(この記事は、第158号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、新しくピアノ教室に通われることになった生徒さんのお話です。

ピアノ教室は、学校の入学と同様、春に新しい生徒さんが入られる事が多いのですが、他の時期に入られる生徒さんもいらっしゃいます。

先日、新しくお子様の生徒さんが入られましたが、お引越しをされてきた方でした。

お子様の場合、最初の体験レッスンや、その後のレッスンもしばらくは、緊張のためなかなか会話が弾まないものです。

しかし、今回の生徒さんは、違っていました。

姉妹揃って体験レッスンを行ったことが功を奏したのか、それとも、お子様の性格的なものなのかは分かりませんが、緊張している雰囲気はほとんど無く、会話も盛り上がりました。

ピアノを見たことはあっても、近くで見ると違うようで、想像以上に大きいグランドピアノに驚いたようでした。

歓声を上げながら熱心に見ていたり、ピアノの音が鳴るしくみやペダルについて、次々と質問をされていました。

妹さんの方は、ほとんどピアノを弾いた事がないので、音や使う指を指示しながら連弾で1曲弾いてみました。

音数が多くなったり、少なくなったりする事もありましたが、絶えず笑顔で弾いていました。

お姉さんの方は、以前少しピアノを習っていたそうで、ブランクがあるにも関わらず暗譜でスラスラと1曲弾いていました。

後日、聞いてみたところ、体験レッスンで弾くために、ずいぶん練習をしたそうですが。

これまで、多くの体験レッスンをしていますが、今回ほど、たくさんの質問を受けた事は記憶にありません。

こんなに体験レッスンが盛り上がることも珍しく、私自身もとても楽しいひとときでした。

翌週からレッスンも始まり、姉妹別々に個人レッスンを行っていますが、もうすでにレッスンに慣れて、学校での出来事なども色々と話してくれています。

「ピアノのレッスン、大好き!!」「あ~あ、もうレッスンが終わっちゃうのか~」と、ピアノのレッスンを楽しみにしてくれているのが、なにより嬉しく感じています。

これから、どのように成長していくのか、楽しみがまたひとつ、いや、ふたつ、増えた気がしました。

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(この記事は、第156号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、オーディションの合格者披露コンサートのお話です。

前回前々回でお話をしたオーディション合格者が、先日、披露コンサートを行いました。

今年の春から練習を始め、オーディションの審査を経て、いよいよこれまでの集大成が披露されました。

もう、季節は秋真っ只中なので、半年以上もの間、同じ曲をずっと練習してきたことになります。

通常は、1,2ヶ月くらいで曲が仕上がると思いますし、もっと年齢の低い生徒さんですと、1回のレッスンで練習曲が仕上がることも多いわけですから、とても長かったのではないでしょうか。

レッスンをする立場としても、特に小さい生徒さんは、飽きてしまわないように注意をしてきました。

飽きてしまうと、仕上がりのレベルが下がってきますし、弾く気力にも影響します。

違う曲を平行したり、時にはその曲の練習を中止したりして、常に新鮮な気持ちで曲が弾けるような工夫もしています。

もっと年齢が上の生徒さんですと、半年くらい同じ曲を練習していても、それほど飽きることはなさそうです。

最近では、YouTube などを使って、同じくらいの年齢の方が弾いている動画を探して、さらに高い完成度を目指すようにしています。

もちろん、プロのピアニストの演奏を聴くことも普段からオススメしていますが、同じくらいの年齢の方の方が、よりリアルに感じられるので わかりやすい目標になるようです。

年齢・学年別のピアノ発表会の動画を集めたサイトなどもあります。

子供の発表会・動画集 (外部サイト)

さて、本番のコンサートですが、久しぶりに客席で聴く事ができ、指導者としても、とても良い勉強にもなりました。

発表会では、舞台袖にいる事がほとんどなので、このような機会でないと、大きな会場で生徒さんの演奏がどのように聴こえるのか把握出来ないのです。

小学校1年生から大学生まで、幅広い年代の生徒さんの演奏を聴く事が出来ました。

どなたも、よく練習を積まれていて弾きこんだ感があり、演奏の安定感もあって、とても聴き応えのあるコンサートでした。

年齢を考えますと、なかなか難しい曲を弾いている生徒さんが多く、「凄いなぁ」と感心もしましたが、それと同時に考えさせられた事がありました。

それは、「音の響き」です。

普段のレッスンは、こじんまりしたレッスン室で、響きもあまり無いので気がつきにくいのですが、大きな会場で聴いてみますと、生徒さんによって音の響きが全く異なり、大きな差となっているのです。

ある程度以上大きなホールで弾く場合、音がどれだけ響くのか、音がどれだけクリアに飛んでくるのかが魅力ある演奏の大きなポイントの1つです。

これは体格とかパワーの差というよりも、タッチの差だと思います。

高校生や大学生のように、かなり強い音が出せても、なんだか音が曇っていて、はっきりと音が聴き取れず、なんだか音が伸びやかに響いていないという事があるのです。

反対に、小学校低学年の小さい生徒さんでも、音がきれいに響いている事がありました。

これが、あまりにも大きな差となっていて、驚きというよりも驚愕して、ある意味焦りを感じてしまいました。

ピアノという楽器は、美しい音色が魅力の一つです。

曲を弾くことだけに注力するのではなく、美しい音色や響きを探求していくことの大切さを痛感したコンサートになりました。

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(この記事は、第155号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、公開レッスンの舞台裏のお話です。

毎年、オーディションに合格した生徒さんの公開レッスンが行われます。前回は、その公開レッスンについてお話をしましたが、今回はその裏舞台です。

公開レッスンは、生徒さんにピアノの指導をするという点では、普段のレッスンと変わりませんが、公開の場でレッスンを行うという環境以外に異なる点が多々あります。

まずは、レッスンを行う前の準備です。

公開レッスンの前には、普段レッスンを行っている先生と連絡を取り合い、普段のレッスンの様子などを伺います。

基本的に、公開レッスンの内容や進行は、そのレッスンを行う先生にお任せですし、レッスンを行う先生も、あまり先入観を持たずにレッスンを行なうべきですが、事前に打ち合わせをしておきますと、色々と心構えも出来るので、当日スムーズにレッスンを行うことができます。

例えば、普段のレッスンでも心がけている事ですが、人それぞれ性格が異なりますので、指導するにしても、理解しやすい形というものがあるのです。

自由にのびのびと弾きたいタイプの生徒さんに、あれこれ細かく注意すると、テンションがどんどん下がってしまいます。逆に、細かい指示があった方がわかりやすいタイプの生徒さんに、「全体的に、のびのびと弾きましょう」と伝えても、何を直したらよいのか困ってしまいます。

その場限りの公開レッスンでは、限られた時間内に、少しでも今の演奏をより良いものにしなければなりません。

そのため、なるべく早い段階で生徒さんと打ち解けて、伝えたい事が生徒さんにしっかりと伝わるように、言い回しなどの工夫も必要になるのです。

また、オーディション時の演奏を聴いて、レッスンでフォーカスするポイントなどについても、ある程度決めていきます。

生徒さんがまだ低年齢で、合格者のお披露目コンサートまで、あまり時間が無い場合には、これまでと大幅に弾き方を変えるような事を指示してしまうと、迷って弾けなくなってしまう可能性があります。

ダメ出しばかりでは、自信を無くしてしまうわけですが、逆に褒めるだけでは、せっかくの公開レッスンの意味が感じられなくなってしまいます。どこまで踏み込んでレッスンを行うべきか、そのバランスについては、いつも以上に気を使うところです。

実際の公開レッスンの場では、生徒さんの顔つきを見て、また雰囲気などを感じて、臨機応変に対応していきます。

そして、公開レッスンが終わりますと、普段レッスンを行っている先生と、「反省会」と称して話し合いの場を設けています。

自分が普段レッスンしている生徒さんが、他の先生のレッスンを受けてどのように変化したのか、また、他の先生のレッスンを直に見る機会はあまり無いので、レッスンの進め方や内容、指導法などについても話していきます。

ベテランの先生方とは、近年のピアノレッスンを取り巻く変化についても意見交換を行いました。電子ピアノの普及とその弊害や、習い事の多様化の影響についても話題に上がりました。

時代にあったピアノレッスンを行わなければならない一方で、その難しさに直面して悩んでいる先生も多く、自分だけではないとお互いに再認識する場でもありました。

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