(この記事は、2014年5月12日発行の第147号 メールマガジンに掲載されたものです)

その3からの続きです。読まれていない方は、以下のページをご覧ください。
お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その1
お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その2
お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その3

スズキ・メソードの創始者である鈴木鎮一さんが書かれた本『愛に生きる 才能は生まれつきではない』(講談社現代新書)を通して、「才能」について書いています。

今回が、最終回です。

前回は、10年間努力を怠らなければ、誰でもその能力を開発することができることを書きました。

しかし、10年「やり抜く」ことは大変ですね。最初は、「やるぞ!」と思っても、本当にやり抜ける人は一握りです。

逆に、成功するかどうかは、「やり抜くことができるかどうか」にかかっていると言っても過言ではありません。

「忍耐」が運命を決めるのです。そして、その忍耐は、くり返し行う練習によって作られます。

「たかが音楽」と思う人もいるかもしれませんが、その音楽のレッスンを繰り返すなかで、お子様の人生を決める「忍耐」が作られるのかもしれません。

そして、もう1つ、この本が教えてくれる重要なポイントは、「実行すること」です。

多くの人に共通する短所は、「やるべきだ」と思いながら、結局 実行には移さないことです。

「思うだけでは能力ではない。それは、思わないのと結果は同じだ。やってのけてこそ、能力なのだ」と、この本には書かれています。

行動に移すことができるかどうか、これも、人の運命を左右するほどの重大な能力です。

お子様に、「思ったら実行する習慣」を身に付けさせることは、学校の勉強以上に、お子様の将来に大きな影響を与えるかもしれません。

「思ったら実行すること」「実行したら、途中であきらめずに、最後までやり抜くこと」、そして「自分にできないことを、生まれつきと思わずに、まだ努力が足りないと思うこと」、これらを実践したらどうなるか?

その結果は、スズキ・メソードの生徒に有名人が多いことを見れば明らかでしょう。

お子様に才能があるかどうか心配するよりも、行動をおこして、それを続けることに精力を注ぐべきということですね。

(完)

参照: 子供のためのピアノ教育:お子様をピアノ教室に通わせる

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(この記事は、2014年4月28日発行の第146号 メールマガジンに掲載されたものです)

その2からの続きです。読まれていない方は、以下のページをご覧ください。

お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その1
お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その2

スズキ・メソードの創始者である鈴木鎮一さんが書かれた本『愛に生きる 才能は生まれつきではない』(講談社現代新書)を通して、「才能」について書いています。

前回は、能力や素質は生まれつきではなく、育てられた「環境」によって作られることを書きました。

そして、その「環境」とは、基本的に「人」です。親であり、教師などの指導者です。

スズキ・メソードでは、現在でもお子様に楽器の演奏を教える際に、お子様だけでなく、親御さんにも教えていると思います。

この考え方は、正しいと思います。コン・ヴィヴァーチェの「子供のためのピアノ教育」という解説書も、この目的のために作成しました。

親御さん自身が、楽器が演奏できる方である必要はありませんが、お子様にピアノが弾けるようになってもらいたいと思っても、親御さんが音楽を理解しようとしないのでは、そのお子様が育つ「環境」が用意されていないようなものです。

前号でも書きましたが、「環境にないものは育たない」のです。

音楽教室に通わせても、週に30分や多くて1時間のレッスンでは、「育つ環境」と言えるほどの状況にはなりません。やはり、自宅でのレッスンの「環境」が重要になるのです。

そして、レッスンの基本は、「くり返しやること」です。1つのことができたら、それで終わりではなく、それを徹底的に繰り返してやるのです。

急ぐ必要はありません。しかし、あきらめずに努力を続ける必要はあります。

「急ぐべからず、休むべからず」です。

「自分には才能がない」というセリフは、人類全体に植え付けられた 努力を避けるための「いいわけ」にすぎないと、この本には書かれています。

前回、3歳までの環境が能力に与える影響は大きいと書きましたが、その期間を逃すと能力が育たないというわけではありません。より多くの努力が必要となるだけです。

その努力の目安として、「10年」という期間が示されています。10年間、努力を怠らなければ、誰でもその能力を開発することができると書かれています。

天才! 成功する人々の法則』(マルコム・グラッドウェル著、勝間和代訳、講談社)でも同様に、10000時間の練習が非凡になるための条件として示されています。

毎日3時間の練習を休まずに続けると、約10年で 10000時間になります。

やはり、「継続は力なり」なのですね。

お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その4 に続きます)

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(この記事は、2014年4月14日発行の第145号 メールマガジンに掲載されたものです)

お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その1からの続きとなります。

スズキ・メソードの創始者である鈴木鎮一さんが書かれた本『愛に生きる 才能は生まれつきではない』(講談社現代新書)を通して、「才能」について書いています。

この本では、「能力や素質は生まれつきではない」ことが明確に書かれています。

昔から、「生まれながらの素質」などと言ったりしますが、生まれて間もない赤ちゃんにテストをして、素質の有無を測ることはできません。5、6歳やそれ以上経ってから、その人の能力を見て、勝手に遺伝と結びつけて「生まれつき」と思ってしまっているだけのようです。

しかし、その5、6年の間に、その人は「育てられた」のです。つまり、「才能は育てるもの」ということです。

「すべての文化的能力は内部から遺伝によって発生するのではなく、外の環境条件に順応して、内部に育つのである。」と書かれています。もし、遺伝としての優劣があるとしたら、それは「環境に順応する能力の感度と速度」くらいなのだそうです。

つまり、学習するスピードや要領の良さには、先天的なものがあっても、学んで習得できるという点に違いはありません。そして、それ以上に重要なことは、その生まれた子供がおかれる「環境」にあるというのです。

人は、生まれて2、3年という極めて短い期間のうちに、環境から全てを学びとり、その環境に適応するために能力の中核が作られます。つまり、「環境にないものは育たない」ということです。

これも、コン・ヴィヴァーチェの「子供のためのピアノ教育」という解説書の中で紹介していますが、ソニーを創った井深大さんの著書に『幼稚園では遅すぎる―人生は三歳までにつくられる!』 (サンマーク出版)という本があります。

この「幼稚園では遅すぎる」理由は、3歳までの環境が、能力に与える影響が大きいためです。

『愛に生きる – 才能は生まれつきではない』の本の中で、3歳の子供に音楽の素質があるかどうか、鑑定をお願いされる話が出てきますが、子供を鑑定するよりも、その親を鑑定した方が、その子の素質のおよその見当がつくと書かれています。

前号で紹介した『天才! 成功する人々の法則』(マルコム・グラッドウェル著、勝間和代訳、講談社)でも、同様な話がでてきます。

大きな樫の木が、優れた「どんぐり」から育ったのではなく、肥沃な大地と、まわりの木々に日射しを遮られず、ウサギに若木の皮をかじられなかった「環境」によって大きくなったのだという話です。優れていたのは、木の種子ではなく、木を育てた森ということです。

あらためて、子供に係る者の責任ついて考えさせられますね。

お子様の才能とスズキ・メソードについて考える その3 に続きます)

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