今回の「ピアノ教室の出来事」は、70代半ばの女性の生徒さんのお話です。
近所に音楽学校があったこともあり、幼い頃から、よく音楽を聴いたり、合唱をされてきたそうです。「波乱万丈の人生を過ごしてきた」とおっしゃっていますが、その支えになったものが音楽だったそうです。
ピアノも好きだったようですが、時代的になかなか習う機会がなく、40代になったときに、思い切って近所の先生に習い始めたそうです。
そこで、バイエルの1番から始め、ブルグミュラー、ソナチネと進んだそうです。そして、約2年ほど前から、私がレッスンを担当する事になりました。
現在は、
「千の風になって」
ドビュッシー作曲 「夢」
ショパン作曲 「前奏曲 雨だれ」
などを弾かれています。
夜、練習をすることが日課になっているようで、今練習している曲はもちろん、今までレッスンで合格をした曲も弾いているそうです。レッスンで合格をした曲は、その後、弾かなくなってしまう事が多いので、残念ながら昔は弾けたけれど、今は忘れてしまって弾けないという方が多い中、レパートリーを色々とお持ちなのは、ご立派だと思います。
お嬢さまからの励ましやお褒めの言葉が、なによりのサポートなっているように見えます。
先日は、文部省唱歌「ふるさと」「おぼろ月夜」「春の小川」の作詞で有名な、高野辰之の邸宅を訪ねてきたそうです。役所に何回も連絡を取って、資料も取り寄せて、下調べをお一人で全てなさったのだそうです。
飯山線の替佐駅にある、長野県中野市の邸宅は、現在お孫さんが管理をしているそうで、「ふるさと」の歌詞に登場する「かの山」や「かの川」を実際に見て、とても感激をしたと、おっしゃっていました。当時のままの風景が広がっているそうです。
その音楽のモデルとなったものや縁のものを実際に見ますと、良い意味で音楽の印象などが変化したり、また、その音楽の良さが、さらに増す気がします、とおっしゃっていました。
音楽は、本当にさまざまな楽しみ方があることを、改めて感じました。
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