(この記事は、2023年7月10日に配信しました第376号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、梅雨の時期のピアノ教室の第2段です。

まずは、ご高齢の生徒さんのご様子です。

この生徒さんは、ピアノ教室に入会されて、かれこれ15年以上になります。御年88歳で、昨年米寿を迎えられました。体が丈夫なようで、体調不良でレッスンをお休みされたことのない生徒さんです。

「私、風邪もひかないし、お腹も壊さないの。体だけは丈夫なのよ、こっちはダメだけど」とニコニコしながら頭を指して、冗談までおっしゃっるような、お茶目な性格なのです。8月の真夏の暑さにも負けずに、また寒さの厳しい日にも欠かさずレッスンにいらっしゃるので、「〇〇さんは、お休みせずにレッスンに通われていて、皆勤賞ですね」と、お話をしていました。

入会時に、「レッスン時間が、1枠だけだと短いわ」とおっしゃり、2枠申し込まれたので、今でも休憩なしの2枠連続でレッスンを行っています。大変お気に入りの曲があり、いつも「良い曲ですね~」と感想をお話しながら、楽しそうに弾いています。レッスン後は、いつも疲れた様子もなくひょうひょうとされているので、毎回凄いなあと感心させられています。

とは言っても、ご高齢であることには変わりなく、「雨が強く降っていて、家から出られないからレッスンをお休みします」という連絡が入った時には、少し気になっていました。確かに、生徒さんのお住いの地域は坂が多く、所によってはなかなかの急こう配なので、毎回のレッスンに徒歩で通われている事は心配でしたが、欠かさずレッスンにいらっしゃっていた方だからこそ、「今回だけならいいけれど…」と少し不安さえ感じてしまいました。

少しずつ足腰にも陰りが見え始めてきたので、ますます気がかりでしたが、ある日、ピアノ教室の受付さんから、「〇〇さんからお電話があり、今日はこれからますます暑くなるそうなので、お休みしますとのことです。ご本人は、お元気そうでした」と連絡をもらいました。次回のレッスン日時もご相談しないといけないので、直ぐにお電話をしたところ、ご家族の方が電話にお出になりました。「〇〇さんから、今日はこれから暑くなるからレッスンをお休みしますという連絡を頂いたのですが…」とお話をしますと、「あら、そうでしたか。私は、今こちらに着いたのですが、車で教室まで送っていくから大丈夫よと話したところなんです。なので、レッスンには連れていきます」とお返事を頂きました。

その後、無事にピアノ教室へ到着され、いつものように楽しそうにピアノを弾いて、お帰りの際は、再びご家族が車で迎えにいらしていました。「来月からデイサービスにも通う事になりますが、曜日が異なるので、ピアノには来れます。90歳までは頑張ろうねって話しているんです」と、ご家族の方がお話され、その横で生徒さんもニコニコしながら頷いていました。

「〇〇さんは、ご家族がいろいろとお手伝いをされているようで、安心ですね。よかったですね」と生徒さんに話しかけますと、「そうかしら?」とニコニコしながら、いつものように茶目っ気たっぷりの表情でお答えしていて、思わず笑ってしまいました。ご家族が連携しながら、生徒さんの趣味を大切に思ってサポートされている様子が伺えて、私も大変嬉しく、また素晴らしいご家族だなあと感激しました。

「ピアノが弾けるって楽しいですね」と、毎回のレッスンでお話されていますので、これからもピアノの楽しさをたくさん味わえるようなレッスンを展開していきたいと思っています。

別の大人の生徒は、先月から3回完結のレッスンにいらしています。お仕事を退職され、時間も取れるようになり、昔習っていたピアノに再びチャレンジです。「今、ピアノをまた始めないと、もうやらなくなっちゃいそう」と思い、レッスンの申し込みをされたそうです。

大変にこやかな笑顔で、さっそうと教室にいらっしゃり、「すごく前にピアノをやっていたけれど、全然弾いていないので忘れました」とおっしゃっていましたので、初心者向けの教材を用意して、「これは、いかがでしょう。ちょっと弾いてみましょう」とお話しますと、初見にもかかわらず、すらすらと弾いていて、びっくりしました。だいぶ、謙遜されていたようです。

ちょっとミスをしたところは、「ここは、難しいですね」と言いつつも、少し部分練習をして、あっという間に弾けるようになっていました。とても、長期のブランクを感じさせない演奏でした。久しぶりのピアノに、とても嬉しそうな様子で弾いていましたが、2回目のレッスンの後には、「私は、3回のレッスンが終わっても、ピアノをやりますので入会します。教材などは買いますので、おっしゃってください」とお話されていました。

ピアノ教室の夏休みの日程や、生徒さんご自身の帰省の日程の関係もあり、受付さんが「来月からの入会でいかがでしょうか」とご相談しますと、「私は、直ぐにレッスンに来たいので、3回レッスンが終わったら、間を開けずに同じ月に直ぐ始めたいです」とおっしゃっていて、ピアノレッスンへの積極的な姿勢が伝わってきて嬉しく思いました。3回のレッスンの最終日には、入会手続きも済ませ、レッスンの日程も決めて、教材も手配し、あっという間に万全の準備が整いました。来週には、正式に第1回目のレッスンが始まりますが、私も楽しみです。

お子様の生徒さんでは、つい先日、姉妹でレッスンに通われている生徒さんのお母様から、「偶然、こんなコンクールを見つけたんですけれど、これってどうでしょう?」という旨のご連絡を頂きました。お子様向けのコンクールで、課題曲が1曲、地区予選もファイナルも同じ曲で、ファイナルも地区ごとに行われるので、わざわざファイナルのために都心などの会場へ行く必要がないので、お手軽な感じのコンクールです。

ちょうど、姉妹共に課題曲の曲集をレッスンで扱っていますので、「挑戦できるかな」とお母様が思われたようです。発表会も終わり、新たな目標を見つけて頑張ってみたいというお気持ちは大変素晴らしいですし、偶然にも、地区予選の会場の1つが、先月の発表会と同じ会場なので、会場のピアノも弾き慣れている事や、地区予選まで割と時間もあるので、「コンクールに、チャレンジしてみましょう」という事になりました。

私は、姉妹それぞれが今弾いている曲を課題曲に選んで、さらに深めていくと良いかなと思ったのですが、生徒さんご本人は、それぞれ弾きたい曲があり、しかも金賞を狙いたいと話されているようです。コンクールの選曲については、やはり生徒さんの長所をアピールできて、可能であれば短所があまり目立たないものや、演奏映えするものなどを選びたいものですが、だからと言って、曲を私の方で決めてしまうと、弾かされている感じになってしまい、それもあまりよろしくないと思っています。今回は、姉妹共に、それぞれの持ち味がアピールできそうな曲でしたので、ご希望通りの曲で、コンクール参加を決定しました。

なかなかハードな道のりになるかもしれませんが、金賞を目指して、私もしっかりとレッスンを行っていきたいと思います。

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