(この記事は、第230号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回は、お子様の公開レッスンのお話です。

先日、お子様を対象とした公開レッスンが行われました。私は講師として、2人の小学生のレッスンを行いました。

何回も公開レッスンを行っていますが、それでもやはり初対面の生徒さんのレッスンというのは緊張するものです。しかし、今回はレッスン前に最初の生徒さんと少しお話をする時間があったので、お互いに少し慣れてからレッスンを行う事が出来ました。

公開レッスンには、いろいろなやり方がありますが、私は最初に1回曲を通して弾いてもらいます。最初の生徒さんも次の生徒さんも、多少は緊張していたようでミスはありましたが、たくさん練習をしたようで、よく弾き込んでいる感じがしました。

最初の生徒さんは、少し細かいパッセージで音の粒が揃わない所があったので、その部分を中心にレッスンをしました。

音の粒が揃わないというのは、多くの方が悩む問題でもあります。指が弱いという根本的な問題が絡むので、長期的に基礎的な練習を積むことが必要になる場合もありますが、それ以外の事が原因だった場合には、意外と短期間で解決できる場合もあります。

今回の生徒さんの場合は、音が弱くなってしまう部分の打鍵の位置が適切でない為に、音の粒が揃わない事がわかりました。

ピンポイントでその箇所を弾きますと、一番弾きやすい鍵盤の位置で弾く事が出来ますので、きれいに音の粒が揃っていました。しかし、その部分の少し前から弾きますと、問題の箇所での打鍵の位置がずれていたのです。わざわざ弾きにくい鍵盤の位置で弾くわけですから、当然コントロールがしにくくなり、音の粒が揃わない事になります。

よくよく観察しますと、2つ前の音を弾く時点で、既に体勢が崩れている事がわかりました。この状態を直すことで、問題の箇所でも自然で無理のない打鍵が出来るようになるわけです。

レッスンで何回も反復練習を行い、少し掴めてきたようですので、きれいに弾けるようになるまで、そう時間はかからなと思います。

2人目の生徒さんは、華やかな曲を元気いっぱいに演奏してくれました。

生徒さんにぴったりな曲を選ばれたようで、楽し気な雰囲気も伝わってきましたが、少々曲の勢いに飲み込まれてしまっている感じがしたので、コントロールして弾くという事を少し見直してみました。

楽譜を閉じたまま、最初の部分から強弱について聞いてみますと、実はあまり覚えていない事がわかりました。また、同じフレーズが複数回出てくる部分での強弱記号のわずかな違いも、把握していませんでした。

これは実は、楽しい感じや軽快な曲、テンポの速い曲を弾く場合に陥りやすい問題なのです。

指を動かしていると、どんどん曲が進みますので、なんだか弾けている感じがするものです。しかし、傍から聞いていますと、突っ走ってしまっている印象になり、せっかく弾けていても、なんだかもったいない印象になってしまいます。

生徒さんと強弱記号などをよくチェックして、クレッシェンドでも、どの強さから始めて、どのくらい強くしていくのかという事を、一緒に確認していきました。

そうしますと、たった半ページの中でも、実はピアニッシモからフォルテまで幅広い強弱をつける曲である事を再認識されたようでした。こうして、改めて楽譜をよく読んで演奏しますと、まるで別人が弾いているかのように変化してくるのですから面白いものです。

1カ月後のコンサートに、今回の生徒さん方も同じ曲で参加されます。公開レッスンでのアドバイスが少しでも役立ち、素晴らしい演奏になればと思っています。

スポンサード リンク


最近の投稿

カテゴリー

ブログ内検索

メールマガジン

音楽ナビ

con Vivace について

アーカイブ

ブログ・ランキング

にほんブログ村 音楽ブログ 音楽教室・音楽学習へ