今回は、前回のお子様のピアノ発表会の続きです。
今年の発表会では、一人で弾くソロの曲とは別に、新しい試みとして「リレー連弾」も行いました。モーツアルトの名曲の数々をつなげたメドレーリレー連弾「ヴォルフガングの玉手箱」の演奏です。
「ピアノのしらべ」のコーナーでも、この曲を紹介しています。
ピアノのしらべ:モーツアルト名曲メドレー「ヴォルフガングの玉手箱」
数年前に友人からこの楽譜の事を聞き、是非いつか発表会で出来たらと思っていたものです。楽譜しかなく、実際にどんなものなのか、見たことも聴いた事もありませんでしたので、なかなか大変でした。
まず、誰にどの部分を弾いてもらうのかを決めるのに苦労しました。色々な条件が出てくるからです。それぞれの生徒さんの演奏レベル以外にも、「兄弟はペアにしてあげたい」「このペアだとレッスンのセンターが違うから、練習ができない」、また、春には新しく生徒さんが入り、逆に当初予定していたのに、都合で発表会に出られなくなる生徒さんが出てきたり、最終的に決まるまでに、かなりの時間がかかりました。
そして、練習が始まっても、連弾では、一人で弾くときとは違った練習が必要になります。
正確には、一人で弾く時にも必要な技術なのですが、一人で弾くとき以上に、連弾で弾くと、その問題点が顕著に出てきてしまうのです。
その問題点とは、主に以下の2つです。
● 常に一定の速さで弾く
音を間違えずに弾けたとしても、相手と合わなければ、音楽がずれてしまいます。
そのためにも、一定の速さで弾けることが重要になります。特に、相手につられずに、正しいテンポを守る練習が必要となります。
● 間違えたときの対処法
間違えても、たとえ分からなくなっても、音楽を止めないことが重要です。
これは頭では分かっていても、実際に苦労している生徒さんが何人もいました。無意識に止まりクセがついてしまっていたり、ちゃんと弾き直さないと気がすまないような方です。
このような生徒さんのレッスンでは、絶対に止まらない練習を何回もしました。私が、もう一方のパートを弾き、生徒さんが音を間違えたり、分からなくなって止まっても、私自身はどんどん先を弾いていくのです。
音楽を止めないとは、どういうことなのか、音楽の流れに乗るとは、どういうことなのか、まずは身をもって体験してもらうわけです。
その後、私が弾きながら、その生徒さんのパートを歌って誘導したりして、段々と自分の力だけで出来るようにしていきます。
このように、連弾の練習は、日頃の自分の問題点に気づき、それを克服する練習にもなるのです。
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