前回は、3,4月は一年の中で一番多く新しい生徒さんが入会されること、そして、入会する前に体験レッスンというものを受けていただくというお話をしました。

今回は、その体験レッスンについてお話をします。

体験レッスンは、年齢やコースに関わらず、通常のレッスン時間と同じ30分間で行います。小さいお子様の場合、ご家族と来ていますから、もちろん一緒にレッスン室に入っていただきます。

はじめに、自己紹介、ピアノや音楽のレッスン歴、楽器の有無などをお聞きします。

お子様の場合は、そのほかに年齢・学年、他の習い事の有無などもお聞きします。

自己紹介をすることで、体験レッスンを受けにいらした方も、私自身も、お互いに相手がどのような方なのか、把握しやすくなります。

音楽のレッスン歴や楽器の有無をお聞きすることで、どの位音楽の知識や経験があるのかが掴めます。

例えば、大人の方の場合に時々あるのですが、ピアノは今まで全く弾いたことがないけれど、昔、学生の時に、ギターを少し弾いていたというケースです。

この場合、ピアノは初心者ですが、ギターを弾いた経験があるので、少しは楽譜を読むことが出来そう、ということがわかります。

そうしますと、これからピアノのレッスンを始める時に、「これはドという名前の音で、この鍵盤を弾きます」という所からではなく、どこまで正しい音や鍵盤、リズムが把握できているのか、という確認をするだけでよさそうだとわかるのです。

お子様に年齢や学年を聞くのは、どのくらいの理解度があるのかを掴むためです。

例えば、小学生ですと、体験レッスンでピアノを弾く場合に、一度に両方の手を使ったり、複数の音を使うことが可能ですが、保育園・幼稚園生ですと、小学生と同じでは少し難しいので、片手だけを使って一つの音だけを弾くようにします。

また、お子様ですと、緊張していたり、おとなしい性格だったりしますと、自分から話すことが出来ないことがあります。そんな時に、自分の名前の他に、年齢や学年を質問しますと、たいてい答えられますので、そこで少し緊張が和らぐ狙いもあるのです。

実際に、体験レッスン前は、何も話さず、レッスン室に入ることにも抵抗感があったお子様が、自分の名前や年齢を答えたことがきっかけで、だんだんと緊張が解け、体験レッスンの終了後には、まるで普段と変わらないような雰囲気で、積極的にお話をするようになった、ということが何回もありました。

他の習い事については、お聞きしておくことで、日常の生活スケジュールを知ることができます。まだ何も習い事をしていない場合は、ある程度ピアノの練習に時間が取れそうですし、すでに何か習い事をしている場合は、毎日の練習は少し難しそうだと推測出来ます。

また、塾に通っている場合は、夏休みや年末年始などのお休みの時に、場合によってはレッスン時間を考え直す可能性もありそうですし、いわゆるお受験や小学・中学受験がありそうとわかります。

ピアノの楽器の有無については、すでにお持ちの場合、ご家族の中にピアノを弾ける方がいたり、昔どなたかがピアノを習っていたことがわかります。

そうしますと、これからピアノのレッスンを始めた場合に、自宅で練習をしていて、難しいところやわからないところがあった時に、多少なりとも教えてくれる人がいるらしいということになるのです。

もちろん、ピアノ教室側から見ますと、ピアノをお持ちでない場合、楽器のご紹介や商談を進めることになります。

大人の生徒さんの場合、昔、お子様にピアノを習わせるために買ったピアノがあるということも少なくありません。この場合、ご本人にピアノの経験がなくても、お子様の練習を身近に聴いていますので、音楽の基礎的な知識をお持ちである場合もあります。

このように、体験レッスンの始めに行う質問で、これからピアノを始めようとしている方の音楽的な知識、生活環境やスケジュールなどを把握することができるのです。

「ピアノ教室の出来事」について

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今回は、少し内容を変えて、生徒さんではなく、この時期の教室の状況についてお話します。

3月・4月のこの時期、ピアノのお教室はバタバタと忙しくなります。1年の中で、新しい生徒さんの多くが入会されるのが、この時期だからです。

特にお子様は、幼稚園や保育園を卒業して新しく小学校に入学する時期なので、それと同時にピアノのレッスンなどの音楽を始めようと思われる方が多いようです。

たいていどこのお教室でも、入会する前に体験レッスンというものがありますので、まずは一回ピアノのレッスンを受けていただく流れになっています。

そして具体的な曜日や時間、コースなどをも決めて、入会することになります。

このように新しい生徒さんが入会されると同時に、受験や就職でお辞めになる方もいらっしゃいます。

そして、今レッスンを受けている生徒さんも、学年が上がったり、ひとつ上の学校に進学するので、学校の時間割が変わり、生活のペースが変わることになります。

これにより、レッスンの曜日や時間の変更を希望される方が出てきます。

ピアノは個人レッスンなので、この時間は○○さん、次の時間は△△さん、というようにタイムスケジュールを組んでいますので、

「○○さんは、現在よりも1時間遅い時間を希望されているけれど、そこは△△さんのレッスンだから難しい。
でも、☆曜日だと□□さんが休会されて、ちょうど同じ時間が空くので、そこをご案内して…」

と、まるで1つのパズルを解いているような感じで、レッスンのタイムスケジュールを組んでいきます。

この作業をしながら、もうひとつ大切な作業があるのです。

それは、夏に行われるお子さま対象のピアノ発表会の準備です。

このピアノの発表会では、たいてい数十人の生徒さんが出演されますので、全員の曲を決めていきます。

曲を決める際には、あらかじめ何曲か候補を決めておき、生徒さんと相談して、最終的に曲目を決定します。

この候補の曲を決めるまでに、かなりエネルギーを使うことになるのです。

昨年の発表会で弾いた曲を思い出しながら、今年は違う作曲家の曲を紹介したり、個々の生徒さんに合うような曲を探したり。

あまり長すぎても、短すぎてもいけませんし、手の小さい生徒さんにオクターブがたくさん出てくる曲をお薦めするわけにもいきません。

色々と配慮も必要になるのです。

中学生・高校生くらいですと、弾きたい曲がある事も多々ありますので、わりとスムーズに決まることもあるのですが。

段々と春が近づいて行楽日和になってきますが、ピアノのお教室はそんなことを感じる余裕もない程、活気づいているのです。

「ピアノ教室の出来事」について

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今回は、昨年、ピアノのレッスンを始められた生徒さんのお話です。

3,40代の主婦の方で、中学生くらいまではピアノを習っていたそうです。相当ブランクがあるのですが、よく指も動きますし楽譜も読める方です。

お仕事もお持ちですし、お子さんもいらっしゃるので育児もありますので、かなり多忙だと思うのですが、毎週ピアノのレッスンに通われています。

また、週末にはお子さんのピアノレッスンにも付き添われているそうです。

気分転換にピアノのレッスンに通われているようで、今は、大人の方用のテクニックの教材と曲集を使っています。

この生徒さんが初めてピアノのお教室に入らしたときに、「これから、どのような曲を弾けるようになりたいですか?」と聞いたところ、即座にある曲名をお答えになりました。

その曲が、「エリーゼの為に」や「子犬のワルツ」のような、一般的に名の知れた有名な作品ではなく、ある程度ピアノを弾いていないと知らないような曲名だったので、とても驚きました。

私自身、これまでに多くの方をレッスンしてきましたが、その曲を弾きたいとおっしゃった方はいませんでした。

「よく、その曲をご存じですね」とお話をしたところ、次のようにお答えされました。

以前、お子様のピアノの発表会を聴きに行ったところ、上級生がその曲を弾いていて、とても綺麗な曲だったので強く印象に残ったそうです。そして、いつか弾いてみたいと思われたのだそうです。

毎年、発表会に参加される方々に、「他の方の演奏も聴いて下さいね。色々な曲を知るいい機会になると思いますし、よい刺激も受けられると思いますよ」とお話をするのですが、それは正にこのようなことなのです。

この生徒さんは、早速、憧れの楽譜を購入されたそうで、少しずつ練習を始めようかとお話をしているところです。

「ピアノ教室の出来事」について

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