(この記事は、第134号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「ピアノ教室の出来事」は、大人の生徒さんの発表会のお話です。

先日、大人の生徒さんの発表会が行われました。お子様の夏の発表会から始まり、今年最後の大きなイベントでした。

お子様の場合、ピアノ発表会はレッスン回数の中に組み込まれていますが、大人の生徒さんの発表会参加は任意になっています。

上達を第一目的に掲げているお子様と違い、大人の生徒さんのピアノレッスンの目的は、様々だからです。

そのため、大人の生徒さんは、毎年参加される方もいれば、毎年発表会には参加せず「レッスンのみでよい」という方もいらっしゃいます。

参加されない生徒さんにお話を伺いますと、「恥かしいから」「人前で弾くなんて、いや、いや・・・」というお答えや、小さい頃に習っていた生徒さんは「昔、何回も出たので、もういいかなあと思って」というお答えもあります。

どのくらい弾けるのかというレベルやレッスンの年数には関係なく、生徒さんによってお考えは大きく異なるようです。

今年の発表会は、ピアノだけでなく、ヴァイオリンや声楽の生徒さんと合同になりました。普段、ご自分の演奏する楽器以外の音楽を聴く機会は少ないので、良いきっかけにもなったようでした。

ピリピリとした緊張感のあるお子様の発表会とは異なり、やや和やかな雰囲気の中、発表会は始まりました。

生徒さんが演奏の準備をしている間に、レッスンを担当している私達講師が、生徒さんへ向けたコメントを読み上げます。普段の生徒さんの様子やお人柄を話し、より興味を持って演奏を聴いて頂けるようにしています。

そして、実際の演奏では、普段お忙しくても時間を作ってレッスンに通い、コツコツと地道に練習を重ねてきた様子が伺えました。

ご高齢の生徒さんも何人もいらっしゃいました。自分が同じ位の年齢になったときに、こんなにもお元気で向上心を持っていられるのかと思い、今後の自分のあり方の目標にもなりそうでした。

今回は、大人になってからピアノを始められた方が主に参加する発表会なので、気軽に参加できる雰囲気なのですが、それでも舞台の上でスポットライトを浴びて演奏しますので緊張するようです。

普段は余裕を持って弾けているような方でも緊張して間違えてしまい、なかなか先に進めなかったり、音楽にいまひとつ乗り切れないまま終わってしまった方もいました。

また、指はいつも通りに動かせても、ペダルの感覚が掴めず、ペダルを踏んでいるのに効果があまり出なかったような方もいらっしゃいました。

ヴァイオリンやフルートのように、普段の練習でも、レッスンでも、本番でも、常に自分の楽器を使用できるのとは異なり、ピアノは色々な場面でその場にある楽器を使用しなければならず、それでいて、いつも通りの演奏を要求されるのですから、なかなか酷な状況とも言えます。

それでも、熱意溢れる演奏が次々と披露されていました。

娘さんのピアノ伴奏に合わせてヴァイオリンを披露された方や、オペラのアリアを披露された生徒さんは、華やかなドレスを着て、その役になりきって演技をしながら歌われていました。

演奏後は、ほっとされて安堵の表情をされている方や、「本番でいつも通りに演奏するのは難しいねえ」と感想を話されている生徒さんもいらっしゃいました。

たくさんの大人の生徒さん方が参加されますので、毎回違うメンバーになることが多いのですが、また来年はどのような発表会になるのか楽しみです。

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