今回は、小学1年生のレッスンの様子についてお話をいたします。
小学校1年生のAちゃんは、レッスンに通うようになって3年くらいになります。
とてもお話好きな生徒さんで、毎回保育園や学校での出来事など色々な事を話してくれます。
レッスン自体は毎回楽しみに来ているのですが、音を読むことが少々苦手なようですし、自宅での練習もあまり気がのらないようで、あまりしていないようです。
その為なかなか曲も仕上がらず、1曲仕上げるのに1カ月ほどもかかり、教材の進度も速くはありません。
先日、別の生徒さんが、新しい曲の練習を始めました。その曲は、小さい生徒さんが知っているような「ちょうちょ」や「チューリップ」などの有名な曲ではありません。その為、レッスンでは左手だけの練習をして、帰りがけにこのような話をしました。
「今日ここで練習をした曲はね、今年の発表会でAちゃんが弾いていたのよ。おうちに帰ったら、発表会のDVDを見ると、両手で弾くとどんな曲になるのかわかると思うわよ」
翌週、その生徒さんは自宅でAちゃんが弾いた発表会の曲をDVDで見て、曲のイメージを掴めたようで、両手ですらすらと弾けるようになり、あっという間に曲が仕上がりました。
このお話をAちゃんに話し、「Aちゃんの演奏が、他のお友達のいいお手本になっているのよ」と言うと、とっても嬉しそうな顔をして「その話、お母さんにして!」と言うのです。
早速レッスン後に、お迎えにいらしたお母様にお話をして、Aちゃんは更に嬉しそうに帰っていきました。
この出来事がよほど嬉しかったらしく、Aちゃんは翌週、一度に3曲も練習し、しかも暗譜で全曲仕上がりました。
発表会は、日頃の練習の成果を発揮して披露する場なのですが、単にそれだけではなく、他の方の演奏を聴いて、新たな曲の発見をしたり「来年はあの曲を弾きたい」という憧れを抱いたり、「○○ちゃんより上手になりたい」という目標を持ったりと、いろいろなよい刺激も受けられる場でもあります。
Aちゃんのように、よい刺激を与える立場になっても、モチベーションが上がるという効果もあるのですね。
今後の成長が、また楽しみな出来事でした。
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