(この記事は、第193号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、小さい生徒さんの体験レッスンのお話です。

日本は長くデフレの時代が続きましたが、最近はアベノミクスの効果なのか、景気が良くなってきているようなニュースを聞くようになりました。

ピアノ教室のような習い事・お稽古ごとは、景気にかなり左右されるようで、不景気の時代には新しい生徒さんがなかなか集まらず少し寂しい思いをしていました。

世の中でアベノミクスという言葉が話題になった後も、なかなか新しい生徒さんとの出会いがありませんでしたが、突如、体験レッスンの連絡が来ました。しかも、2件立て続けに入り、嬉しい驚きです。

その体験レッスンですが、2件とも小学校入学前のお子様で、偶然にも、ほとんど同じ年齢で男の子でした。

おひとりは、とても大人しい男の子で、「ママと一緒に」と言って、とても甘えたい素振りを見せていましたので、すぐ横にピッタリと椅子を付けて、お母様に座っていただきました。

ピアノはもちろん初めてという事で、ピアノを弾く時に使う右手と左手の判別や、指番号、音符の書き方の基本を楽しく学べるワークを使用してみました。

カラフルなペンを用意して、好きな色を選んでもらったり、左右の手を確認するワークでは、右手に書いてある絵を当ててもらったり、右手と同じ絵を、左手側の欄から探してもらいました。

多少緊張していても、それなりに対応できる大人と違い、お子様で特に未就学児となりますとそうはいきません。

そのため、私の方から緊張を解いて安心感を与えるように、積極的に話しかけますが、ここにちょっとしたポイントがあります。

●回数多く話しかけ、返答やリアクションがあまり無くても追求せず気にしないでいること

●初対面の体験レッスンなので、レッスンのペースをこちらで作り、それに乗ってもらうように導く事

●「出来た」という達成感や喜びを感じてもらい、褒めてもらっている姿をお母様に見て頂く事

「褒めてもらって良かったね」とお母様に言ってもらえる事が、小さなお子様にとって一番嬉しい事だと思うのです。

また、体験レッスンだからという訳ではなく、普段のレッスンも同じなのですが、今日何を学んだのかという事をレッスンの所々で復習して、レッスンの最後に、もう一度復習する事を行っています。

大人しい男の子も、レッスンでは、時々お母様の事を気にされながら、それでもどんどん積極的になり笑顔でレッスンを受けていました。

2人目の生徒さんは、対照的に元気いっぱいで活発な男の子でした。

少しもじっとしていられないくらい元気で、ワークをやっていても、「早くピアノが弾きたい」と言っていました。とても積極的なので、ワークを早々に切り上げて、ピアノを弾く時間を多めに取ることにしました。

そして、ピアノを弾く用意をしている時に、お母様から少し意外なお話がありました。弾けるようになりたい曲があるというのです。

4歳の男の子が何の曲を弾きたいのかと思いましたら、なんと昭和の歌謡曲で、しかも私の世代よりもっと上の年代で流行った懐メロなのです。

あまりに意外な曲目で本当に驚きましたが、後で、生徒さんのお婆様がご自宅で教えていて、しかし、お孫さんがふざけてしまって教えきれないので、レッスンを受けに連れて来られたということがわかりました。お婆様が、ご自分の好きだった歌謡曲を、お孫さんに教えていたのでしょうね。

小学校前の小さなお子様に、昭和の懐メロというのは意外でしたが、祖父母とお孫さんの絆を感じ、素敵だなあと思いましたし、時代が変わっても受け継がれる音楽の素晴らしさを、改めて感じました。

小さい生徒さんが、これからピアノのレッスンを受けてどのように変化していくのか、そして人としても、どのように成長していくのか、新しい楽しみが増えて、とても嬉しくなりました。

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