謹賀新年 2016


2016年1月1日

明けまして、おめでとうございます。2016年も、よろしくお願いします。

今年 2016年は、フランスの作曲家 エリック・サティ の生誕 150年のメモリアルイヤーとなります。

サティについては、これまでに「ピアノのしらべ」で、以下のような曲を紹介してきました。どちらも、テレビの CM や BGM などで聞いたことがある曲ではないでしょうか。

ピアノのしらべ:サティ作曲「ジュ・トュ・ヴ」
ピアノのしらべ:エリック・サティ作曲「ジムノぺディ第1番」

サティは、音楽の高等教育機関として世界で最も歴史があるパリ音楽院(現在のパリ国立高等音楽院)で学びますが、「退屈すぎる」と途中で退学してしまい、その後、酒場やカフェなどでピアニストとして活躍します。

しかし、彼が生きた頃のフランスは、激動の時代でした。子供の頃には、フランスとプロセイン(後のドイツ帝国)の間で普仏戦争が起こり、フランスは負けてパリも陥落しています。その後、音楽の分野でもドイツ音楽が君臨するようになりました。

そして、40代後半から50代では、3700万人もの犠牲者を出した第一次世界大戦を経験することになります。人類史上最初の国家総力戦となった世界大戦でした。

彼は、そのような激動の時代に、カフェで会う人々や日々の生活にフォーカスして、日常生活を妨げない、意識的に聴かれることのない「生活の中に溶け込む音楽」として「家具の音楽」を目指したのです。

それからまだ1世紀も経っていませんが、昨年フランスのパリでは大規模なテロが発生し、中東情勢とヨーロッパへの難民問題、更には中国経済の減速と南シナ海問題と、世界は、また新たな枠組みを求めて激動の時代へ入ったようです。

今年がどのような年となるのか想像もつきませんが、少し力を抜いて、サティの音楽と共に日常の生活を楽しみたいと思います。

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(この記事は、第186号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、クラッシックソムリエ検定のお話です。

クラシックソムリエ検定は、一般財団法人 日本クラシックソムリエ協会が主催するクラッシック音楽検定です。

毎年1回開催されていて、今年(2015年)で4回目となる、まだ新しい検定です。

世の中では、以前から手に職をつける事が注目され、資格などを取ることも流行りましたが、色々なジャンルがあっても音楽系はほとんどなく、ましてやクラッック音楽となりますと、ヤマハ音楽振興会のお子様が主に対象のグレードと指導者用のグレードくらいしかありませんでした。

最近は、大人の方が受けられるグレードも開催されていますが、レッスンに通っている方が対象となるので、まだまだ多くの方が受験するところまではきていないように思います。

また、いずれも演奏が主になるので、クラシック音楽を聴かれる方が受けられる検定は、ほぼ無かったと思います。

そこに、このクラッシックソムリエ検定が開催されるようになりました。

クラッシックソムリエ検定は、演奏ではなく、幅広いクラッシック音楽の知識がチェックされる検定なので、普段楽器を演奏されている方だけでなく、クラシック音楽を聴くのが好きな方や、ウンチクが好きな方にもとても良いように思います。

長く放送され、「世界一長寿のクラシック音楽番組」としてギネスに認定された「題名のない音楽会」でも、大反響だったそうです。

そして、今回ずっと気になっていた、このクラシックソムリエ検定にチャレンジしてみました。

クラシックソムリエ検定には、4つのグレードがあります。エントリーコース、シルバーコース、ゴールドコース、プラチナコースです。

初めて受験する場合には、エントリーコースから受験することになりますが、エントリーコースでは合否は付かず、点数と偏差値のみが通知されます。次の段階であるシルバーコースから点数と共に合否が付き、合格すると次のコースを受験することができるようになります。

基本的には、1段階づつの受験となるわけですが、エントリーコースとシルバーコースは同時に受験することが可能です。

今回は、この2つを一緒に受けてみました。

クラシックソムリエ検定は、全国各地で同じ日に行われますが、私は目白にある学習院大学が会場になりました。

大学の門に着きますと、学園祭の時期だからなのか、敷地のあちこちに色々なイベントの看板が立てかけられていました。もちろん、クラシックソムリエ検定の看板もありましたが、それ以外にも検定らしきものも行われているようでした。

会場の校舎では、入り口の壁に受験コースと受験番号ごとのフロアの案内が張り出されていましたが、思った以上に受験者が多くて驚きました。

指定された教室(エントリーコースとシルバーコースの併願者用)に入りますと、既にぎっしりと人が集まっています。

見回しますと、中高年の方がとても多く、女性よりも男性の方が多く参加されていました。また、高校生らしき方も数人いました。

検定とはいえ、会場の雰囲気は受験のような張りつめた空気ではなく、リラックスして受けられました。

最初は、エントリーコースの検定です。

問題は100問あり、1問10点です。回答はマークシートで、4つから答えを選んでいきます。

試験時間は60分ですが、試験開始後30分経ったら、自由に提出して退場することができます。(残り時間10分前まで)

実際、30分経って退出される方が少しいらっしゃいました。

そして、お昼休憩を挟んで、午後はシルバークラスの検定です。

試験20分前に、少しゆっくりテキストを見ようかと会場に入ると、その時点で既にほとんどの方が席についていました。

試験は午前中のエントリークラスと同じ問題数と試験時間で行われます。

試験開始後30分経ち、終わった方が退出してよい時間になりますと、午前中とは異なり続々と退出していきます。

シルバークラスの試験内容ですが、公式のテキストから8割ほど出ていますが、それ以外にちょっと面白い問題もありました。

例えば、「指揮者の小澤征爾さんは、大ファンのメジャーリーグの野球帽を被っていますが、どこのチームでしょうか?」という問題や、「フィギュアスケートの羽生選手は、昨シーズンと同じ作曲家の音楽を使用していますが、誰でしょう?」などです。

このような問題が混ざっていると、検定とはいえ楽しみながら出来ますね。

ちなみに、このシルバークラスは、なかなか難しかったです。

次回は、2016年の秋に開催される予定です。

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(この記事は、第185号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、大人の生徒さんの発表会のお話です。

先日、大人の生徒さんの発表会が開催されました。お子様の発表会と同様に毎年開催していますが、今回はピアノの他に、フルートや女声コーラスの生徒さんなどとご一緒の発表会になりました。

私の生徒さんは、月2回のレッスンなのですが、本番1か月前からは毎週レッスンにいらしていて、本番に向けてラストスパートをされていました。

元々、今年の発表会では、新しい曲を1曲決めて練習していましたが、曲が少し短いので、もう一曲追加する話になり、昨年の発表会で思うような演奏が出来なかった事を気にされていたので、「もう一度リベンジとして、同じ曲を弾いてみてはいかがですか?」とお話をしました。

そうしますと、間髪入れずに、「そんなこと出来るんですか? 是非、もう一回弾きたいです!」とのお返事でした。

毎回の発表会では、新しい曲を弾く事が多いわけですが、一度弾いた曲や、以前から練習していて、しかし、まだ本番で弾いたことがない曲を弾く事も問題ありません。

むしろ、そのような曲を弾くからこそ、学べることも多いものです。

弾き慣れた曲で、以前発表会の本番で弾いたことがある曲は、その時の経験がありますので、それを踏まえて対策を講じることができます。

例えば、テンポがだんだん速くなってしまったのであれば、どの辺りからそうなってしまったのかチェックし、心がけることもできます。

また、ミスをしてしまったのであれば、「緊張すると、この曲ではこの部分が危ない」とわかるので、もっと重点的に練習しておくことも出来ます。

更にレベルアップした演奏を目指すことになるので、曲をより深く考えて理解して弾く事も出来ますし、「一度弾いたことがあるから大丈夫」という精神的な安心感も持てます。

そして、発表会の当日を迎えました。

当日は、事前にホール近くのレッスン室を開放して、本番直前に少し指慣らしをすることができます。

生徒さんも早く会場入りして、弾いていました。いつものレッスンと違い、朝早い時間帯での本番ですが、なかなかの良い仕上がりで調子が良さそうでした。

そして、本番ですが、1曲目の新しく練習した曲は、直前の指慣らしでの良いイメージのまま弾く事が出来ました。

2曲目の昨年弾いた曲は、気を付けていたテンポ設定もよく、とても良い感じでしたが、途中でまさかのミスが少し出てしまいました。

終わった後、ご本人も、思わぬところでのミスに驚かれ、悔しがっていました。

それでも全体的には、昨年よりも断然素敵な演奏になりました。

ミスのない演奏というのは、本当に難しいものですし、そのためにも練習を積んで弾き込むことが重要になります。

しかし、間違えない事を意識しすぎると、保守的な演奏になったり、機械的な演奏になってしまうという弊害も起こりかねません。このような演奏では、表情豊かな音楽的に素晴らしい演奏とはかけ離れてしまいます。

また、「ミスの仕方」にも、段階があります。

初めの頃は、頭が真っ白になってしまい、ご自分でも何を弾いているのかわからなくなったり、ピタッと止まってしまい、途中から弾き直すことも出来ず、曲の最初から弾き直すことになります。

しかし、本番をたくさん経験してきますと、そのような大きなミスが徐々に少なくなり、小さなミスになってきます。

ミスがあっても、途中から弾き直すことが出来るようになり、また、ミスを気にせず演奏を止めることなく続行することが出来るようになります。そして、ミスの後も、調子を崩すことが少なくなってきます。

ミスの有無よりも、むしろ、ミスの内容とその対処を見て、生徒さんの成長ぶりを感じるものです。

生徒さん自身は、とても悔しそうでしたが、聴いていた私として、生徒さんの確かな進化を確認することが出来ました。

もう、すでに来年の発表会の具体的な曲名まで挙がっていて、生徒さんの向上心にも感激しました。

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