(この記事は、第112号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「たのしい音楽小話」は、作曲家とも深い関係がある料理のお話です。
レストランへ食事に行く時、フレンチにしようかイタリアンにしようか、インド料理もいいなぁなど、国の名前で料理を呼ぶことも多いと思います。
和食は少し違う気もしますが、海外では「日本食レストラン」と呼ばれていますから、同じように国の名前で料理がイメージされているのでしょう。
しかし、「オーストリア料理」となりますと、料理のイメージが全く湧かない方も多いのではないでしょうか。
オーストリアはドイツ語圏でもあり、ドイツ料理との共通点が多いのですが、チェコやハンガリーの影響も受けています。
先日、都内でそんなオーストリア料理を食べてきました。
スープは、「フリターテンズッペ」というクレープの細切りが入ったコンソメスープです。オーストリアの定番料理ですね。以前オーストリアへ行った時には、カフェのランチセットでも出てきました。スープに春雨を入れた中華系のスープはありますが、クレープのようなものを入れるのは珍しいと思います。
スープの後は、「シュペッツレ」というドイツの手打ち生パスタが出て、その後がメイン料理の「グーラシュ」です。
グーラシュは、牛肉と玉ねぎやパプリカを煮込んだシシチュー料理で、「愛の夢 第3番」で有名なリストの生まれ育ったハンガリーが起源の料理です。チェコやオーストリアでもよく食べられています。
歌曲「野ばら」や「魔王」などで有名なシューベルトも、友人たちに振る舞うために、このグーラシュを作っていたそうです。今では弁当男子という言葉があるくらい料理をする男性も多いのですが、当時は珍しい方だったのかもしれませんね。
ちなみにシューベルトは、牛肉だけでなく、肝や腎臓も入れてアレンジしていたそうです。
このグーラシュには、ザワークラウトというキャベツの酢漬けが、付け合せに出てきました。ドイツ料理によく出てきますが、ショパンが生まれたポーランドの定番料理でもあります。
ポーランドでは、冬から春にかけて野菜や果物があまり収穫できないので、夏頃から保存食を作ります。その代表的な料理がザワークラウトなのだそうです。酢や白ワインなどで煮詰めるので、とろっとして食べやすくなります。
グーラシュもザワークラウトも伝統的な定番料理なので、クラシックの作曲家たちも日常的に食していたと思います。
食文化を通して作曲家を身近に感じることも、面白いのではないでしょうか。
これらの料理のレシピも、色々なところで見ることができますので、お料理が好きな方や興味がある方は、実際に作ってみるのも良いかもしれませんね。
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