(この記事は、第204号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、夏休み真っ只中のピアノ教室のお話です。

今年は、7月上旬にピアノの発表会を終えたので、生徒さんのご家族も、ホッとされながら夏休みを過ごされているかと思います。

お盆の前に、帰省や旅行をされる方も見受けられました。新幹線は、お盆の時期に混雑しますし、飛行機の場合は、価格も高騰します。なるべく空いていて、お財布にも優しいタイミングを考えておられるのでしょう。

大学生の生徒さん方は、夏休み前に試験がありました。

先日レッスンにいらした学生さんは、幼稚園の教諭と保育士の勉強をされているのですが、ピアノの試験の話をされていました。

幼稚園の教諭や保育士は、ピアノが弾ける必要があり、バイエル修了程度の技術は身につけなくてはなりません。

ピアノを小さい頃から弾いていた場合、それほど難しいものではありませんが、この生徒さんは、この職種を目指して、大学生になってからピアノを始めたので苦戦されています。

授業の中でピアノのレッスンもありますが、わりと頻繁にピアノ実技のテストがあり、また課題も多いようで、なかなか合格がもらえないと話していました。

先日終えたピアノの試験も、ご自身では微妙な出来だったようで、結果が出るまでドキドキされていたようです。

小中学校の生徒さん方は、夏休みといってものんびり過ごせるわけではなく、普段よりもむしろ忙しくされている方が少なくありません。

中学受験真っ只中の生徒さんは、朝9時半から夕方5時過ぎまで塾の勉強があり、その後にピアノのレッスンに来ています。

普段も、ピアノのレッスンが終わると、そのまま夕食のお弁当を持って塾に通っている生活ですが、夏休み中はお昼のお弁当を持って塾に通っています。お弁当を作っているお母様方も、大変ですね。

塾帰りにレッスンに来た生徒さんの疲労の色は隠せませんが、それでも塾のお友達と会えるのが楽しいようにも見えます。

これだけ頑張っているのですから、母心ではありませんが、なんとか希望の学校に入れてあげたいと願わずにはいられません。

先日レッスンに来た中学生の生徒さんは、「(夏休み中) まあ、色々とあって忙しい」と連発されていました。含みのある言葉で、なんだろうと思い、よくよく聞いてみますと、旅行に行くとの事なのです。

「あら~、いいわね~。それで、どこに行くの?」

「う~ん・・・。ハワイ。」

「ハワイ? へえ~、いいねえ~!」

と、私は少しテンション高めで答えたわけですが、当の生徒さんは私とは逆で、かなり気が乗らない様子なのです。

「あれっ? なんだかあまり嬉しそうじゃないわね」と言うと、即座に「うん」と答えるので、私はますます不思議に思いました。

「あ~、もしかして、日本大好きなのかな?」

「そう、そう。ハワイは行っちゃえばいいんだけど、飛行機がイヤだし、そんなに長い時間かけて行かなくてもいいし。だって、飛行機って落ちるじゃないですか? まあ、電車とかよりも安全だっていうのは知っているけれど。船も沈没するからイヤだけど。」

「まぁねえ~。絶対安全と言うのは難しいけれどね。」

「お母さんはパソコンを見ていると、いっつもハワイの事ばっかり見ているし。ハワイより、福岡に行きたい。」

「え~? 福岡? まあ良いところだけどね。」

小中学生くらいのお子様がいらっしゃるご家庭は、「夏休みに、子供をどこか旅行にでも連れて行かなくては」と、ある種 義務感のようなものを感じる事もあるかと思いますが、レッスンで多くのお子様と接していますと、どうも、お子様自身はそうでもないようです。

近所の公共施設のプールが、結局一番楽しかったという事も少なくないようです。

また、今年中にグレード(認定資格)を受ける事を決め、新たな目標に向けて歩み始めた生徒さんもいます。このような生徒さんには、「夏休み中、とにかく早く譜読みを進めてね」とお話をしています。

夏休みは、それぞれ思い思いの過ごし方をされますが、ピアノのレッスンを行っている立場としては、楽しく過ごして頂きつつ、ぜひピアノの練習も忘れないでねと思っています。

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(この記事は、第203号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「音楽小話」は、クラシック音楽界に衝撃が走った話題です。

つい先日、ピアニストの中村紘子さんが死去されました。

ピアノを弾かれている方は、もちろんのこと、そうでない方でも、名前や顔をご存じの方は多いと思います。戦後、日本のクラシック音楽界をリードしてきた重鎮ですね。

世界的な指揮者である小澤征爾さんらと同じく、桐朋学園大学の「子供のための音楽教室」の第1期生として学ばれ、中学生の時に日本音楽コンクールピアノ部門で、第1位となり、天才少女として話題になりました。

翌年、NHK交響楽団の戦後初の世界一周演奏旅行に、ピアニストとして抜擢され、振袖を着てピアノコンチェルトを演奏されたそうです。

日本らしい装いというリクエストだったようですが、ピアノを弾く時には腕を上げたり広げたりするので、振袖の大きな袖はかなり妨げになり大変だったと思います。

その後、アメリカの名門音楽院であるジュリアード音楽院で学ばれ、ショパン国際ピアノコンクールで第4位、および最年少者賞を獲得されました。

国内外で演奏活動をされながら、ショパンコンクール、チャイコフスキーコンクール、浜松国際ピアノコンクールなど世界トップクラスのピアノコンクールの審査員を長く務められました。

その他にも、『ピアニストという蛮族がいる』『チャイコフスキー・コンクール』など執筆活動もされ、大宅壮一ノンフィクション賞なども受賞されました。また、紫綬褒章や、日本芸術院賞恩賜賞も受賞されています。

以前は、「ハウス・ザ・カリー」のテレビCMにも起用されていましたので、覚えている方も多いかと思います。

私が初めてピアノコンチェルトを聴きに行った時、中村紘子さんがソリストでした。

フリルの沢山ついた真っ赤なドレスを着て、颯爽と舞台に現れた姿は、本当に華やかで、ピアニストというのはこんなにも華やかで素敵なのだと衝撃を受けました。

オーケストラに負けないスケールの大きさとパワフルな演奏、時折見せるフレーズを終える時の手を振り上げる仕草は、なんだかとてもカッコよくて、惹きつけられたものです。

そのコンサートのインパクトの強さと感動の大きさを、手紙に書き、ファンレターを送りました。今、考えますと、何をしているのかと赤面してしまいますが、これが若気の至りなのでしょうか。

それから1か月くらい経ち、なんと中村紘子さんから、直筆のお葉書が届いたのです。

学校から帰りますと、母が少し興奮した様子で「中村紘子さんから、手紙が来ているわよ」と言いました。私もまさか、お返事が頂けるとは思っていませんでしたので、本当にびっくりしました。

モスクワの建物(ロシア国立図書館)が写された絵葉書に、このように書かれていました。そのまま、全文を書きます。

お便りをとても嬉しく拝見しました。
お返事が遅れてごめんなさい、
あなたのお便りを読んで、あなたの音楽に対する感覚の鋭さ、確かさにすっかり感心しました。
ピアノを学ぶとき、指先のことより何より実は一番大切なことは、聴く耳と心を鍛えることなのです。
あなたのピアノをいつの日にかコンサートでうかがうのをたのしみにしています。

中村紘子

このお葉書を頂いてから、何十年も経ちますが、未だに恩師から「あなた、もっとちゃんと音を聴きなさい」と注意されているので、まだまだだなあと反省せずにはいられません。

ご冥福をお祈りしつつ、「聴く耳と心を鍛える」というアドバイスを、これからも心に留めて、ピアノと向き合っていきたいと思います。

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(この記事は、第202号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、お子様のピアノ発表会のお話です。

例年、お子様の発表会は夏休み期間に行っていましたが、今年は少し早く、先日開催しました。

当日は、あいにくの悪天候でした。これまで多くの発表会や演奏会を体験してきましたが、傘を差し、レインコートを着て、レインブーツを履いて会場に向かうのは、これまで記憶にありません。

それでも、多くのお客様が会場にいらしていて、かなり座席が埋まっている状況でした。

今年出演する生徒さんは、チャレンジする曲よりも、弾きこなせる曲を選ばれた方が多く、発表会に間に合わないという状況は無かったので、本番まで「たくさん練習してね」とハッパをかけることもなく、順調に準備を重ねてきました。

後は、無事に本番を迎えるのみと思っていたのですが、そういう時にもアクシデントは起こるもので、最後のレッスンに体調不良で欠席された生徒さんがいました。

演奏の方は、それほど心配はしていなかったのですが、発表会が2日後なのに食事が全くとれない状況とのことで、はたして参加できるのか、とても心配していました。

次の日に連絡しても、やはり体調が戻っていないとの事でした。

発表会に向けて、生徒さんは頑張って練習をしてきましたし、ご家族の皆様も、晴れの舞台をドキドキしながら、それでも楽しみにしていると思います。

過去には、高熱にも関わらず、舞台ではそのような素振りを一切見せずに演奏して、本番後に舞台袖で、座っていられず寝込んでしまった生徒さんがいました。お子様といっても、本番への思いはとても強いものがあります。

無理はさせたくないし、でも本番でこれまでの成果を披露してほしいし。

私以上に、生徒さん、生徒さんのご家族は、複雑な思いをされていたに違いありません。

他のクラスの発表会で飛び入り参加できる日がないかも、探し始めていました。

そして、発表会当日です。

朝、連絡してみますと、「少し食べられるようになったので、発表会に参加します」とのお返事を頂きました。生徒さんの発表会本番への気持ちの強さを改めて感じました。

会場でお会いすると、すっきりとはしていませんが、笑顔が見られ、少し安心しました。

そして、数日間、全く練習が出来なかったとのことですが、なんとか無事に演奏を終えることが出来ました。

他の生徒さんも、けっこう良い感じで弾けていて、練習の成果を発揮できたと思います。

今回は珍しく、比較的ゆっくりと客席で聴く事が出来ましたが、他の先生の生徒さんも含めて、色々と気付くことがありました。

まずは、衣装です。もちろん自由なので、お好きなものを着て良いと思いますが、発表会の衣装として相応しいかは、ある程度意識した方が良いようです。

例えば、アシンメトリーやフィッシュテール、ロングテールスカートなど、色々な呼び方をされる前部分よりも後ろが長いドレスは、椅子に座る時にドレスの裾の扱いが難しくなります。

また、ドレスに合わせる靴も、5cmはありそうな細いヒールの靴を履いている生徒さんや、厚底のサンダルを履いている生徒さんがいました。

大丈夫かなあと見ていましたが、やはり、かかとが不安定になり足がグラグラと揺れ、ペダリングがスムーズにいかずに音が濁ってしまっていました。

長くピアノを弾いている私でも、底が薄いもので、ヒールの低い靴でないと、ペダリングは相当難しく、音が濁らずに演奏することは至難の業となります。

また、小さい生徒さんで、発表会に慣れていない生徒さんの場合、お辞儀の練習は必須だと思いました。体はお辞儀をしていても、顔を下に向けていないと、顔が前に突き出ている体勢になり不自然に見えます。

きっと、ご家族の事が気になって、じっと見ているのだろうと、少しほほえましくも思いますが、舞台上での立ち振る舞いとしては、きれいではないので、きちんとしたお辞儀は指導する必要があると改めて感じました。

他にも、演奏を聴く事の指導も必要と思いました。

出番が終わって、疲れてしまうのでしょうが、他の方の演奏を聴く事は、今後の演奏の勉強にもなります。自分よりも少し年上のお兄さん、お姉さんの演奏は、一番身近な目標になるものです。

また、お客様としてコンサートを聴くという、演奏会でのマナーのよい体験にも繋がります。

来年の発表会では、今回の反省も踏まえて、より良い発表の場と学びの場にしていきたいと思いました。

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