(この記事は、第154号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、公開レッスンのお話です。

オーディションで選ばれた生徒さんの公開レッスンが行われました。

普段私がレッスンを担当している生徒さんが、他の先生のレッスンを受け、逆に、私は、他のクラスの生徒さん数名を公開の場でレッスンします。

まずは、私の生徒さんが、公開レッスンを受けました。

前日まで塾のテスト勉強に忙しく、なかなかピアノの練習が出来なかったそうですが、頑張ってレッスンに参加していました。

レッスンの冒頭で、一曲通しで演奏してもらい、その後、個々の部分をレッスンするという展開で進んでいました。

生徒さん自身が、あまり練習出来なかったと言う通り、細かい音がくっついて音の粒が揃っていなかったり、ミスが目立つ演奏になっていました。

発表会では、わりと仕上がっていたのですが、やはり練習が減りますと、曲の完成度はどんどん落ちてくるという怖さを改めて感じました。

それでも、公開レッスンを担当された先生は、「よく弾けましたね」と褒めつつも、細かい所の部分練習のお話をされていました。

当然指摘が出るだろうと思った部分の話が出る一方で、あまり注目していなかった部分の指摘もありました。

意外な部分でのアドバイスを受けて、生徒さんが弾きますと、さらに音楽に表情が付いて、きれいに変化していきました。

私が公開レッスンをした生徒さんは、小学生と高校生でした。

さすがにオーディションで合格した生徒さん方なので、曲を弾きこなしている感じがしました。

初対面なので、生徒さんは多少緊張していたようです。

小学生の生徒さんは、普段の感じではなかったので、生徒さんのペースに合わせるというよりも、こちらのテンポに生徒さんを乗せるイメージで、レッスンを進めました。

高校生の生徒さんは、それほど緊張していないようで、質問をしても、自分の感想や意見を普段のようにお話されているようでした。

部分練習では、自分の演奏に苦笑もしていて、「私が何も言わなくても、わかっているみたいね」と言うやりとりも出ました。

生徒さんの演奏を、他の先生がどのように聴いているのか、演奏のどの部分に注目しているのか等、普段のレッスンではわかりにくい部分が見えてきて、とても勉強になりました。

今回参加された生徒さん方は、後日、オーディション合格者のお披露目コンサートが控えています。

今回の公開レッスンを参考に、さらに進化した、素晴らしい演奏が本番で聴けることを願っています。

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(この記事は、第153号のメールマガジンに掲載されたものです)

今年も、お子様のピアノ発表会が開催されました。

出演された生徒さんは、大きな本番を終えてホッとされている頃だと思います。

今回の発表会は、他の先生方の生徒さんと一緒に行いました。

発表会の会場や日時は、「くじ引き」などで事前に決めるわけですが、人気のホールとなりますと、「くじ引き」をする順番を決める「くじ引き」があるくらいで、また、土日をおさえることは難しく、平日になってしまう事も多々あるものです。

そして、お子様は夏休み期間とはいえ、旅行や塾など様々な用事と重なってしまい、この決まった発表会の日に参加することができない生徒さんが少なからず出てきます。

そのような生徒さんは、他の先生の発表会に混ぜて頂く事になるのですが、今回は、そのような形で集まった4,5人ほどの生徒さんと一緒に、発表会を行いました。

他の先生の発表会に混ぜて頂くと言っても、レッスンを行っている先生も同席されますので、出演される生徒さんにとっては、「いつもの発表会より見慣れない生徒さんが多いかな」くらいの違いしかないかもしれません。

一人で発表会を行いますと、舞台袖で演奏する生徒さんを順番に座らせたり、「大丈夫だからね」と励ましたり、演奏が終わった生徒さんを出迎えて、「良かったわよ」と感想を伝えたりしながら、アナウンスをしたり講師演奏をしたり、挨拶のスピーチをしたりと、終始バタバタしています。

しかし、今回のように他の先生もいますと、アナウンスや生徒さんの誘導なども分担作業になりますので、だいぶ楽な気持ちでいられますし、丁寧に生徒さんに対応することも出来ます。

そんな生徒さんの対応で、出番が近くなって舞台袖に来た生徒さんが、私の顔を見るなり「先生、ここの2小節忘れちゃったの・・・」と言うのです。

「ん!? どこかしら?」と楽譜を見ますと、特にチェックの入っていない箇所です。

「今日ね、朝弾いたら、ここがね、忘れちゃったの、どうしよう。忘れちゃう、忘れちゃう。」

「そうなの。この部分ね。いつもちゃんと弾いていた所だから、大丈夫、大丈夫。ちゃんと覚えているから。」

それでも、生徒さんにとっては、本番当日の朝に、急に暗譜を忘れてしまった事が相当ショックだった様です。

「おうちで弾いたとき、その後どうしたの?」

「(暗譜を忘れた)その先を弾いたよ。」

「それはよかった。レッスンでも、いつもちゃんと弾けていたから大丈夫。万が一、そうなったら、今日と同じく、飛ばしてそのまま弾いちゃってね。」

「それから、もう、忘れちゃうって言わないでね。」

そして、その生徒さんは、本番では、心配していた箇所も難なく弾き、全体的にきれいに弾いていました。

それまで、きちんと出来ていた暗譜が、ある時に忘れてしまうという事は、時々起こるものです。

また、楽譜を見て弾いていても、急に次に弾く音がわからなくなり、固まってしまうのも似たような状況ですね。

度忘れである事もありますが、厳しい見方をすると、手の運動だけで弾いてしまっていたとも言えます。頭を使って暗譜をしていなかったという事です。

特に小さい生徒さんの場合、楽譜を見て弾いているうちに、気が付いたら暗譜が出来ていたという事がありますが、これは、手の運動だけで覚えているということなのです。

意識して暗譜していないので、日常のリラックスした状況では暗譜できちんと弾けますが、緊張する場面など、いつもと違う状況では、ふと我に返って、わからなくなる事が起こります。

生徒さんが、手だけで暗譜をしていないか、今後はもう少しチェックを強化していきたいと感じた今回の発表会でした。

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(この記事は、第152号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、お子様のピアノ発表会がもうすぐなので、あがり症の克服について書いてみました。

発表会やコンサート、オーディションにコンクールなど、普段とは違い人前でピアノを弾く時、人は大抵緊張するものです。これまで多くの生徒さんを見てきましたが、全く緊張しないという方は殆どおりません。

普段のレッスンでさえ、自宅とは環境やピアノが違うので、少し緊張される方がおられるほどです。

私自身も、入学試験やオーディションなど演奏に点数が付く場面での演奏や、権威ある先生のレッスン、コンサートなど、数多くの本番を体験していますが、緊張することも多いものです。

「先生も緊張しているの? え~、全然そういう風に見えな~い!」と小さい生徒さんに言われたこともありますが、発表会など、生徒さんの前で、まさか私が青ざめた表情でいるわけにもいかないですしね。

「先生は、本番に慣れているから緊張しない」と思っているのかもしれませんが、そういう事はありません。ただ、本番への臨み方を少しは心得ているので、対処の仕方が多少上手かもしれません。

その対処には、色々な方法があると思いますが、そのいくつかを挙げてみます。

(1) 体をほぐす

本番前の生徒さんの様子を見ていると、極度のあがり症という方は殆ど見られないのですが、神妙な顔をしている方が多いようです。緊張すると顔が固くなるので、緩ませることが重要です。

私も、出番前の生徒さんのうち、直前以外の生徒さんについては、様子を見ながら笑顔で話しかけて緊張をほぐすようにしています。そうしますと、生徒さんも少し顔がほころんできます。

あがり症の方を数多く克服させてきた専門家の先生も、「一瞬で緊張をほぐす方法」として、顔の緊張をほぐす事を話されています。

変な顔をして、一瞬顔に力を入れてから、抜くという方法のようです。本番前に、お手洗いなどで実践してみてもよいかもしれません。

緊張すると、顔のこわばりと同じく体も硬くなってきます。そのため、私も、出番前には前屈をしたり、肩や腕を回して体を緩ませています。

日頃から、1日1分くらい左右交互に背中で握手すると柔軟性が高まるので、いざという時に体の硬直を防ぐことができるそうです。普段から、ピアノの練習とともに実践してみてはいかがでしょうか。

(2) 他人の演奏に惑わされない

発表会の本番前は、楽屋や舞台袖に何人も待っていて、舞台上での演奏が聞こえてくるわけですが、「今、弾いてる人、とっても上手!」などと思って、余計に緊張してしまうことも多いようです。

他の方の演奏に惑わされないように、対処することも重要ですね。

ヘッドホン等をつけて、聞こえないようにするとか、出番直前まで、その場から離れることも良いと思います。また逆に、「この曲、ステキな曲よね~」と観客として音楽を楽しんでしまうスゴ技もあります。

(3) 自分が演奏する曲の事ばかりを考えない

本番前に、自分が演奏する曲の事ばかり、ずっと考えてしまうのは、あまりオススメ出来ません。集中する方法は人によって違うのですが、直前に考えすぎると、かえってわからなくなったり、迷いが出てきてしまうことがあるからです。

特に、心配なところを気にしすぎるのは、避けたいものです。

普段の練習で、不安なく弾けるように準備をしておき、本番前には、「今まで練習してきたから大丈夫」「なんとかなる」とポジティブに思うようにしましょう。

本番前に、「なんか、間違えそうな気がする」「暗譜を忘れちゃいそう」等と思ったり、言葉にすると、脳が思い込んでしまうのでご法度です。

演奏する曲の技術面ではなく、「音楽全体でどこがステキなのか」「どのような事を伝えたいのか」という事に意識を向けるようにするといいですね。

生徒さんにも、「この曲って本当にステキだから聴いてね、という気持ちで弾いてね」「あなたの演奏を聴いたお客さんが、ああ、いい曲だなあと思ってもらえたら、大成功よ」とお話をしています。

緊張に負けず、本番で実力が発揮できるように、参考にしてみてください。

ピアノ発表会:本番で力を発揮する方法も、ご覧ください。

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