(この記事は、第291号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、音楽系のマンガのお話です。

近年では、インターネットで本を買ったり、電子書籍で購入することが普通になってきましたが、それでも、時々本屋さんに足を運ぶと、たまたま目に留まった本との出会いがあったりして嬉しいものです。今回、ご紹介するマンガも、このような出会いで読むことになった本です。

マンガで教養 はじめてのクラシック」という本なのですが、「マンガで教養」という、なんとなく矛盾しているような気がしなくもない言葉と、サブタイトルにある「一生モノの基礎知識」という言葉に惹かれて購入してしまいました。

小さい頃に少しピアノを習っていましたが、クラッシック音楽にあまり良いイメージを持っていない主人公の女性が、偶然コンサートに行くことになり、それをきっかけに、クラシック音楽の魅力を知るというお話がマンガで書かれています。

10ページくらいのマンガの後には、いろいろな音楽知識をたくさんの図や写真を使用して、わかりやすく解説しています。

「まず知っておきたい クラシック作曲家20人」というコーナーでは、半ページまたは4分の1のスペースで、似顔絵のイラスト付きで作曲家の生涯が書かれ、どんなジャンルの曲を作ったかという項目では、後世に与えた影響を考慮して3段階の星の数で評価が書かれています。

「クラシックのジャンル」では、交響曲や管弦楽、協奏曲、室内楽曲などの解説が書かれていて、「交響曲」と「交響詩」の違いなど、実はわかっていなかったようなものについても確認が出来ます。

オーケストラの配置について、おおよそはわかっていても、例えば木管楽器については、配置以前に個々の楽器の区別がつかないという事も多いかもしれません。フルートは、金属で作られていますが、金管楽器ではなく木管楽器の仲間ですし、クラリネットとオーボエなどはとてもよく似ていますから、区別がつかないかもしれません。

本の中では、写真を使用して一般的なオーケストラの配置について解説されていたり、個々の楽器についても、写真だけでなく部品の名前やサイズ、役割なども書かれています。これは大変わかりやすいです。

「世界の音楽コンクール」というコーナーでは、コンクールの流れから主要なコンクールの紹介、ショパンコンクールとチャイコフスキーコンクールの比較などもありました。今年は、秋にショパンコンクールが開催されますので、是非とも押さえておきたいところですね。

その他にも、国別のオペラの特徴やオペラハウスの構造、代表的なオペラの解説やバレエ音楽、年末に日本各地で演奏されるベートーヴェンの第9交響曲についてや、規模別のコンサートホールの解説、実際にコンサートへ行くときのチケットの買い方や座席の選び方、服装やマナーについても丁寧に書かれていました。

チケットを買うときは、値段や何となく前の方というように選びがちですが、それぞれの席の楽しみ方もありますので、参考になると思います。

「名曲ガイド」では、たくさんのクラシック音楽の中から、ジャンルごとにかなり厳選された曲の紹介が載っています。曲の紹介だけでなく、聴きどころの説明や、曲想や曲の長さなどを項目ごとに4段階で評価しています。曲の解説も短めなのでとても読みやすく、聴きたくなってしまうかもしれません。

本の最後の方には、世界や日本のオーケストラの紹介、日本のホールの地図なども載っていて、まさに至れり尽くせりの一冊です。そこそこの厚さの本ですが、堅苦しさは全くなく、とても分かりやすい内容ですので、一気に読み終わってしまいました。

これからクラシックを学ぼうという方はもちろん、ピアノのことはわかっていても、他の楽器のことはよくわからないという方や、既にいろいろとご存知の方も、改めて知ることが意外に多いかもしれません。大人の生徒さんだけでなく、中学生くらいの生徒さんにも、ご紹介してみようと思っています。

ちなみに、この本はシリーズものになっていて、ワインや落語、歌舞伎、仏像を扱っている本も出版されているそうです。

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