が多いこともあり、普段以上のハードスケジュールをこなしていたようです。

普段から、平日は学校の授業の後に塾通いや、週末も塾の特別授業やテストなどで忙しそうな様子でしたが、夏休みになりますと、朝から一日中塾の授業があったり、合宿があったりして、忙しかったと話している生徒さんが多かったです。

受験生とはいえ、せっかくの夏休みが勉強だけで終わってしまうのは、ちょっと酷な感じがしてかわいそうに思っていましたが、お友達と遊びに行ったり、ご家族でちょっと遠出をしたりと、夏休みの楽しい思い出も作っていたようで安心しました。

今年めでたく高校進学した生徒さんは、昨年とは違いゆっくりと夏休みを過ごせるのかと思っていましたら、実際には毎日部活の練習に明け暮れていたそうです。

ダンス部に所属していますが、9月の文化祭に向けて、連日朝からエアコンの効いていない部屋で、ひたすら踊っていたようです。熱中症対策は万全に行っていたそうですが、「ホントに大変っ!」と話しつつ、終始笑顔で話していましたので、高校生活がとても楽しい様子が伺えてなによりでした。

大人になりますと、どうしても目先の忙しさや、やらなければならない事をこなしていく事で1日を終えてしまうことも多いので、学生時代に部活動に熱中していた頃が懐かしく、また少し羨ましい感じもするものです。

もうすぐ本番を迎えるようなので、成果が存分に発揮できることを願っています。

11月に、大人の方の発表会に参加される生徒さんは、刻々と本番が近づいていることを強く認識し始めたのか、最近上達のスピードが上がってきました。毎年発表会に参加されている熱心な生徒さんなので、「そろそろ本腰を入れて練習しないと」と思っているようです。

オクターブを含む和音でメロディーを弾いていく曲で、最終的には少し速いテンポで弾かなければならないため、なかなか難しく、一時は「今年は間に合わないかも」と弱気な発言もしていましたが、モチベーションを上げてきたようです。

段々とスムーズに曲が流れてきましたので、これから難しいテクニックの部分練習や細かい表現について、レッスンでお話していこうと思っています。

私自身も、数日前に11月の発表会で講師演奏の依頼があり、少々焦り気味ですが生徒さんのようにモチベーションを上げて頑張ろうと思います。

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(この記事は、第254号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、バレエとオーケストラのコンサートのお話です。

先日、「青島広志のバレエ音楽ってステキ!」というコンサートに行ってきました。

青島さんは、東京芸大・同大学院を主席卒業され、「題名のない音楽会」「世界一受けたい授業」「たけしの誰でもピカソ」など、数々のテレビ番組にも出演されている作曲家&演奏家で、マルチアーティストとも紹介されています。個性的な衣装と、少々早口で人柄の良さを感じさせる話し方は、印象が強く、お名前や顔をご存知の方も多いと思います。

今回のコンサートは、バレエ付きなのですが、バレエを披露されるのはKバレエカンパニーのダンサーです。

Kバレエカンパニーは、イギリスのロイヤルバレエ団のプリンシパルを務めていた熊川哲也さんによって創設されたバレエ団で、古典バレエを重点にしつつ、新作も毎年発表されています。

熊川さんは、若手バレエダンサーの登竜門といわれているローザンヌ国際バレエコンクールで、日本人初の金メダルを受賞し、東洋人として初めてイギリスのロイヤルバレエ団に入団、史上最年少でソリストを務め、その後プリンシパルに昇格しました。5年ほどプリンシパルを務められたのちに退団し、自らのバレエ団(Kバレエカンパニー)を創設し活躍され、紫綬褒章も受賞されています。多くのメディアにも出演されていますので、熊川さんをご存知の方も多いと思います。

青島さんの司会と指揮、10年以上もKバレエカンパニーと共演されているシアターオーケストラトーキョーのオーケストラ演奏、熊川さん監修による、Kバレエカンパニーのダンサーによるバレエと、なかなか豪華なメンバーのコンサートと思い行ってみました。

この日は大変な猛暑日でしたが、会場に着きますと、1300人ほど入れる大きな会場は空席が見当たらないほどの満員状態で、大変な熱気に包まれていました。夏休み中で、しかもお子様の観覧も可能なコンサートでしたので、1、2歳くらいの赤ちゃんなどお子様もたくさんいらしていました。

演奏された作品は、「眠れる森の美女」「白鳥の湖」「くるみ割り人形」という3大バレエと呼ばれるものの他、ヨハンシュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」序曲、「ロミオとジュリエット」「タイスの瞑想曲」などが披露され、オーケストラの音楽のみで楽しんだり、バレエとの共演で楽しめるようになっていました。

その他、観客がその場で立ち上がり、オーケストラの演奏に合わせてステップを踏んだり、指揮者体験コーナーでは観客の中から選ばれたお子様3人が舞台に上がり、オーケストラの指揮を振る企画もありました。

司会は、青島さんとダンサーの宮尾俊太郎さんにより進められましたが、和気あいあいの二人のかけあいも楽しく、作曲者についての説明では、青島さん自ら描いたという人物画も披露されました。

演奏が始まる際には、青島さんは指揮者台へ移動し、宮尾さんは舞台袖に下がるのですが、宮尾さんの背筋の良さと美しい足さばきに「さすがバレエダンサーだなあ」と感心してしまいました。

ピアノのコンサートや発表会などを見学したり、私自身も舞台に立つことがありますが、人それぞれいろいろな癖があるものです。下を向いてとぼとぼ歩いていたり、左右の手の振りがアンバランスだったり、だいぶ速足になってしまうこともあります。バレエダンサーの体の動きは、ちょっとした場面でも美しく、引き付けられるもので、同じようにはできなくても、せめて背筋を伸ばして歩くことだけは意識してみようと再認識しました。

バレエ音楽は、知ってはいても、どうしてもピアノ曲と比べますと聴く機会が少なくなってしまい、かなり久しぶりに聴くことができました。演奏のみの時は、バレエが付いていなくて少し残念と思っていたのですが、演奏を聴きますと、音のみでバレエの世界が表現されていて十分楽しめ、やはりステキな音楽だなあと改めて感じました。

その後、バレエとの共演が始まりますと、イメージしていたバレエの世界が目に見える形で表現され、ダンサーの表現力、技術の高さ、音楽との一体感、照明や衣装も合わさって、見事に総合芸術になっていました。

バレエのことは、詳しくはないのですが、まさに指先から足先まで全てに意識が向けられていて、「すごい」という言葉しか思い浮かばず、惹きつけられてしまいました。

プログラムを見ますと、バレエの振り付けは、熊川さんの再振り付けと書かれていましたので、オリジナルの演技になっていたようですね。

オーケストラも、Kバレエカンパニーの他、ウィーン国立バレエ団やパリオペラ座バレエ団との共演もされているだけあって、バレエとぴったり合っていて、ずれてしまいそうな危うさが全くなく、さすが合わせ慣れていると思いました。

通常のコンサートは、2時間くらいかかるもので、オーケストラのみ、ピアノのみというパターンが多く、お子様だけでなく大人にとっても、なかなかハードルが高く感じるかもしれませんが、今回のコンサートは、バレエとの共演や楽しいトークもあり、また、ちょっとした体験コーナーもあったりで、飽きることなく、お子様も最後まで楽しめたのではと思います。

バレエも、有名な作品をいろいろ楽しめましたので、今度は1つの作品を全編見てみたいと思いました。

自宅や電車の中で気軽に音楽を楽しめるご時世ですが、やはり生の音楽に触れる事でしか得られない感動もあり、それが、ご自身の演奏にもきっと繋がると思います。

9月になり芸術の秋になりますので、コンサートに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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(この記事は、第253号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、百田尚樹さんのクラシック名曲エッセイ集のお話です。

百田さんは、「永遠の0」や「カエルの楽園」「海賊とよばれた男」などの本がいずれも大ヒットしている人気作家で、今では執筆活動以外にも多方面でご活躍されています。

インターネットのニュース番組などにコメンテーターとして出演されている百田さんをご存知の方も多いかもしれませんが、私は初めて見たとき、やたらと早口で関西弁を話す毒舌キャラの面白いおじさんという感じで、以前「カエルの楽園」を読んだ時には、そのような雰囲気は感じられなかったので、まるで別人のようで、興味深い作家だなあと思っていました。

そんな百田さんは、40年以上のクラシック音楽ファンでもあります。ご自宅には、執筆の仕事場を兼ねた防音のリスニングルームがあり、一日中クラシック音楽を聴いていることもあるそうです。

クラシック音楽の本も書かれていて、「至高の音楽 クラシック 永遠の名曲」「この名曲が凄すぎる」が出版されていますが、その完結編として今年6月に出版された「クラシック 天才たちの到達点」を読んでみました。

「クラシック 天才たちの到達点」は2部構成になっていて、第1部では、作曲家の青年期・壮年期の作品14曲、第2部では作曲家の晩年の作品11曲が紹介されています。

モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第5番 皇帝」、ドヴォルジャークの「新世界より」、スメタナの「モルダウ」など、いずれも名曲ぞろいです。第1部、第2部共に取り上げられている作曲家もいるので、作曲家の足跡をたどることもできます。

1曲ずつ曲目解説はもちろん、作曲家の生きた時代背景や人柄、考え方、作曲スタイル、曲にまつわる百田さんのエピソードなど様々な話が紹介されています。やさしくわかりやすい語り口調と、1曲につき見開き4ページという長さが、とても手頃で読みやすいと思います。

そして、何と言ってもこの本の特徴は、百田ワールドでのクラシック音楽の解説です。最初の見開き1ページこそ、良い意味でごく普通に読んでいましたが、ページをめくると百田さんの世界が表れてきます。

最初は、ショパンの作品を取り上げているのですが、「実は、私はショパンの熱烈なファンではない」「好きな曲もあるけれど、すべてがお気に入りというわけではない」「ワルツ、マズルカ、ノクターン、バラード等は、好きな曲の方が少ないくらいだ」と、バッサリと切り捨てたような言葉が飛び出し、まあそこまで言わなくても…という感じです。

その他にも、ドヴォルジャークの作品を、「親しみやすいポピュラーな名曲と思われているが、少しもそんな風に見ていない。むしろ謎に満ちた不気味な曲」、「マーラーの交響曲はあまり惹かれない。『復活』以外は、どれも退屈な曲」など、取り上げている作品に自由な意見が書かれていて、始めはかなり戸惑いましたが、読み進めていきますと、称賛ばかりではないところに、むしろ好感が持てました。

細かいところでは、「イタリア・オペラは苦手で、やたらと大仰に愛を叫ぶのが、いまひとつぴんとこない」とか、「この部分を聴くといつもぞっとする」とか、「この部分になぜ1回だけシンバルを、しかも弱い音で入れるのか、私にはわからない」とか、「恐怖映画のオープニングのようで、怪物か何かがやってくるような旋律」、「喜怒哀楽の様々な感情がでたらめにぶち込まれているように感じる。全体的には、野蛮な雰囲気に支配されているように聴こえる」など、毒舌キャラが止まりませんが、そのくらい音楽は自由に捉えていいのだと改めて感じました。

もちろん批判的な内容だけでなく、シュトラウスの音楽について「軽い音楽として、一段下げた見方をされるが、そうは思わない。とても一筋縄ではいかず、芸術的・哲学的な内容を持っている」、フォーレの「レクイエム」について、「死をテーマにした音楽というよりも、天国の楽園か何かを描いているような音楽に聞こえる」というように、率直に独自の見解を書かれているところも多くありました。

クラシックの作曲家の解説本やエッセイ集などは、本当にたくさん出版されていますが、解説本はその分野の研究者が書きますし、エッセイ集も演奏家などクラシックの専門家が書いているものが多くなります。

解説本は、かなり詳しい話が書かれているのが魅力ですが、真面目で難しい内容のものも多く、学校の教科書のような感じで、気軽に読めるような感じではありません。エッセイ集は、気軽さはありますが、演奏家は基本的に全ての作曲家に敬意を持っていますから、なんとなく表面的にきれいに整ってしまっていて、本当はどうなんだろうか?と思ってしまうことも少なくありません。

その点、この本は、実にズバズバと思った事をストレートに書いていますので、なるほどと面白さを感じるところもあれば、なかなか個性が強いなあと思うところもあり、読む人によって賛否両論ありそうですが、いずれにしてもこれまでになかった新しいクラシック音楽の本と言えるのではないでしょうか。

取り上げられた音楽については、百田さんのおすすめCDがたくさん紹介されていますし、お試しサンプルまで付いていますので、「何を聴いたらよいのだろう?」「どの演奏家のものを聴いたらよいのだろう?」と迷う方には、一つの参考になると思います。

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