(この記事は、第267号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、春を迎えるピアノ教室の様子です。

年が明けて、気が付けばもう3月です。以前からよく、大人の生徒さんが、(歳を取ると)「年々、1年が短く感じるわよ」とおっしゃっていて、以前は「そうなんですね」とお答えしていましたが、今ではすっかり「本当にそうですよね。早いですよね」と痛感しているところです。

朝晩はまだ寒いですが、日中は暖かい日も多くなり、春が近づいていることを実感しますが、嬉しいことばかりではないもので、花粉症に悩まされている方も割と多いと思います。

毎年、年末ごろから花粉症の薬を欠かさず飲んでいる生徒さんが何人もいらっしゃいます。薬を飲んでも、全く症状が出ないわけではないそうですが、だいぶ軽減されるようです。

病院へ行く程ではなくても、それなりに悩まされている生徒さんとは、最近見つけた、眼鏡が曇らないマスクの話題で盛り上がりました。鼻と頬が当たる部分に、スポンジのようなものが付いていて、隙間なしで徹底ガード!という謳い文句です。

私も早速購入して使用していますが、生徒さんが話されていた通り、初めのうちは少し違和感を感じましたが徐々に慣れてきました。肝心の「眼鏡が曇らない」という点については、まったく曇らないという訳ではないものの、結構効果があると感じています。

さて、春は、新生活に移行する季節でもあり、ピアノ教室でも、毎年様々な出会いや別れがあります。

最近、定年を機に入会された生徒さんは、ピアノを習うのは初めてですが、以前からピアノを習ってみたかったそうで、体験レッスンが始まる前から、弾く気満々でいらっしゃいました。

あっという間に教材を1冊終わらせ、早くも2冊目に突入しています。しかし、教材が進みますと、難易度が上がってきますから、今までのように、1回のレッスンで数曲終わらせる事は難しくなってきます。レッスンでも、なかなかスムーズに弾けず惜しいという場面が続きましたが、それでも先日はレッスン時間ギリギリに曲が仕上がり完成することができました。

ピアノの他に、スキーも趣味とのことで、ピアノのレッスンの翌日には、朝4時に起きて、5時には電車に乗り、スキー場に通われているそうです。そのため、暖かくなる予報が出てきますと、少々がっかり気味な様子です。

いつもは、日帰りスキーのようですが、時々泊りがけで行かれることもあり、スキーの後に、ゆっくりと晩酌するのも楽しみの一つのようです。先日は、初めて幼稚園生のお孫さんを連れて行かれたそうで、スキーを滑るというよりも、雪遊びをしてきたそうです。お孫さんが、大変楽しそうだったとお話されていました。

先月から入会された幼稚園生の生徒さんは、2人のお姉さんと同じく、5歳でピアノを始められました。生まれる前から、お姉さん達のピアノの音を聴いている事になりますが、その影響なのか、入会前の体験レッスンの時から、伴奏の音をよく聴いて、つられることなく自分でタイミングを計って弾いていました。最近は、少しレッスンに慣れてきたようで、少しづつ自分からお話をしてくれるようになりました。

これまでは、お姉さん方のピアノ発表会を、ご両親と共に聴きに来られていたお客様でしたが、今年からは演奏する立場に変わるわけで、私もなんだか嬉しい気がしています。初めて発表会に参加する生徒さんは、連弾で、私が伴奏を弾くことが多いのですが、今年は3姉妹揃ってピアノの発表会に参加できそうなので、お姉さんに伴奏をお願いしてみようかと思っているところです。

もう20年くらいレッスンに通われている生徒さんの同僚の方も、最近入会され、レッスンを始めました。だいぶ前に、少しだけピアノを弾かれていたそうですが、その後、なかなかきっかけがなかったそうです。

レッスンの日は、仕事を早く終わらせて通われています。かなり速いペースで教材が進み、先日からはペダルの練習を始めました。ペダルは、上手に使用しますと美しい響きの音になりますが、ちょっとタイミングがずれるだけで響きが濁ってしまうので、繊細な技術が求められます。

指で鍵盤を下げて音を出し、その後ペダルを踏んで音を響かせますが、弾いてからペダルを踏むという、このちょっとした時間差を難しく感じる大人の生徒さんは少なくありません。楽譜上は、音の真下にペダルのマークを書きますので、弾くのとペダルを踏む動作が一緒のタイミングに見えるのですが、実際の動作は異なるため混乱しやすいですし、指の動きは、目で見て修正することができますが、ペダルは足元を見て直すことも難しくなります。

この生徒さんのレッスンでは、やり方だけ説明して、「次回のレッスンで実践してみましょう」とお話したのですが、1週間後のレッスンでは、ほとんど完璧にペダルを操作していて驚きました。

「弾いてからペダルを踏むということを、頭ではわかっていても実際にやるのはかなり難しいので、1回で出来る方は本当に少ないです。すごいですね」とお話しますと、「えー、そうなんですか」と嬉しそうに答えていらっしゃいました。

翌週のレッスンでは、ペダルを連続して使用する曲にもチャレンジしました。ペダルの連続使用は、更に難しくなるのですが、それも大変そうな感じを全く見せずに、きれいにペダルを使いこなしていて、すごいなあと感心しました。この様子ですと、毎年秋に行われる大人の方の発表会にも十分参加できそうなので、私も楽しみにしているところです。

そして、残念ながらピアノ教室を去っていく生徒さんもおられます。中学受験に向けて、勉強一本に絞った生徒さんと、大学卒業後、地元で就職するためご実家へ戻られる生徒さんです。

中学受験は、以前に比べても確実に増えており、珍しいことではなくなりました。毎週、志望校判定テストや(志望校別)クラス替えがあるようで、かなりハードな生活を送っている様子が伺えました。「受験が終わったら、またピアノのレッスンにいらっしゃいね」と話して、お別れをしました。

3月下旬に開催されるヤマハ・コンサートグレードにチャレンジされる生徒さんには、いよいよ本番が迫ってきました。

コンサートグレード自体は、毎月何回も開催されていますが、上級になりますと年1回の開催となり、審査員も、ヤマハの講習を受けた認定アドバイザーの先生ではなく、有名音楽大学の教授となり、難易度が一気に高くなります。今回チャレンジされるお二人は、学生さんと社会人の生徒さんです。

学生の生徒さんは、つい先日までレポートに追われ、やっと提出できてほっとする間もなく、今度は就職活動です。一時期は、音楽大学への進学を目指していたので、実力としては、十分合格できるレベルですが、きちんと練習時間を確保できているのか気がかりですし、最近インフルエンザにかかってしまったり、治ったと思ったら今度は風邪をひいたりと、体調面も心配なところです。

社会人の生徒さんは、以前から暗譜に苦手意識を持たれていましたが、昨年の発表会では、今回のグレード試験と同じ曲を弾き、少し自信をつけたようです。まだ、どうしても暗譜の時に、音を間違えてしまう箇所があるので、そこを早く修正できたらと思ってレッスンをしているところです。

本番までレッスンも残りわずかですが、お二方とも、力が十分に発揮できて、見事に合格できますよう、私も精一杯レッスンしていきたいと思います。

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(この記事は、第266号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、ヤマハ音楽教室の発表会のお話です。

ヤマハ音楽教室は、乳幼児から大人まで多種多様なレッスンを展開しています。今回は、その中からお子様の発表会に行ってきました。

ヤマハのお子様向けのレッスンでは、主にエレクトーンを使用したグループレッスンが行われています。

今回の発表会は、小学校入学前のお子様から、小学校高学年のお子様までが参加していて、15グループほどの演奏が披露されました。

ピアノの発表会と異なり、参加人数が多いので1000人くらい入れるホールで行われることが多いようです。

ホールの入り口に着きますと、すでに華やかな衣装をまとったお子様を何人も見かけました。そして、ホールのフロアに進みますと、まだ開演まで時間があるのに長蛇の列になっていました。出演するお子様のご家族が、良い席を目指して早くから並んでいるのです。

開演前のホールでは、出演する生徒さんの紹介ナレーションの確認と席の配置の最終調整、全体合唱のリハーサルが行われていました。

ヤマハの発表会では、プログラムの一番最後に全体合唱が行われます。生徒さんが作曲した曲が唄われます

これらが終わったところで開演となりましたが、一気に人がなだれ込み、大ホールがあっという間に満席になりました。ピアノの発表会とは違う雰囲気に、びっくりです。

オープニングは、8人くらいの先生方がエレクトーンを演奏し、華やかなスタートとなりました。

今回、小学校入学前の幼児科クラスが、何組か参加していました。一番小さい年齢のクラスは、まだレッスンを始めて1年経っていないそうで、エレクトーンの演奏はなく、歌を2曲披露していました。

1年以上経っている幼児科クラスでは、エレクトーンの演奏が披露されました。

小学校低学年くらいまでのクラスは、人数の関係なのか、他の先生のクラスと合同で演奏していました。同じレッスン歴(レッスンの総時間数がほぼ同じ)のクラスどうしの合同で、一斉に演奏しますとさほどわからないのですが、クラスごとに演奏する部分では、どうしてもレベルの差が明らかになり、合同演奏の難しさを感じました。

幼児科クラスでは、レッスン担当の先生が演奏前に生徒さんが使用するエレクトーンの場所を教えて、エレクトーン1台ずつ音源などをチェックし、演奏の出だしの合図や、一緒に演奏もしていました。

小学生のクラスでは、演奏前の音源のチェックくらいで、あとは生徒さん方がみんなで呼吸を合わせて、演奏を行っていました。

ステージ衣装も、それぞれのグループで、曲想にあったものをお揃いで着ていて、とても華やかな雰囲気でした。複数台のエレクトーンが、舞台の中央に向かって、左右それぞれ斜めに配置されているので、自分が弾くエレクトーンによって、お客様に右側が見えたり、左側が見えたりするわけですが、それを考慮して、髪飾りの位置を工夫されている生徒さんも見られました。

曲目は、幼児科の場合、教材の中の曲を演奏するようですが、小学生になりますと、ピアノ曲や歌の曲、オペラの曲やオーケストラの曲など、さまざまなジャンルの曲が演奏されていました。

中には、DA PUMP の「U.S.A.」を演奏したグループもいましたが、会場のお子様方があちこちで口ずさんでいたり、中には体を動かしてリズムに乗っている様子が見られました。ピアノの発表会では、なかなか見られない光景です。

プログラムの最後には、出演した生徒さん全員が舞台に上がり、カーテンコールのように紹介と共にお辞儀をしていました。全員が揃うと、講師もステージの端に並び、合唱を1曲披露して、発表会が終わりました。

今回聴いてみて、ピアノの発表会とは、いろいろな面で異なることを実感しました。

まず、ピアノの発表会では、舞台に上がるところから演奏が終わるまで、基本的に自分一人です。自分の力だけで演奏を行わなければならないので、とても緊張感があり、プレッシャーとの戦いにもなります。失敗しても誰のフォローもなく、すべて自分で何とかしなければなりません。しかし、その分練習の成果は見えやすく、上手にできたときの満足感は高いと思います。

しかし、ヤマハ音楽教室のお子様の発表会では、エレクトーンのグループ演奏になります。基本的に、みんなで一斉に演奏しますので、一人で弾く部分がない限り、個人の演奏の音は聴こえないことになります。みんなで呼吸を合わせて演奏できたという一体感は伝わるのですが、個人の練習の成果は、伝わりにくいと感じました。

グループ演奏なので当たり前ではありますが、同じグループ演奏でもオーケストラや合唱では、たとえ同じ楽器や同じパートを歌っていても、その人にしか出せない音、その人にしか出せない声があります。しかし、エレクトーンは電子楽器なので、誰が弾いても完全に同じ音が出ますので、個人の練習の成果が伝わりにくいのです。

演奏曲目も、いろいろなジャンルで、演奏者も変わり、いろいろな音が出てきて、華やかではありますが、今、この場でしかできないという演奏のライブ感が伝わりにくいという感想も持ちました。

ピアノの場合、同じ曲でも、ちょっとしたタッチの違いで出てくる音色が変わるので、生の音楽を聴いている感じがしますが、エレクトーンの電子音は、聴いているとだんだん音色に飽きてきてしまうのです。

いずれも、電子楽器の特徴が裏目に出ていると言えるかもしれません。

もちろん、緊張感というより、気負わず楽しく演奏ができて、華やかな雰囲気や、グループならではの一体感は、ピアノの発表会にはあまりないもので、良い面も理解できました。

機会がありましたら、今度は中学生や高校生くらいの発表会を聴いてみたいと思いました。

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(この記事は、第265号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、ショパンにまつわるコンクールのお話です。

2019年が始まり、早1カ月。既に、来年開催される東京オリンピックの話題で盛り上がっていますが、クラシック音楽ファンにとっては、オリンピックの後に行われるショパン国際ピアノコンクールの開催も心待ちなのではないでしょうか。

前回は、小林愛実さんが日本人で唯一ファイナルに進出しましたが、入賞には至らず少し残念な結果となりました。

このショパンコンクールで優勝など入賞を果たし、第一線で活躍しているピアニストが大勢いますので、ピアニストを目指す方にとっては、このコンクールで入賞する事は、大きな目標であり、大変な名誉になります。これまで、日本人の優勝者はいませんが、期待したいところですね。

ショパン国際ピアノコンクールは、5年に一度ショパンの故郷であるポーランドのワルシャワで開催されています。フレデリック・ショパン研究所が主催しているのですが、同じ主催で、昨年新しいショパンのコンクールが行われました。

「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」というもので、ポーランドが独立100周年を迎えた昨年2018年に第1回が開催されました。

ピリオド楽器は、古楽器ともいい、過去のある時代に使われていた楽器のことを指します。ショパンが活躍していた当時の楽器での演奏を通して、ショパンのリアルな魅力を知らせることが目的なのだそうです。

ショパンの時代のピアノは、現代のピアノと比べて、音の減衰の速さやチューニング、ペダリング、バイブレーション(振動)など、様々な違いがあり、ショパン国際ピアノコンクールの優勝者ダン・タイ・ソンは、ピリオド楽器を「語るピアノ」、現代のモダン楽器を「歌うピアノ」と例えていました。

この記念すべき第1回のコンクールで、日本人の川口成彦さんが2位で入賞を果たし、大きな話題となりました。

川口さんが、ファイナルでオーケストラと共に協奏曲を弾いている動画は、YouTube で観ることができます。

ピリオド楽器の音は、素朴で味わい深く、ショパン本来の音楽が聴こえてくる感じがしました。

このショパン国際ピリオド楽器コンクールも、今後5年ごとに開催されるようなので楽しみですね。

「ショパン国際ピアノコンクール」も「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」も、既に実績のある方が、世界の最高峰を目指すためのコンクールですが、将来の演奏家を発掘する「ショパン国際ピアノコンクール in ASIA」(ショパンコンクール・イン・アジア) というコンクールもあります。

こちらは、一般向けのコンクールで、幼児から大人まで細かく部門が分かれて、毎年開催されています。

主催もフレデリック・ショパン研究所ではなく、日本の会社ですが、ポーランドなどから国際的に有名なピアニストやピアノ教育者が審査員として招かれています。

ショパンコンクール・イン・アジアで5年連続金賞受賞した牛田智大さんは、テレビでも多く取り上げられていましたので、ご存知の方も多いと思いますし、「のだめカンタービレ」の吹き替え演奏で一躍有名になった清塚信也さんや、前回のショパン国際ピアノコンクールで日本人唯一のファイナリストになった小林愛実さんなども、このショパンコンクール・イン・アジアで優勝(金賞受賞)しています。

つい先月、第20回のコンクールが開催され、その後、受賞者記念のガラコンサートが開催される事を知り、聴きに行ってきました。

いろいろな部門の入賞者の方々が出演されましたが、その中でコンチェルト部門の入賞者と、幼児部門、小学生部門のアジア大会金賞のお子様の演奏を聴いてみました。

コンチェルト部門は、ポーランドの室内アンサンブルとの共演で演奏されました。第1・第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという4人の演奏者との共演で、編成が小さいので迫力は少なくなりますが、ピアノや弦楽器の各パートの音色がよく聴こえて、普段聴くオーケストラとの共演とはまた違った印象に聴こえました。指揮者がいないので、全員で呼吸を合わせて演奏しますので、より一体感も感じることができました。

休憩の後は、幼児と小学生の部門の演奏が行われました。

はじめに、幼児の部から始まりましたが、3・4歳くらいの小さなお子様が、ちょこんとお辞儀をしている姿は、とても可愛らしく、発表会などで見かける光景と同じように見えました。しかし、椅子に座ると、しっかりと集中している様子がうかがえ、鍵盤に手を置くところから、既に曲想を感じているように見えました。

演奏が始まりますと、思った以上によく指は動きますし、音楽の解釈も表現も丁寧で、堂々とした演奏ぶりにすっかり感心してしまいました。すぐ後ろに座っていた女性グループの方々は、「すごいわね~」としきりに感嘆の声を挙げていました。

小学生の部は、1・2年生の部、3・4年生の部、5・6年生の部とカテゴリーが分かれています。学年が上がるにつれて、どんどん大人っぽい演奏になり、より演奏者の個性が表現されて、とても楽しく聴くことができました。

このコンサートに出演しているお子様の中から、いずれ世界的なコンクールに挑戦したり、ピアニストになる方が出てくるのかと思うと、面識こそありませんが、応援したくなるものですね。

未来のピアニストにも、今後注目していきたいと思っています。

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