(この記事は、2021年3月29日に配信しました第319号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回も、お子様の発表会に向けたレッスンの様子です。

緊急事態宣言も解除され、少しずつ日常に戻りつつありますが、相変わらず生徒さんにはアルコール消毒や検温、マスク着用などのご協力をお願いしつつレッスンを行っています。マスクを着用してピアノを弾く事は、なかなか気になり煩わしいのものですが、幼稚園生の生徒さんまで文句一つ言わずに協力していただいており、大変ありがたく思っています。

お子様の生徒さんは、夏の発表会に向けた練習が始まっています。最終的に7月開催となりましたので、あまり焦らずに譜読みをしています。

4月に小学1年生になる生徒さんは、発表会の曲の話になりますと、いそいそと楽譜を広げて「ここまで弾ける~」と言い、いきなり両手で弾き始めました。初めてのバロックの作品ですが、お姉さんが以前発表会で弾いていたのを聴いて弾きたくなったようで、前半部分は既に弾ける状態になっていました。先日のレッスンでは、その先の中間部も弾けるようになっていて、普段の教材と並行しながら着々と練習している様子が伺えます。

バロック期の作品は、1音ずつノンレガートで弾いていくポルタ─トで演奏していきますから、「最後まで一通り譜読みが終わったら、演奏方法にも気を配って弾けるように、レッスンで一緒に練習しましょうね」とお話をしました。

2歳違いのお姉さんの方は、お子様に大人気のギロックの作品に初チャレンジしています。曲の長さが手頃で複雑な曲ではないので、比較的スムーズに譜読みを進めていますが、前半部分の盛り上がる箇所は、少し面白い和音の進行があり、なんとか弾けてはいるものの「よくわからない」と話していたので、私がお手本としてその個所を弾いてみました。弾き終わりますと、すぐに「ああ~、なるほど、きれいだね」と感想を話していて、その後具体的に和音の進行やメロディーラインの確認をしますと、より曲のイメージが湧いたようでした。右手のメロディーは、一部音が飛ぶので、小さい手の生徒さんですから少々心配していましたが、今のところそれほど苦戦している感じもなく、難なくクリアできそうです。

中学生の生徒さんは、昨年末の発表会後に、早くも次の発表会で弾きたい曲を選び、早々に練習を始めています。中高生は、夏休みまでに中間テストや期末テストがあり、それらの期間は練習を進めることが難しいため、少し早めに発表会の曲の練習を始めることが多くなります。しかし、この生徒さんの場合は、更に早く練習を始めたことになり、既に仕上げに近い状態まで出来上がっていましたので、もう1曲選曲して練習を始めました。

先日のレッスンで、この曲を初めて弾いたのですが、既に良いテンポで割と楽々と弾けていて、どうもこの曲もかなり早い段階で仕上がってしまいそうな状態でした。そのため、その曲は今後きちんと仕上げていきつつ、選曲の時に迷っていたもう1方の曲を、発表会で弾く事になりました。

生徒さんは、「選曲の時、稀にみるほどすごく迷ったんです」と話していて、発表会では迷っていた曲の一方しか弾かないものの、結果として迷っていた曲を両方とも練習できることになり、なんだか嬉しそうな表情でした。

4月に小学2年生になる生徒さんは、レッスン室に私が入りますと、既に発表会の曲の楽譜を一番上に広げてスタンバイしていて、弾く気満々な様子です。普段からニコニコしている生徒さんですが、いつにも増して笑顔で「弾けるよ~」と話しているので、「じゃあ、今日は発表会の曲から弾いてもらおうかな」という事で、早速弾いてもらいました。

普段の教材の進め方と同じく、右手だけ弾いてもらいましたが、あれよあれよという間に最後まで弾ききってしまいました。「すごいね~。最後まで弾けちゃったの?発表会の曲の右手を全部弾けちゃった人は、○○ちゃんが第1号よ~」と話しますと、「うん、お姉ちゃんに教えてもらって練習したら全部弾けちゃった」と、とても嬉しそうでした。レッスンでは、その後スラーやスタッカートなど細かい部分の弾き方を練習して、来週は左手の譜読みをしてねとお話をしました。

1週間後、左手を初めて弾いてもらいましたが、こちらも一気に全部譜読みをしてきて、またまたびっくりしました。弾き方などをレッスンして、最後は両手で少し練習してみました。右手がスラーで弾く時に左手は音を切るという相反する部分で少し苦戦していましたが、何回か練習して正確に弾けるようになりましたので、この弾き方と同じように次の部分も弾いてみましょうねとアドバイスしました。

もう1人この春小学2年生になる生徒さんも、だいぶ張り切って練習してきたようです。つっかえつっかえではありますが、両手で全部譜読みができていました。「すっごいわね~。全部弾けちゃったの?」と話しますと、表情に表さないタイプですが、「ここがね、難しい」と早くも次を見据えていました。そのため、喜びもそこそこに、一番の難関である左手の3連符と右手の8分音符2つを同時に正確なリズムで弾く練習に移りました。

説明をしてリズム打ちの練習に入りましたが、初めてのリズムですし、今後いろいろな作品に何度となく出てくるものなので、時間をかけて丁寧に練習をしました。その後は、発表会の曲の中からこのリズム部分を取り出し、ピアノを弾きながらの練習に移りました。なかなか難しかったようですが、レッスンの中で何回も成功したので、「あとは、自信をもって弾けるように、おうちでも弾いてみてね」とお話しました。

レッスン後に生徒さんのお母様とお話をしたところ、発表会の曲を一人で黙々と毎日練習しているそうで、お母様は一切教えていないとおっしゃっていました。レッスンに通い始めた当初から、ピアノが大好きな生徒さんでしたが、ピアノを買ってもらってから更に輪をかけてピアノが好きになったようです。きっと、発表会の曲も楽しく毎日練習しているのだと思います。

どの生徒さんも、昨年末の発表会から3ヵ月しか経っていないにも関わらず、夏の発表会に向けて練習に精を出しています。本当に嬉しく、また責任の重大さも感じました。全員が楽しく本番で最高の演奏ができるように、これからも気を引き締めてレッスンに励みたいと思います。

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早春のピアノ教室


2021年3月29日


(この記事は、2021年3月15日に配信しました第318号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、早春のピアノ教室の様子です。

日増しに暖かくなり、春の気配を感じる今日この頃です。

生徒さんともそのような話をしますが、スキーが趣味の生徒さんは「暖かくなると困るんです」と話されていました。

重度の花粉症をお持ちの生徒さんは、「今年は、稀にみる花粉の多さで、もう大変です」と話されています。薬の量を増やして対応しているそうですが、それでもあまりよくならず、夜も眠れなくて辛そうです。「大変ですね。このような花粉の多い時間帯に来ていただいて、ありがとうございます」と話すと、「あっ、車できましたから大丈夫なんですよ」とかえって気遣って下さいました。

毎年春は、お子様の発表会の準備をする時期です。昨年は、コロナの影響で半年延期になり年末に行いましたが、今年度の発表会は通常通り6、7月で開催することになりました。ただ、感染予防対策を徹底するため、1回の発表会の参加人数を限定し、付き添いのご家族の人数も制限をかけることになります。集合写真も無しで、記念品も1種類のみとし、密を作らない運営となります。

講師演奏は、毎年楽しみにしていただいているのですが、次のステージのお客様も入り、かなりの人数が集まってしまう事があるため、今年も無しという事になりました。味気無さは拭えませんが、それでも発表会を開催することを喜んでいただいていますので、万全の態勢で当日運営できるように準備を行ってまいります。

生徒さん方には、今年度の発表会が例年通りの時期に行われることを話して、演奏する曲の選曲を行いました。

昔は、楽譜の束をレッスン室に持ち込んで、1曲ずつさわりを弾いてその場で選んでもらっていましたが、だいぶ前から YouTube を利用しています。

まずは、生徒さんにどんな感じの曲を弾きたいか考えていただき、具体的な曲があれば曲名を教えていただくようにしています。コンクールや試験など点数や合否が付く場合には、弾きたい曲というよりも点数が取れそうな曲目という視点が必要になりますが、発表会の場合、日頃の練習の成果を披露するものなので、ご本人が弾きたい曲をなるべく弾いてもらうようにしています。

生徒さんお一人に、5、6曲ほど候補を選び、ご家族の方と YouTube で聴いていただき、後日感想をお聞きしました。

前回は、レッスンで弾いているお気に入りの曲を選んだ生徒さんもいましたが、今年は全員が新曲でチャレンジすることになりました。

中には、同じ曲集の他の曲もいろいろと聞き比べて、それぞれの曲について細かく感想を教えてくれた生徒さんもいました。

お子様が弾く曲とはいえ、大人が聴いても楽しめるところが音楽の素晴らしさの一つで、お子様と一緒にいろいろな曲を聴いて楽しかったですと感想を寄せてくださったお母様もいました。

普段のレッスンでは教材を使用するため、曲が終わると自動的に次に弾く曲が決まってしまうものですが、弾く曲を探したり選んだりする楽しさも味わっていただけたら、さらに発表会の楽しみも広がるのではないかと思っています。

春は、新しい生徒さんとの出会いの季節でもあります。ご自宅の引越しのため、来月から私がレッスンを担当させていただく生徒さんがいます。これまで、他の先生のレッスンに通われていた生徒さんです。先日、体験レッスンを1回行いました。

練習を始めてもうすぐ1ヵ月になる曲があるそうで、難しくて少々苦戦しているとの事で、レッスンで取り上げることにしました。左手が、ずっと3連符の伴奏が続く曲で、右手のメロディーも時々ポジションが変わるので難しいようです。

3連符自体は、それなりに音の粒を揃えて弾けていたのですが、他の音に変わる準備のタイミングが遅れてしまっていることが原因でした。ゆっくりなテンポで、少し前から音が変わることを頭で認識してもらい、そして場合によっては少しポジションを移動させたり、右手の音を確認してから左手の指を動かして音を弾く練習をしました。だんだんと1回目でうまく弾けるようになってきたので、引き続きご自宅でも同じような練習をするようにアドバイスしました。

レッスンが終わり、生徒さんのお母様とお話をしたのですが、実はこの生徒さんは少し障害を持っているそうで、お母様はレッスンの進み具合について少し心配されていました。しかしながら、障害についてはレッスンに何も支障がなく、進度についてもおそらく問題ないのでご心配なさらなくて大丈夫ですとお話をしました。後日、現在の先生と引継ぎの話をした際にも、レッスンには支障がないという事で意見が一致しました。ただ説明する際に、言葉の選び方には少し配慮が必要かもという情報を頂きましたので、来月からのレッスンでは十分気をつけようと思っています。

いよいよ、これから発表会に向けてのレッスンが本格的になりますが、楽しくレッスンしつつ、しっかり準備をして本番に備えたいと思います。

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(この記事は、2021年3月1日に配信しました第317号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、自らチェロを製作して演奏する14歳の少年のお話です。

先日、「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」というテレビ番組を見ました。毎週放送されている番組で、好奇心旺盛にして大人顔負けの知識を身に付けた子供を「博士ちゃん」と呼び、サンドウィッチマンのお二人と芦田愛菜さんが解説やコメントをするというものです。

博士ちゃんがスタジオで授業をする形式が定番のようですが、「博士ちゃん検定」という新企画が始まり、ある分野でプロを目指すお子さんが、その道のプロに会って現在の評価を受ける番組になっていました。

今回は、チェロが好きでコンクールの全国大会に出場するほどの実力がある14歳の少年が登場しました。この少年は、将来チェリストを目指しつつも、自分で楽器のチェロを製作しています。今回は、自分で製作したチェロを演奏して、ヴァイオリニストの葉加瀬太郎さんに聴いてもらうという企画です。

葉加瀬さんは、ヴァイオリニストでありますが、「情熱大陸」などの名作も生み出し、もはや音楽家と紹介した方がよいほど幅広く活躍されています。実力もさることながら、いつもにこやかで人懐っこい笑顔とユニークなキャラクターで、バラエティ番組でも人気がありますね。

この14歳の少年は、チェロの演奏で全国大会に進むほどの実力ですが、演奏だけでなく、自らチェロを製作して演奏してみたいという気持ちが芽生え、楽器職人に弟子入りしました。そして、わずか半年で本当にチェロを作ってしまったのです。師匠も、凄いと絶賛しギネス記録に残るのではないかと話していました。サンドウィッチマンのお二人は、「チェロって作れるの?」と誰もが思う感想を口にし、芦田さんは「すごい…」とつぶやき、少年にくぎ付けという感じでした。

チェロが完成しますと、この楽器を使って演奏し、一流の音楽家に聴いてもらいたいと思うようになり、今回の企画となりました。少年は、「忖度なしで」と何回も話していて、ご自身の自信と本気度を強く感じました。

葉加瀬さんは、少年が自らチェロを製作した事に興味津々な様子で、楽器製作の話や好きな音楽家などいろいろと聞いていました。

「好きなチェリストは?」という質問に、少年はチェリストの堤剛さんの名前を挙げ、「好きな音楽家は?」という質問に、「バッハ。彼の音楽に宇宙を感じて、神だと思う」と答えていました。「好きなチェリストに、真っ先に堤先生の名前を挙げるなんて渋いね~」と、葉加瀬さんもすっかり感心している様子でした。

楽器製作の話では、ニスを塗る前の白木の状態のチェロを弾いたときの話をしていました。弦楽器のあのツヤツヤした光沢は、ニスを塗っているからですが、見た目の美しさだけでなく、材料である木の湿気や乾燥、腐食を防ぐためのものでもあります。ニスを塗る前に演奏してみると、音が散ってしまうと話していました。ニスを塗ることで音がまとまり、「f字孔」というFの字の形をした空洞部分から楽器全体で響いた音が出てくるのだそうです。

葉加瀬さんは、ニスを塗った楽器しか演奏したことがないから、製作者ならではの体験ですよねと羨ましそうに話していました。

少年が、ケースから自ら製作した楽器を取り出すと、葉加瀬さんは、食い入るように、いろいろな角度から楽器を細かく観察していました。「良い楽器とは音が良いだけでなく、ずっと眺めていたくなるほどの美しさがある」「楽器を見るだけで、どんな音色が出てくるのかわかる」と葉加瀬さん自身が解説されていましたが、確かに(テレビ越しに見る限り)、とても丁寧に作られていて形がきれいに思いました。葉加瀬さんも、「フォルム(形)が良い」と褒めていました。

そして、葉加瀬さんの発案でレッスンが始まりました。

最初の音を出した瞬間に、すぐに葉加瀬さんはストップをかけ、「旅立ちの心の準備ができていない」と忖度なしのアドバイスをしていました。とても分かりやすい表現ですし、私も常々同じような指摘をされるので、その大切さを改めて感じました。

番組のコーナーの最後には、プロのジャッジがあります。星の数で評価するのですが、星ゼロはまだまだアマチュア、星1つはもっと頑張ればプロ、星2つはこのまま続ければプロ、星3つは即プロに通用するレベルとなっています。

ジャッジ前に、少年は星1つ付けば嬉しいと話していましたが、星1つ半という評価になり、嬉しそうな様子でした。「14歳が作ったというだけなら星3つ。純粋に忖度なしで言うと、ボディの作りはほぼ完璧で、f字孔のサイズや作りなど細部の造形美が今後の課題」と指摘していました。

既に恐るべき情熱と才能に溢れていますが、5年10年と経験を積んでいった先に、どのような楽器を生み出すのか大変楽しみに思いました。葉加瀬さんも、「面白い男だ」と絶賛していましたので、今後も大注目という事は間違いなさそうですね。

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