(この記事は、第207号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、若手ピアニストのお話しです。

先日、友人とメールでやり取りをしている中で、日曜日にテレビで放映される「情熱大陸」に同じ職場で働いている人の息子さんが出ると言うので見てみました。

なんと、ピアニストの反田恭平さんです。

なんだか凄いピアニストである事は知っていましたが、それ以上の事は知らなかったので、とても興味深く見ました。

22歳の若手ピアニストである反田さんは、ロシアのモスクワ音楽院(チャイコフスキー記念音楽院)に首席(最高得点)で入学し、奨学金も与えられ、ピアノの勉強をされてきました。

モスクワ音楽院は、クラシック音楽の世界最高峰のアカデミーで、ここの学生や出身者、教えている教授には有名な演奏家や音楽家が数多くいます。

4年ごとに開催されるチャイコフスキーコンクールも、このアカデミーのホールが使用されています。

ほとんどのピアニストは、いや、多くの音大生でも、3.4歳くらいからピアノを習い始め、小さい時から毎日何時間も練習をして、ピアノ漬けの毎日を送ります。

しかし、反田さんは、始めた時期は4歳と早い方ですが、本格的にピアノを習ったのは12歳からなので、かなり遅く、とても珍しいパターンです。

それでも、桐朋学園の奨学金を授与され、高校在学中に日本音楽コンクールで優勝するのですから凄いですね。

クラシックのピアニストというと、見た目から真面目なイメージを想像しますが、実は結構今どきの? 風貌で、これもまた驚きました。

コンサートでは、演奏する間近になって靴下を忘れた事に気付き、どうするのかと思いきや、観客から見える方の両足を油性ペンで真っ黒に塗って、まるで黒い靴下を履いているかのように装った、面白いシーンも放映されました。

演奏が始まると、大量の汗をかきながら、とても情熱的な音楽を奏でていました。

物凄く指が動き、難曲も軽々と弾きこなしていて、演奏のシーンは少ししか放映されませんでしたが、やはり凄いピアニストである事は十分に伝わってきました。

日本でのデビューコンサートを、サントリーホールで開催し、しかも、2000席が完売という人気ぶりにも納得ですね。

この番組を見て、次は生で演奏を聴いてみたいと思われた方も多かったのではないでしょうか。

若手なので、これから、さらなる飛躍が期待できるかと思います。

番組の中で、「音楽家になりたい」と発言されていましたので、ピアノ演奏以外での音楽活動もされるのかもしれませんね。

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(この記事は、第206号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、大人の生徒さんのお話です。

先日、新しくピアノ教室に通う事になった大人の生徒さんは、20年くらい前に、ほんの少しだけピアノを弾いたことがあるくらいで、ほぼ初心者の方です。

ピアノを弾くお孫さんの影響で、ピアノを弾いてみようと思われたとのことで、少し珍しいきっかけでピアノを始められました。

初めは、体験レッスン用の曲を弾いて、指番号や簡単な楽譜の読み方を説明しましたが、その後は、少しずつ弾きたい曲のレッスンをしています。

その弾きたい曲は、シャープやフラットなど臨時記号がちょこちょこ出てきて、伴奏形も途中で変わってしまう、なかなか難易度が高い曲です。

易しいアレンジにはなっていますが、初めて弾く事を考えますとハードルが高いので、実は少し躊躇したのですが、なにしろピアノを弾いてみようと思うきっかけとなった曲なので、なんとか叶えて差し上げたいと思いました。

思い入れが強くても、難しいという事は事実なので、「けっこう難しいと思いますが、少しずつ弾いてみましょう」とお話をしますと、とても嬉しそうな顔をされていました。

レッスンで一緒に弾きながら、後はご自宅でも練習を…となるのが普通ですが、ここで少し問題が発生しました。

ご自宅にピアノが無いのです。

大人の生徒さんで、ピアノを弾き始めるきっかけの多くは、昔お子様が弾いていて、そのままピアノが置いたままになっているので…というパターンです。

しかし、この生徒さんはそうではありませんので、ピアノがありません。きっかけとなったお孫さんには、ピアノ教室に通われる時に、ピアノをプレゼントされたそうですが、お孫さんと一緒に住んでいるわけでもありません。

ご自宅にピアノが無いという事で、お教室のピアノをレンタルして、練習をしていただいています。

まずは、「3回レッスン」のコースを体験されたのですが、やはり弾いてみたい曲をレッスンできて、少しづつ弾けるようになってきているのが嬉しいようで、そのまま入会され、毎週通われることになりました。

そして、次のレッスン日に、椅子に座ると同時に、「私、ピアノ買いたいんです」といきなりお話されたので、とてもビックリしました。

「やっぱりね、ピアノが無いとね~、すぐ忘れちゃうし」とおっしゃるので、「そうですよね。ずっとお教室のレンタルというのも大変ですしね。ご自宅にピアノがあったら、思い立った時に、すぐに弾けますからね」と答えました。

お孫さんに買ってあげたピアノよりも、もう少し良いものを購入されてはと、ご家族からの助言もあったようでした。とりあえず、教室にあったピアノのカタログを持ち帰られました。

1週間後のレッスン日に、より詳しいお話を聞きますと、お孫さんに買ってあげたピアノは、実はピアノではなく、電子ピアノだったことがわかりました。

電子ピアノも、生のピアノも、あまり違いを認識されていない印象を受けましたので、構造上の違いや、レッスンで使用しているグランドピアノとアップライトピアノの違いについても、少しお話をしました。また、これまでにピアノを購入された生徒さん方の話もしました。

電子ピアノをずっと弾いていて、「ピアノは必要ない」とまで言い切っていた方が、海外のピアノの音色に惹かれて思い切って購入され、毎日ピアノを弾く事が楽しみになった生徒さんの話や、発表会前に、毎週末お爺様・お婆様のお家に通ってピアノの練習をするお子様の生徒さんのお話(自宅には電子ピアノがあるのですが、お爺様・お婆様のご自宅にはアップライトピアノがあるので、そのピアノで練習をしているお話)、初めてピアノを弾くためにアップライトピアノを購入され、1か月後には「やっぱりグランドピアノを買っておけばよかった」と後悔されていた生徒さんのお話などです。

「是非、後悔されないように、納得されて購入できると良いですね」とお話をしました。

その後、楽器店の責任者が、具体的な話をお聞きし、ショールームに足を運んでいただいて実際にピアノを見ていただいた後、購入される運びとなりました。

後日のレッスンでは、「先生、私、ピアノを買っちゃいました!」と嬉しそうにお話をされていました。

「よくぞご決断されましたね。ピアノが自宅にあるって、いいですよ~、楽しみですね」

「そうなの。今度、別の孫もピアノを始めるから、電子ピアノを買ってあげたいと思っていて。2台買うから安くしてって言ってみようかしら?」

「是非、交渉してみて下さい。そして、後日結果を教えてくださいね!」

当初、電子ピアノを購入しようと思っていたようですが、生のピアノの良さを知り、国産のアップライトピアノに決めたそうです。

「海外のピアノもとても良かったのですが、価格にちょっとびっくりしちゃって…」とおっしゃっていました。

そして、とにかく早くピアノがほしいということや(色合いや素材などによっては、少し時間がかかる)、ピアノはやはり黒というイメージがあるとのことで、黒いピアノを選ばれたそうです。

お孫さん方もピアノを弾かれていますが、電子ピアノという事なので、「ご自宅にアップライトピアノがきたら、お孫さん方も喜ばれるでしょうね」とお話をしますと、「そうね」と笑顔でお返事をされました。

ピアノが自宅に来るというワクワク感や、これから思いっきり好きな時に好きなだけ弾けるという期待、そして、お孫さん方の喜ぶ姿を想像され、ピアノが来る日を本当に楽しみにされていました。

しかし、先日、レッスン前に私の顔を見るなり、「ピアノの搬入が延期になっちゃったんです」と、とても残念そうなお顔をされていました。

ピアノを部屋に入れる際に、ドアから入れる予定が、少しドアの広さが足りなかったようで、クレーン車を使用して窓から入れることになり、少し日程が遅くなったようです。

もう、そろそろピアノがご自宅に運ばれている頃なので、次回のレッスンの時に嬉しそうなお顔が拝見できればと思っています。

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(この記事は、第205号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、ショパンに触れた旅行のお話です。

8月上旬にヨーロッパを旅行しました。ヨーロッパのどこかというと、ポーランドです。

ヨーロッパ旅行と言うと、フランスやイタリアなどが真っ先にイメージされ、行ってみたい国としても人気がありますが、ポーランドにピンと来た方は、なかなかのクラシック通と言えるかもしれません。

ポーランドは、アウシュヴィッツ強制収容施設やヴィエリチカ岩塩鉱などが有名で、近年では、ボレスワヴィエツ陶器も人気です。


(アウシュヴィッツ強制収容施設)


(ヴィエリチカ岩塩鉱)

ですが、忘れてはならないのが、ピアノと切っても切れない超有名人ショパンが生まれた国という事ですね。

羽田空港からドイツのミュンヘン経由で、合計13時間半をかけて、ワルシャワ・フレデリックショパン空港に到着しました。


(ワルシャワ・フレデリックショパン空港)

ショパンの名前が付いた空港ですが、至る所にショパンというわけではありませんでした。もっとも、夜着いて、すぐホテルへ向かったので、気が付かなかったのかもしれませんが。

ワルシャワでは、ショパンの心臓が埋め込まれている聖十字架教会や、ショパン博物館、ショパンがピアノを弾いたという三位一体プロテスタント教会などを巡りました。


(聖十字架教会)


(ショパン博物館)


(三位一体プロテスタント教会)

ショパンは、20歳でワルシャワを離れ、ウィーンへ行き、その後はパリに移動して音楽活動を行っていました。生前、ポーランドに帰ることをずっと望んでいましたが、叶うことなく生涯を終えました。そして、死後、ショパンが残した遺言どおり、心臓だけがポーランドへ戻り、聖十字架教会の柱に埋め込まれています。


(聖十字架教会 ショパンの心臓が埋め込まれている柱)

5年に1度行われるショパンコンクールは、ここワルシャワで、ショパンの命日である10月17日の前後3週間にわたって開催されますが、命日だけは、コンクールを中断して、出場者も審査員もこの聖十字架教会のミサに参加されるようです。


(聖十字架教会の内部)

ショパンの博物館は、ショパンの足跡を辿る展示物や楽譜、ショパンの音楽を楽しめるコーナー、ショパンのサロンを再現したブース等があり、とても充実していました。お弟子さん方のリストや、直筆譜、手紙、ショパンの手の石膏(パリのジョルジュ・サンドのサロンにもありました)や、デスマスクなどもありました。


(ショパン博物・ショパンの足跡を辿る展示)


(ショパン博物・ショパンの足跡を辿る展示)


(ショパン博物・ショパンの音楽を楽しめるコーナー)


(ショパン博物・ショパンのサロンの再現)


(ショパン博物・ショパンの手紙)


(ショパン博物・ショパンの手の石膏)


(ショパン博物・ショパンのデスマスク)

ショパンの音楽は、激しい部分もありますが、優雅で繊細、きめ細やか、そして儚さを感じる音楽ですね。

直筆譜や手紙を見ても、細くて丁寧で、きれいに書かれていて、まるで女性が書いたものかと思ってしまうほどの美しさでした。走り書きや、殴り書きの様な物は、全くありませんでした。


(ショパン博物・ショパンの直筆譜)

太く、がっちりと、たくましく書かれていたバッハの直筆譜などとは、全く異なるもので、「字は人を表す」という感じがしました。

その後は、ワルシャワの郊外にあるショパンの生家にも足を運んでみました。ワルシャワからバスで1時間くらいのところにあります。


(ショパンの生家・入り口)

ショパンの生家は、白くてかわいらしい、こじんまりとした平屋建ての建物で、ショパンの両親の肖像画などが飾られていました。


(ショパンの生家)


(ショパンの生家・内部)


(ショパンの生家・内部・コンサート用のピアノ)


(ショパンの生家・肖像画)

また、この生家の周辺は、公園として整備されています。色々な木々や植物が植えられていて、川も流れていました。まさに、ヨーロッパの絵画に出てくるような風景で、のんびりと散策している方も多く見かけました。


(ショパンの生家・公園)


(ショパンの生家・公園)


(ショパンの生家・公園)


(ショパンの生家・公園)

偶然にも訪れた日が、日曜日だったのですが、コンサートが行われる日でした。

生家のすぐ外に席が設けられていましたが、コンサートが行われるだいぶ前から満席となり、周りのベンチや花壇の淵などにも、次々と人々が座り、立ち見客も続出していました。


(ショパンの生家・コンサート)


(ショパンの生家・コンサート)

コンサートの開始を待っている方々を見ますと、日本のクラシックのコンサートとはだいぶ違う事に気が付きます。

日本でのクラシックのコンサートは、ある程度年齢を重ねた方が多く、後はもう少し若い女性客というイメージですが、ショパンの生家のコンサートは、そのような方々もいらっしゃいましたが、カップルやお子様連れの家族も思いの外多くおられました。

休日の野外コンサートで、しかも無料という事もあるのかもしれません。

驚く事に、10代の男性グループも来ていました。たまたま通りかかったというわけではなく、あらかじめコンサートを知っていて、それを聴く目的で来ている様子でした。日本では、まず見かけない客層なので、大変驚くと同時に、なんだか嬉しく感じました。しかも、彼らは演奏が始まると、とても熱心にじっと耳を傾けていました。

コンサートは、ショパンの生家の中に置かれている年代物のピアノを使用したもので、マイクで音を集めて、外のスピーカーに流すスタイルでした。直接目の前で演奏される訳ではないので、実は、それほど期待してはいなかったのですが、いざコンサートが始まってみますと、むしろこのスタイルの方が良いと思うくらいに、とても素晴らしいものでした。

目の前に広がる木々や草花、青空に、所々流れてくる雲を見ながら、木々が風になびく時の音や、時たま聴こえてくる鳥の鳴き声などの自然の音と、ショパンの音楽が見事に調和され、音楽も自然の一部であるという感覚を、初めて味わったような感じがしました。


(ショパンの生家・自然の中での音楽)


(ショパンの生家・自然の中での音楽)


(ショパンの生家・自然の中での音楽)

しかも、演奏も大変素晴らしく感動したのですが、演奏しているのは、なんと昨年行われたショパンコンクールに出場して、ファイナリストになったピアニストでした。聴き惚れると同時に、これほど上手でも、ショパンコンクールで賞が頂けないという厳しさを改めて感じました。

日本でも、このような広々とした自然に囲まれたところで、無料でクラシックコンサートが行われたらいいなあと思いました。

クラシック音楽のコンサートが、もっと身近に感じ、足を運ぶきっかけにもなるでしょうし、素晴らしい演奏をされるピアニストの方々にも、演奏する場が提供でき、双方に良い事のように思いました。

このポーランドの旅行記については、また「ヨーロッパ音楽紀行」のコーナーで詳しく書きたいと思います。

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