(この記事は、2021年9月27日に配信しました第331号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、ショパンコンクールとオーディションの合格者コンサートのお話です。

朝晩が涼しい日も少しずつ多くなり、外を歩くと彼岸花が咲いていて、すっかり秋になりました。秋と言えば、音楽ファンにとっては「芸術の秋」ですが、昨年開催される予定だったショパンコンクール(ショパン国際ピアノコンクール)がコロナの影響で1年延期となり、今年の10月に開催されます。

5年に1度という、オリンピックよりも開催頻度が少ないのには驚きますが、今回は6年ぶりということになりますから、首を長くされていた方も多かったと思います。もちろん、私もその一人です。

今年7月には、ショパンの故郷であるポーランドのワルシャワで予備予選が行われました。ポーランドのワルシャワは以前訪れたことがありますが、ヨーロッパの華やかで趣のある雰囲気がありつつ、絢爛豪華なフランスとは異なり、どこか素朴なぬくもりと落ち着ける雰囲気を感じました。

そのワルシャワで、7月に12日間かけて予備予選が開催されました。世界中から151人が参加しましたが、日本人は14人が通過し予選へ進みます。予選は、トータルで87人が参加しますが、中国22人、韓国7人などアジア系がなかなか多いですね。地元ポーランドからも16人通過していますから、本家本元のショパンの演奏が聴けるのかと思うと今からワクワクします。また、キューバやラトビアなど、ちょっと珍しい国の参加者の演奏も注目したいですね。

日本人の顔ぶれを見てみますと、前回のファイナリストや他の国際コンクールで入賞している方、既にショパンの作品でアルバムを発売している方、ユーチューバーとして活躍している方、会社の起業家、医学部在籍の方など、まさに多彩です。

もう既にピアニストとして十分活躍されている方々ですから、コンクールの覇者という肩書は必要ないような気もしますが、やはりショパンコンクールは最高峰ですし、そこで優勝すると一躍世界中に知れ渡りますから別格ということなのか、または、そんな事よりも、純粋に今の実力が世界に通用するのか挑戦してみたいという気持ちなのでしょうか。

予備予選の審査委員長が、予備予選の総括として「ピアニストとして非常に高いレベルの技術と形式的な理解が示されていて、作品の形式上のスタイルを満たさなかったり、作品のオリジナルのアイディアを歪めることなくアプローチしていた」とコメントを発表していたそうです。その選ばれた方々の中で、頂点に立つピアニストはどなたなのか、是非注目していきたいものです。

ショパンコンクールの予選・本選は、10月2日から始まります。以下に、ショパンコンクールのホームページとライブ配信のリンクを掲載しておきます。

ショパンコンクール公式ホームページ
ショパンコンクール ライブ配信

次は、前回お話したオーディションの合格者コンサートのお話です。

8月にオーディションの審査、9月に試演会を経て、合格者コンサートが先日開催されました。

私の生徒さんで、合格したものの、曲に飽きてしまって弾きたくないと一時期お母様に言っていた生徒さんは、レッスンではそのような様子や発言もなく、コンサート本番前の最後のレッスンでも、しっかりと弾けていて暗譜も大丈夫そうでした。2曲目が若干テンポが遅くなってしまっていたので、「アウフタクト部分で、もっと楽しく張り切って拍子を数えてそれに乗って弾いてみてね」と伝えますと、直ぐにウキウキするような華やかな音楽が演奏できるようになりました。

コンサート当日は、午前中に短いながらもリハーサルが行われ、生徒さんはご家族で会場に来られました。ステキなワンピースを着て、ほんの少し緊張しているくらいの様子に見えました。

今回の出演者の中でも、一番学年が低いので、プログラム1番での登場です。発表会では、演奏する直前までご家族や私が横にいることが多かったのですが、今回は一人で舞台袖に待機するということになりました。

舞台に出てきた生徒さんは、いつもと変わらない様子でしたが、やはり緊張していたのか、いきなり椅子に座り弾き始めようとして、(お辞儀、お辞儀)と内心ハラハラしてしまいました。

でも、ふと思い出したようで立ち上がりお辞儀をして、また椅子に腰かけて…といつもの流れに戻していました。それが、また自然に見えて、物怖じしない様子に感心すらしてしまいました。

演奏の方は、いつもと変わらない滑り出しで、前半部分の強弱がやや平坦になってしまったり、細かい音符の弾き始めがややフライングぎみになってしまってはいましたが、きちんと弾き始めに楽しい気分で拍を数えて弾いていましたので、最初から良いテンポ感で弾けていました。試演会で間違えてしまった音も、しっかりと修正できていました。本番までいろいろとありましたが、締めくくりの演奏としては上出来だったと思います。

演奏後に、早速生徒さんに「よく頑張ったね~。とっても素敵な演奏だったよ」と声をかけますと、満面の笑みを浮かべていて、本人も満足そうな表情をしていました。また、お母様も当日まで心配しつつ、楽しく弾けばいいのよと励まし続けてくださっていたので、とてもほっとされているように見えました。

他にも、試演会で演奏していた生徒さんのお一人が、同じステージになっていました。試演会の時に、私が講評とアドバイスをした生徒さんです。

試演会でも3曲弾いたのですが、2曲目と3曲目は作曲された時代がかなり異なり、曲想もガラッと変わるものでした。しかし、2曲目が終わって、3曲目を直ぐに弾き始めてしまったため、3曲目のはじめ辺りが、2曲目の曲想と混ざってしまっていて、イメージがしっかりと定まっていない演奏になっていました。また、3曲目の終わり辺りになると集中力が切れてしまうのか、フレーズの表情があまり付かなくなってしまい、曲がまとまらないまま途中で切れてしまうような終わり方になっていました。

しかし、コンサート本番では、しっかりと作り直していて、3曲目を弾き始める前に適切な間を取って、3曲目の曲のイメージを掴んでから弾き始めていたので、最初の音から曲のイメージが伝わっていました。また、曲の終わりの方も、表情を丁寧に付けていて、最後の音の切り方まで配慮されていました。試演会からそれほど期間があったわけではないのですが、だいぶ磨かれていて驚きました。

今回のコンサートは、大学生までが対象なのですが、高校生・大学生ともなりますと、プログラムには大曲が並んでいて、それだけでも感心してしまいます。ほとんどの方が、一般の大学に通う学生さんのようですが、音楽大学のピアノ科の学生さんではないのに、これだけの大曲を弾きこなすのですから凄いなあと思いますし、小さい生徒さんにとっては、大いに刺激になったのではないかと思います。

ほっとするのも束の間で、これから大人の生徒さんの発表会やグレード試験など、まだまだイベントが続きます。これから本番を迎える生徒さん方が、満足できる演奏となるように、引き続き気を引き締めてレッスンを行っていきたいと思っています。

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