(この記事は、第114号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「ピアノ教室の出来事」は、年の瀬のピアノ教室のお話です。
今年も残すところあとわずかになりました。
クリスマスで、イルミネーションもいたるところできれいに点灯しています。以前は、12月に入ってからイルミネーションが話題になりましたが、どんどん前倒しになり、今では11月から楽しめるようになってきました。
ピアノ教室では、今年のレッスンも残りわずかとなり、すでに年内のレッスンを終了した方もいらっしゃいます。早くも、「また来年お会いしましょう。良いお年を」という挨拶をしています。
学生の方は、今からクリスマスが楽しみなようです。
普段のレッスンで使用している教材にも、クリスマスの曲がいくつかありますが、今ちょうど練習している生徒さんがいます。マイペースな性格なので、次々と教材が進むわけではないのですが、毎回楽しくレッスンに通われています。今年最後のレッスンがクリスマス当日なので、「今年中に、この曲は仕上げましょうね。来年になって、まだクリスマスの曲を弾くのって、ちょっと合わないしね」と話しますと、ふふふと笑っていました。クリスマスが、よい目標となっています。
今年中学生になった生徒さんには、「今年は希望の学校に合格して、良い1年だったわね。昨年の年末は、受験前だったから大変だったでしょう?今年は、ゆっくりクリスマスを過ごせるかな?」と聞きますと、少し笑顔はあるものの、ちょっと冴えない表情をしていました。
「うん、でもね、お父さんが転勤になっちゃって。いつ帰ってくるかわからないの。」
「あら~、そうなの。○○ちゃんのお父様って、海外のお仕事が多かったわよね。」
「そうそう。帰ってきても打ち上げとかで出かけちゃうし、1週間くらいで、またすぐ違う国へ行っちゃったりするの。」
「そうなの。クリスマスは一緒に過ごせるのかな?」
「わからない。でもね、お正月は帰ってくるって。」
「そう、よかったわね。この分だとクリスマスはお母様とお姉さんと、過ごすことになりそうね。」
「うん、でもね、お姉ちゃんが今度は受験だから・・・。でもお友達を連れてきて、うちでクリスマスパーティーするんだって。」
「そうなの、じゃあ、○○ちゃんも一緒に参加できるといいわね。」
中学生以上になりますと、家族でゆっくりクリスマスを過ごすというよりも、お友達と一緒に、という機会が増えてくるようです。
大学生の生徒さんには、「就職先も決まって、後は卒業を待つだけだから、クリスマスも楽しく過ごせそうね。」と話しますと、「そうですね、去年の今頃はリクルートスーツを着ていましたから。でも、今年はクリスマスケーキを販売するバイトを入れちゃって。」
「あら、頑張るわね~。就職したら、まとまったお休みってなかなか取れなくなるから、少しでもゆっくりできるといいわね。」
みなさんが、楽しいクリスマスを過ごせることを願っています。
(この記事は、第105号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「ピアノ教室の出来事」は、お子様の公開レッスンのお話です。
ピアノ教室では、通常一人の同じ先生が毎週レッスンを行う個人レッスンが基本になっています。毎回、同じ先生がレッスンをすることで、生徒さんも徐々に慣れてきて、距離感も縮まり、信頼関係も深まってきます。
レッスンをする側も、同じ生徒さんをずっと担当する事で、生徒さんの性格や考え方、理解の仕方など、様々な面を知ることができます。そして、生徒さんの理解がより深まるように、言葉や伝え方などを工夫することもできます。
先日、ピアノ教室に通うようになって3年ほど経つ小学生の生徒さんが、他の先生のレッスンを受けることになりました。来月行われるコンサートに向けた公開レッスンです。
ピアノを専門に勉強している音楽大学の学生さんなどは、公開レッスンを受けたり、聴講する事はわりと頻繁にあるものですが、ピアノ教室では、公開レッスン自体をご存じない方も多いものです。
この生徒さんも知らなかったようで、もちろん受講することは初めてです。
「来月、本番があるでしょ。その前に、他の先生が○○ちゃんのピアノをレッスンしてくれるのよ。良かったね。」とお話しますと、
「えぇ~っ、やだ~、先生がいい~。」
「まあ、普段のレッスンを気に入ってくれてありがとうございます。でもね、違うの。その先生のレッスンは今度の1回だけなのよ。他の先生が、○○ちゃんのピアノを聴いて色々とアドバイスをしてくれるのよ。」
「なんだ、先生が変わっちゃうのかと思った。」
そして公開レッスンの日になりました。
普段のレッスンでは、とてもお話好きな人懐っこい生徒さんですが、初めて会う先生で、しかも公開レッスンという事もあり緊張しているようでした。
しかし、先生のお話を一生懸命聞いていましたし、レッスン時間の中で演奏がどんどん変化していく様子が見られました。
指導する側も、他の先生のレッスンを見学する機会は少ないので有意義な時間でした。
公開レッスン後に生徒さんとお話をしますと、「発表会の時みたいに緊張した」とお話していました。
こちらも公開レッスンの内容をメモしていたので、それを見せながら内容をかみ砕いてお話し、一緒に復習をしました。
先日、ピアノの発表会が終わったばかりですが、コンサートの本番までは約1ケ月です。気持ちを切り替えて、もう一度頑張ってほしいものです。
(この記事は、第104号のメールマガジンに掲載されたものです)
今回の「ピアノ教室の出来事」は、お子様のピアノ発表会本番の様子です。
先日、お子様のピアノ発表会が開催されました。お教室によって違うと思いますが、発表会は毎年リハーサルを行わず、本番1回のみの1発勝負という厳しいスタイルを取っています。1日の中で、午前中に1回、午後2回と1日3回転の発表会を行っている関係で、なかなかリハーサルの時間が確保できないのです。
しかし、今回は参加人数が当初の予定よりだいぶ少なくなり、時間に余裕ができたので、リハーサルの時間を作ることが出来ました。
出演される生徒さんのみホールに入り、プログラム順にリハーサルを行ったのですが、私がこれまでに見てきたリハーサルの風景とは明らかに違っていて、少しビックリしました。生徒さん全員がじっと椅子に座っていて、誰も一言も喋っていないのです。
「はい、次の人リハーサルしてね」という私の声だけがホールに響く状況で、想像以上の緊張感に包まれていました。その雰囲気に飲まれてしまったのか、暗譜を忘れてしまい、思い出せずに慌てて楽譜を取り出す生徒さんまでいました。
そして、本番が始まりました。
緊張して小さなミスをしてしまった生徒さんはいましたが、リハーサルがよかったのか、頭が真っ白になったり、暗譜がすっかり抜けてしまう方は誰もいませんでしたので、全体的にはスムーズに進行が出来ました。
出番前の舞台袖では、リハーサルの時に比べてガチガチに固まっている感じではなく、適度な緊張感だったように思います。舞台袖には、出番前の生徒さん数人の他に、私とアナウンスをして下さった先生がいましたが、私たちまでシーンと黙ってしまうと変に緊張感が高まってしまうので、あえて通常通りに振る舞っていたのも、少しは効果があったのかもしれません。
「あ~、緊張する~。どうしよう、どうしよう」と話していた生徒さんもいましたが、いざ舞台で演奏が始まりますと、普段のレッスンの演奏とさほど変わらず、力を発揮出来ていました。
生徒さん方の演奏を客席で聴くことが出来ないのが残念ですが、舞台袖で聴いていますと、普段のレッスンではわからなかった事が見えてきたりもします。
思った以上に音が響いていてパワフルさがあったり、フレーズごとの間の取り方が絶妙だったり、本番という緊張する場で弾いているからこそ発揮される生徒さんの持ち味なのかもしれません。このような発見があるのは、聴いていてとても嬉しいものです。
最後には、全員で集合写真を撮って、今年も無事に発表会が終わりました。
アクシデントもなく終わり、次のクラスの発表会まで時間的に余裕があったので、生徒さんやそのご家族が、次々と挨拶にいらして下さいました。
ほとんどの生徒さんやご家族が明るい笑顔で、緊張感から解放された安堵感と、結構満足感や充実感を感じておられたのが、指導者としては一番嬉しい瞬間でした。
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