(この記事は、第233号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、大人の生徒さんの発表会の様子です。
先日、大人の生徒さんの発表会が行われました。台風が日本列島に近づいていて、その日の深夜には東京に最接近するという予報でしたので、発表会の開催自体を心配していましたが、予定通りに行われました。
前日、初めて発表会に参加される70代の生徒さんから、「先生とお話がしたい」と事務所に電話があったと連絡をもらいました。
この生徒さんは、数日前の最後のレッスンの時に、発表会が近づいてきた実感が湧いてきたのか、妙に緊張した面持ちでレッスンに来られ、弾いてみても、これまでスムーズに弾けていたところで何か所もミスをしていました。
これまでのレッスンでは、着実に曲をまとめてきていましたので、本来の力が発揮できれば何の問題もなく、あとはお気持ちを強く持っていただければと思い、「十分弾けていますから、大丈夫ですよ」と励ましました。
その事を思い出し、今でも緊張が続いているのかと心配して電話をいたしました。
お話を聞いてみますと、数日前から突如持病が再発して、腰が痛いとの事でした。悪化してくると、腰が曲がってしまい、まっすぐにならないらしいのです。
腰痛の時に使用するベルトを付けているようですが、一向に良くならず、台風が近づいているので、益々酷くなるかもと心配されていました。
「一生懸命練習をして、幾分か良くなってきたというのに・・・」と、ご本人も非常に残念がっていましたが、今回は不参加という事になってしまいました。
さて、発表会当日ですが、台風が近づいているという事で安全の為、前半が終わるとすぐに前半演奏した方の集合写真を撮り、前半の方が解散してから、後半を行うという進行になりました。
生徒さん方は、予定通り会場に到着していましたが、それほど緊張した感じでもなく、落ち着いた様子でした。
開演前は、生徒さん方にお声がけをしたり、舞台近くで記念写真を撮ったり、1年ぶりに再会した他のピアノの先生と近況報告をして過ごしました。
発表会は、スムーズに進行しました。
前日の連絡で持病のため不参加を決めた生徒さんが、本来は1番の演奏順でしたが、2番目の生徒さんから演奏が始まることになります。
この2番目の生徒さんには、「明日の発表会で、1番目の方が欠席になりましたので、最初に演奏することになりますので、ご承知おきください」とメールで連絡をしていたのですが、ご覧にならなかったそうで、出番前に知って、少し動揺されていました。
実際の演奏では、思わぬところでミスが出てしまい、最後の方は良かったものの、少し惜しい演奏になってしまいました。
他の難しい名曲にチャレンジした生徒さんは、レッスンで毎回録音をされていて、ご自宅でもかなり練習をされていたようで、発表会1か月半前くらいから、急にめきめきと上達をされていました。本番でもかなり健闘されていて安心しました。
今回、初めて大人の発表会に参加された大学生の生徒さんは、この日のためにインターネットでドレスを購入したのですが、サイズが合わず、ご実家から以前着ていたドレスを送ってもらったものの、そちらもサイズが合わず、急いで他のお店でドレスを購入されたとの事でした。
普段着る洋服でも、サイズをチェックしているのに、いざ着てみると合わないという事があります。
ドレスの場合、生地の伸縮性や、どのくらい裾が広がるか、肩や脇の開き具合など、実際に着てみますと、インターネットの写真のイメージとは異なる事が意外と多いものです。
この生徒さんは、ドレスのハプニングも影響せず、かなり普段通りに弾けていましたが、後のレッスンで聞いてみますと、お辞儀をして椅子に座った途端に、急に「ぶわ~っと」緊張してビックリしたと話していました。
また、靴のヒールが思ったよりも高く、気になって弾きにくかったとも話していました。
ドレスや出番のハプニングに見舞われた生徒さんがいらっしゃいましたが、なんとか発表会は無事に終えることが出来ました。
今回、不参加になってしまった生徒さんは、本当に残念でしたが、来年はハプニングもなく、みなさん全員が揃って満足感をもって発表会が行えることを願っています。
(この記事は、第231号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、発表会やコンサートの本番を控えた生徒さん方の様子です。
10月に入り、今年も残すところ3か月となりました。芸術の秋ということもあり、ピアノ教室では、生徒さんの晴れの舞台である発表会やコンサートが次々と開催されています。
まず、オーディションの合格者お披露目コンサートが、10月1日に行われます。
以前にも参加したことがある小学生の生徒さんが参加しますが、夏から本格的に塾に通う事になり、宿題と授業に追われて、なかなか大変な日々を過ごしているようです。この生活が始まってしばらくは、ピアノの練習量が少なくなり、少し進度が緩やかになりましたが、やはり本番が近づくにつれて、短い時間でも効果的に練習が行えるように工夫されているのか、本番前の最後のレッスンでは、グンと曲がまとまっていて驚きました。
このコンサートの様子は、また後日お話しできればと思います。
そして、10月下旬には、大人の生徒さんの発表会が開催されます。今年は、初参加の生徒さんも数人いらっしゃいます。
トップバッターを務めるのは、70代の生徒さんです。
この生徒さんとは、今年の年明けに再会し、その後レッスンに復帰されました。現在もピアノのサークルに所属され、ご友人方とピアノを楽しんでおられます。レッスンでは、弾きたい曲を自らおっしゃっていただき、曲が決まると、きれいに楽譜を製本して、毎回レッスンでは録音をされるほど向上心溢れる生徒さんです。
本番では、どれくらい緊張されるか未知数ですが、緊張しても力が出し切れるように、細かい所を詰めている最中です。
先日のレッスンでは、衣装についてのご質問もいただきました。少しドレッシーな装いをされる方が多いというお話をして、「是非、ドレスアップして参加されてはいかがでしょうか」とご提案もしました。
春からピアノを見させていただくことになった大学生の生徒さんも、大人の発表会は、今回が初参加です。小さい頃からピアノを習っていた生徒さんなので、発表会自体は数多くこなしているようです。
今回は、ご本人が一度は弾いてみたかったというショパンの作品を弾きます。テンポが速く、コロコロと間髪入れずに場面転換する作品なので、テクニック的にも音楽的にもなかなか難しい曲です。
練習を始めてしばらくは、「速く弾かないと」という思いから、少し焦ってしまったり、粗い感じになっていました。これは、速いテンポの曲を弾く時に起こりがちな事です。
まずは、しっかりと曲を理解して、ゆっくりなテンポで部分練習をするところからレッスンし、だいぶコントロールして弾けるようになってきたので、現在は、それぞれの場面での表情の付け方などをレッスンしています。ショパンの華やかな「動」の魅力と、憂いに満ちた哀愁漂う「静」の魅力の両方が伝わり、ショパンの奥深さを演奏で表現できたらと思います。
また、大人の発表会に何回も参加されているベテランの生徒さん方もいらっしゃいます。
だいぶ前に一度弾いたことがある曲を「もう一回、ちゃんと弾きたい」という事で、リベンジされる生徒さんもいらっしゃる一方で、難しい曲にチャレンジされている生徒さんもいらっしゃいます。いろいろな参加の仕方が出来るのも、大人の発表会ならではです。
リベンジされる生徒さんは、テクニック的にはおおよそ大丈夫なので、音楽的な表現についてレッスンをしています。
弱い音で始まる音楽なのですが、どうしても弱く弾く事を意識し過ぎて緊張してしまい、浅い感じの音になってしまうのです。しかし、1回通して弾くと調子が掴めるようで、2回目には割と良い感じで弾き始めることができます。本番は1回のみで、リハーサルもありませんので、なんとしても1回目で深さのある音で弾き始めなければなりません。残すところ2回のレッスンで、どこまで掴んでいただけるのかが大きな課題です。
難しい名曲にチャレンジされている生徒さんは、時々、弱気とも取れる発言をされることがあり、「大丈夫です!」と励ましながらレッスンをしています。とにかく細かい部分の練習ばかりしていますので、大変だと思いますが、「難しいなあ」とおっしゃりながらも、黙々とこなしています。
だいぶ流れてきましたので、この調子で本番まで着実に進めていければと思っています。
私自身も、11月のコンサートに向けて日々練習に追われています。先日練習会を行い、演奏順なども決まり、本番が近づいてきた実感が更に湧いています。
練習会では、第2楽章など、前回よりも大幅に改善できましたが、もっと大きなフレーズで弾く事や、第1・第3楽章について、全般的にフレーズの最初の音がはっきりしないというダメ出しをされてしまいました。
確かに録音を聴いてみますと、聴きづらい感じになってしまったので、改善しながら、他の部分について、もっと細かく練習をしているところです。
割とシンプルでわかりやすい音楽だからこそ、少しの曖昧さがとても目立ってしまうので、丁寧な練習の大切さを改めて感じています。
本番で力が存分に発揮できるように、生徒さん方とご一緒に成長していければと思っています。
(この記事は、第230号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回は、お子様の公開レッスンのお話です。
先日、お子様を対象とした公開レッスンが行われました。私は講師として、2人の小学生のレッスンを行いました。
何回も公開レッスンを行っていますが、それでもやはり初対面の生徒さんのレッスンというのは緊張するものです。しかし、今回はレッスン前に最初の生徒さんと少しお話をする時間があったので、お互いに少し慣れてからレッスンを行う事が出来ました。
公開レッスンには、いろいろなやり方がありますが、私は最初に1回曲を通して弾いてもらいます。最初の生徒さんも次の生徒さんも、多少は緊張していたようでミスはありましたが、たくさん練習をしたようで、よく弾き込んでいる感じがしました。
最初の生徒さんは、少し細かいパッセージで音の粒が揃わない所があったので、その部分を中心にレッスンをしました。
音の粒が揃わないというのは、多くの方が悩む問題でもあります。指が弱いという根本的な問題が絡むので、長期的に基礎的な練習を積むことが必要になる場合もありますが、それ以外の事が原因だった場合には、意外と短期間で解決できる場合もあります。
今回の生徒さんの場合は、音が弱くなってしまう部分の打鍵の位置が適切でない為に、音の粒が揃わない事がわかりました。
ピンポイントでその箇所を弾きますと、一番弾きやすい鍵盤の位置で弾く事が出来ますので、きれいに音の粒が揃っていました。しかし、その部分の少し前から弾きますと、問題の箇所での打鍵の位置がずれていたのです。わざわざ弾きにくい鍵盤の位置で弾くわけですから、当然コントロールがしにくくなり、音の粒が揃わない事になります。
よくよく観察しますと、2つ前の音を弾く時点で、既に体勢が崩れている事がわかりました。この状態を直すことで、問題の箇所でも自然で無理のない打鍵が出来るようになるわけです。
レッスンで何回も反復練習を行い、少し掴めてきたようですので、きれいに弾けるようになるまで、そう時間はかからなと思います。
2人目の生徒さんは、華やかな曲を元気いっぱいに演奏してくれました。
生徒さんにぴったりな曲を選ばれたようで、楽し気な雰囲気も伝わってきましたが、少々曲の勢いに飲み込まれてしまっている感じがしたので、コントロールして弾くという事を少し見直してみました。
楽譜を閉じたまま、最初の部分から強弱について聞いてみますと、実はあまり覚えていない事がわかりました。また、同じフレーズが複数回出てくる部分での強弱記号のわずかな違いも、把握していませんでした。
これは実は、楽しい感じや軽快な曲、テンポの速い曲を弾く場合に陥りやすい問題なのです。
指を動かしていると、どんどん曲が進みますので、なんだか弾けている感じがするものです。しかし、傍から聞いていますと、突っ走ってしまっている印象になり、せっかく弾けていても、なんだかもったいない印象になってしまいます。
生徒さんと強弱記号などをよくチェックして、クレッシェンドでも、どの強さから始めて、どのくらい強くしていくのかという事を、一緒に確認していきました。
そうしますと、たった半ページの中でも、実はピアニッシモからフォルテまで幅広い強弱をつける曲である事を再認識されたようでした。こうして、改めて楽譜をよく読んで演奏しますと、まるで別人が弾いているかのように変化してくるのですから面白いものです。
1カ月後のコンサートに、今回の生徒さん方も同じ曲で参加されます。公開レッスンでのアドバイスが少しでも役立ち、素晴らしい演奏になればと思っています。
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