(この記事は、第132号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、独自のヴァイオリン教育で有名な鈴木メソードのコンサートのお話しです。

日本のヴァイオリン界に大きく貢献し桐朋学園の学長でもあった江藤俊哉さんや、「情熱大陸」で有名な葉加瀬太郎さん、さだまさしさん、久石譲さん等、クラシック音楽だけでなく、あらゆる音楽ジャンルで活躍する有名人を数多く輩出している鈴木メソードの生徒さんによるチルドレンコンサートを聴きに行ってみました。

国内では約2万人、世界46ヵ国に約40万人もの生徒さんが学んでいるそうで、「母語教育法」という考え方に基づいてレッスンをされているそうです。

今回のコンサートは、いくつかのお教室が集まって合同で行われました。

オープニングの合奏に始まり、ピアノ演奏、ヴァイオリンやフルート、チェロの合奏、全部の科のアンサンブルもありました。

鈴木メソードは、創立者がヴァイオリニストで、ヴァイオリンの教育から始まったので、ヴァイオリンのイメージがとても強いのですが、ピアノやチェロ、フルートのレッスンも行われています。

私自身の専門がピアノという事もあり、ピアノの生徒さんの演奏も楽しく聴きましたが、他の楽器の発表会もあまり聴く機会が無いので興味深く聴かせていただきました。

ピアノの生徒さんの演奏は、ソロの他に、連弾や2台ピアノもありました。

小さい生徒さんにとって、他の人と合わせて演奏する事は、ソロとはまた違った大変さや緊張感もあると思いますが、なかなか息の合った演奏を披露していました。

2台ピアノの演奏を経験した方はご存じと思いますが、連弾と違って1人1台なので体がぶつかる心配もなく、伸び伸び弾けそうなイメージなのですが、相手の音が意外と遠くから聴こえてきますので合わせにくいものです。

特にホールは音がよく響くので、なおさら合わせにくくなります。相手の音を聴かないと揃いませんし、あまり聴き入ってしまうと、音が自分の耳に届くまで少し時間がかかるので、自分の演奏が遅れてしまうのです。

このように2台ピアノの演奏は慣れないと難しいのですが、よく合わせて弾いていたので驚きました。

楽器を習い始めた生徒さんのコーナーでは、ヴァイオリン、フルート、チェロの生徒さんが、合同でキラキラ星を演奏していました。

チェロの生徒さん用の椅子が舞台に登場した時点で、「うわ~、小さい」と思いましたが、登場してきた生徒さん方が本当に小さい生徒さん方ばかりで、とてもかわいらしかったです。

チェロが、大人用のヴァイオリンくらいの大きさに見えますし、ヴァイオリンもまるでウクレレのようで、フルートもピッコロくらいのサイズに見えました。

それでも演奏の準備では、しっかりと構えの姿勢が出来ていて、バッチリ決まっていました。

後半、少々テンポが走ってしまいましたが、それもご愛嬌と言う感じで、頑張っている姿がなんとも言えず微笑ましく感じました。

それぞれの楽器のグループ演奏では、始めたばかりの生徒さんから、高校生くらいの生徒さんまで、一緒に演奏をしていました。

小さな生徒さんにとっては、身近なお手本であり目標になると思いますし、大きい生徒さんにとっては、自分が始めたばかりの事を思い出して初心を忘れないきっかけにもなりそうで、お互いによい刺激になるように思いました。

コンサートというタイトルなので、発表会とは違うのかもしれませんが、よくあるピアノの発表会とは全く異なるので、とても楽しく学ぶことも多くありました。

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(この記事は、第126号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、モーツァルトが愛していた食べ物のお話です。

モーツァルトは、神童とも呼ばれ、その腕前を披露するために、幼い頃から演奏旅行をしていたことで有名です。短くても数カ月、長いときには何年もかけて世界各国を回っていました。

当時は舗装もされていない道を、馬車に揺られて移動するのですから、楽しいだけではなく、とても過酷な旅行だったのかもしれません。

旅行にはお金がかかりますから、食費を切り詰めていたこともあったようですが、旅先では貴族などから夕食をご馳走になっていたこともあったようです。

現地の食材を使った料理を食べたり、初めて出会った味も色々とあった様なので、なかなかのグルメだったのかもしれません。

そんなモーツァルトが好んで食べていたものの一つが、なんと「牛タン」です。

ウィーンに滞在していた時には、故郷のザルツブルクから、お父さんが牛タンを送ってくれていたそうです。そのお礼の手紙が残されています。

牛タンは、日本でも仙台の名物ですし、焼き肉屋さんへ行くと定番のメニューですね。

薄くスライスした牛タンに、塩だれや刻んだねぎを合わせて、網の上で焼いて食べたり、厚切りにして味噌だれに合わせて食べたりすると思います。

また、デミグラスソースと一緒に煮込んで、牛タンシチューというメニューもありますね。

モーツァルトが活躍していた時代は、現在のように流通がしっかりと整備されていたわけではないので、ザルツブルクから230km離れているウィーンに荷物を送る場合、5日間ほどかかっていたそうです。

さすがに5日もかかりますと、食材が傷んでしまいますから、牛タンは塊のまま大量の塩やタイム、オレガノなどのハーブと一緒に擦りこんで、塩漬けにしていたのだそうです。

それをスライスして、ホースラディッシュというローストビーフなどに添える西洋わさびと、卵黄、サワークリームなどで作るソースをかけて食べていたそうです。このホースラディッシュソースは、ヨーロッパの伝統的なソースです。

このソースは、日本ではなかなか食べる機会がないかもしれませんが、ホースラディッシュにマヨネーズなどを合わせたソースは、輸入食材屋さんなどでも販売されています。また、ファーストフードのサブウェイでは、サンドウィッチを注文するときのドレッシングの一つにもあります。

牛タンという、同じ食材でも、時代や国が変わると、違った食べ方をしていて面白いですね。

お料理好きな方やモーツァルトファンの方は、当時の味を再現してみると、さらにモーツァルトの人となりを身近に感じられるいい機会になるかもしれません。

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(この記事は、第123号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、ゴールデンウィーク中に開催された、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2013のお話です。

毎年5月3・4・5日に行われるクラシック音楽のイベントで、ニュース番組でも取り上げられる事が多く、もうすっかり浸透した感のあるイベントになりました。

会場となった東京国際フォーラムでは、朝から多くの人々が集まり盛り上がっていました。ちなみに今年は、51万人集まったそうです。

今回は、「パリ、至福の時」というタイトルで、フランスの作曲家を中心としたプログラムが数多く揃っていました。

ラ・フォル・ジュルネは、1公演が45分と手頃な長さで、コンサートチケットが1回大人1500円と手軽な料金ですし、同じエリア内の複数ホールで同時にコンサートが開催されるので、その中から聴きたいコンサートを選んで、1日に複数のコンサートを聴くこともできるなど、クラシック音楽やクラシックコンサートのイメージをがらりと変えたイベントでもあります。

今回は、ビゼーの「カルメン」組曲とラヴェルのバレエ「ダフニスとクロエ」第2組曲、そして打楽器による現代音楽のコンサートを聴いてきました。

ビゼーとラヴェルのコンサートは、フランス国立ロワール管弦楽団と、この後に聴いた現代音楽のオーケストラであるアンサンブル・アンテルコンタンポランでも指揮を行い、来年度正式にロワール管弦楽団の音楽監督に就任する現代音楽の第一人者 パスカル・ロフェさんの指揮により演奏されました。

演奏の前後には、俳優の石丸幹二さんによる朗読や解説がありましたので、音楽の内容が理解しやすく、より楽しめるコンサートとなっていました。

このコンサートは、0歳から聴けるコンサートで、3歳未満のお子様は、保護者1人に付き1人膝の上で無料で聴けるという大変珍しいものでした。

通常、クラシックコンサートは、未就学児は不可としている事がとても多く、また子供料金もわりとかかったり、夜に開演するコンサートが多いものです。実際、生徒さんの親御さんから、「子供に生の演奏を聴かせたくても、なかなか行けるコンサートが無い」と相談を受けることがありました。(生徒さんには、このイベントをご紹介しています)

今回聴いたコンサートは朝10時開演で、しかも5,000人以上入るとても大きなホールでしたが、座席がかなり埋まっていたのには驚きました。

お客さんを見ますと、やはり小さなお子様連れのご家族が多ったですね。音楽に合わせて体を動かしたり、声を上げて喜んでいたり、またリラックスして寝ている赤ちゃんまで、さまざまなスタイルで音楽を楽しんでいる様でした。

これだけ小さな時から、一流の演奏を生でご両親と一緒に楽しめる機会はなかなか無いので、貴重な体験ですしとても良い刺激になると思いました。なにより、ご家族が揃って一つのものを楽しめるのは、とても良いですね。

もう一つ聴いた現代音楽のコンサートは、イベントスペースで行われた無料のコンサートです。(無料のイベントでも、なんらかの有料公演のチケットの提示が必要です)

18年ぶりの来日となったアンサンブル・アンテルコンタンポランの打楽器奏者3人が、マラカスやマリンバ、ティンパニ、ヴィブラフォン、シンバルなど、いろいろな打楽器を使用して、次々と素晴らしい演奏を披露しました。

日本を代表する作曲家である武満徹さんの娘さんが、司会をされていたことも興味深かったです。

あらかじめ録音された演奏に、指揮者のような動きを合わせた ドュ・メイ作曲の「サイレンス・マスト・ビー」や、1人で何種類もの打楽器を打ち分ける超絶技巧の曲目である クセナキス作曲の「リバウンド(b)」、1つの楽器を3人で共有しながら、他の打楽器も使用する ジブコヴィッチ作曲の「トリオ・バー・ウノ」など、聴くだけでなく、見ていても面白く楽しめるものでした。

クラシックコンサートの中でも、現代音楽は更に敷居が高く、難しいというイメージですが、このように気軽に聴く機会がありますと、イメージも変わりファンも増えそうな気がしますし、好きな音楽の幅も広がりそうですね。

ラ・フォル・ジュルネをきっかけに、音楽を楽しむ人が更に増えて裾野が広がることを願っています。早くも、来年のラ・フォル・ジュルネが楽しみです。

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