(この記事は、第157号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、芸術の秋にピッタリな音楽イベントのお話です。

先日、「アークヒルズ音楽週間」に行ってきました。

「アークヒルズ音楽週間」は、「サントリーホールフェスティバル」(9月20日~11月18日)期間中のうち8日間、サントリーホールと森ビルが主催して開催されるイベントです。

アークヒルズ25周年の記念に始まった音楽イベントで、今年で4年目を迎えます。

「サントリーホールフェスティバル」では、毎年、世界の一流演奏者のコンサートや、マスタークラスの公開レッスン、オーケストラの公開リハーサルなど様々な催し物が行われます。今年は、五嶋みどりさんの公開レッスンやリサイタル、ウィーンフィルのコンサートや無料の公開リハーサルなどが行なわれました。

しかし、「アークヒルズ音楽週間」は、私もつい最近知ったので、ご存知ない方も多いかもしれません。

10月4日~11日の8日間、サントリーホールの広場やロビー、近隣のビルやホテル、カフェ、チャペル、大使館などで、コンサートなどの音楽イベントが開催されます。

私は、サントリーホールのロビーで行われたオーボエとハープのコンサートを聴いてみました。

開場時間の少し前に着きましたが、すでに長い行列が出来ていてビックリしました。

小ホールの入り口前に舞台が設けられ、40席ほど椅子も用意されていましたが、私がロビーに入った時点で満席になっていて、どんどん立ち見のお客さんが増えていきました。そして、開演時間には、80~90人くらい集まっていました。

東京交響楽団のオーボエ奏者の最上峰行さんと、ハープ奏者の津野田圭さんのコンサートです。お二人の共演は初めてのようですが、とても息の合った演奏でした。

演奏の合間には、それぞれの楽器の説明やソロの演奏もあり、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」のハープ演奏は、とても興味深く聴かせていただきました。

「亜麻色の髪の乙女」は、ドビュッシーのピアノ曲の中でも特に有名な曲なので、聴いた事がある方も多いと思いますし、弾いた事がある方もおられると思います。

しかし、ハープの柔らかい音色で聴くと、ピアノとは違ったイメージになり、音楽の幅広い楽しみ方を体験する事が出来ました。

他の曜日には、弦楽四重奏やオペラなども演奏され、他の会場では、ジャズやサックス、尺八などクラシック以外のジャンルの音楽も演奏されました。

今年の「アークヒルズ音楽週間」は終わってしまいましたが、「サントリーホールフェスティバル」は、11月18日まで開催されています。

芸術の秋を、日本屈指のホールで楽しんでみてはいかがでしょうか。

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(この記事は、第150号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、外国で活躍されている日本人ピアニストのお話です。

普段私たちが接しているピアノ音楽は、ヨーロッパ発祥のものです。グレゴリオ聖歌を起源として、音楽も楽器もヨーロッパで発展しました。

日本にピアノが伝わったのは、江戸時代末期から明治時代です。

しかし今では、世界中でピアノ音楽は演奏され、ピアニストも世界中で活躍をしています。そして、「まさか!」という場所で活躍されている日本人ピアニストもいます。

その場所は、アフリカ・サハラ砂漠西南端の秘境、セネガル共和国です。

日本では、あまり知られていない国ですが、セネガル共和国の首都ダカールの名前は聞いたことがあるかもしれません。パリ・ダカール・ラリーの終着点です。

2000年から2012年まで、セネガル共和国の第3代大統領を務めたアブドゥライ・ワッド氏の専属ピアニストが、広谷泉さんという日本人ピアニストです。

青年海外協力隊の音楽隊員として、アフリカを訪れたことがきっかけで、大統領主催のオーディションに合格して、専属ピアニストになりました。

大統領には、執事やシェフなど専属の方が付きますが、ピアニストまでいるとは驚きですね。

しかし、モーツァルトなど昔の音楽家が、貴族お抱えの音楽家だったことを考えると、不思議ではないのかもしれません。

ワッド元大統領は、作曲が趣味なので、音楽に強い関心と理解があったのでしょう。

大統領専属ピアニストの仕事は、大統領主催の晩餐会などでの演奏なのだそうです。

世界中から様々なお客様が来られるわけですが、そのときに生演奏でおもてなしをされていたそうです。

アフリカと言うと、どうしても発展途上のイメージがありますが、広谷泉さんがアフリカに渡った時、ピアノはとても高価で、学校などでも揃っていなかったようです。

しかし、今では少しずつ普及してきて、大統領専属ピアニストを12年勤めた後、広谷泉さんは現在、セガネルの国立芸術大学でピアノの先生をされています。

バッハやモーツァルト、ショパンなど、ヨーロッパの作曲家からみたら、アジアの日本でこれだけクラシック音楽が普及し、親しまれている事に驚くと思いますが、砂漠が広がるアフリカ大陸でも、クラシック音楽やピアノは着実に広まっているようです。

ダン・タイソン や ユンディ・リ などのアジア人が、ショパンコンクールで優勝したように、近い将来、アフリカから優勝者が誕生するかもしれませんね。

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(この記事は、第148号のメールマガジンに掲載されたものです)

今回の「たのしい音楽小話」は、天才音楽家のお話です。

以前、各界のスペシャリストが、わかりやすく授業を行うバラエティ番組「世界一受けたい授業」で、「日本人が好きな天才ベスト100」というテーマがありました。

そして、その天才ベスト10 の中に、音楽家が3人も入っていたのです。さあ、誰が入っていたでしょう?

答えは、以下の3人です。

6位: ベートーヴェン
7位: モーツァルト
10位: ショパン

エジソンやレオナルド・ダ・ヴィンチ、アインシュタインなどと並んで、音楽界から3人も選ばれているとは思った以上に多く、とても嬉しく思いました。

個人的には、モーツァルトよりも、ベートーヴェンの方がランキングが上というのは少し驚きです。

作曲家の青島広志さんが、この3人の作曲家を比較しながら、演奏も交えて作曲スタイルについて解説されていました。

ベートーヴェンは、辛いことや怒りを音楽で表現し、ショパンは恋人など特定の人を思い、曲を書いていました。

しかし、モーツァルトのような古い時代には、音楽は神様に捧げるものでしたので、このようなことはありません。

時代とともに、音楽のあり方が変化してきた事になります。

このような事を知ると、音楽の聴き方や感じ方も変化してくるかもしれませんね。

そういえば以前、生徒さんと好きな作曲家について話をしていたとき、「ショパンは、もうたくさん」とお話されていた事を思い出しました。

ショパンの音楽は、様々な人間の感情が込められたロマン派の作品ですので、何か刺激が欲しい時にはぴったりですが、人間関係などでストレスを抱えているときには、天真爛漫なモーツァルトの音楽の方が、悩みを忘れられて癒されるのかもしれません。

番組の中では、人間性についても紹介されていましたが、モーツァルトの子供っぽさや幼稚さがうかがえる例として、「俺の尻を舐めろ」という変わったタイトルの音楽が紹介され、実際オペラ歌手が歌っていました。

モーツァルトの音楽は有名なものが多いわけですが、この曲をご存じの方は少ないでしょう。私自身、あまりに凄いタイトルなので知ってはいましたが、実際に聴いたのは初めてです。

原曲ではなく、青島さんの編曲ではありましたが、このタイトルをひたすら連呼するような音楽で、歌い終えた歌手の方も「恥ずかしいです」と感想をお話されていました。

YouTube の動画もご覧ください。

確かに、ピアノ曲があったとしても恥ずかしいですね。

短い人生の中で、素晴らしい音楽をたくさん生み出し、天才中の天才と言われる音楽家ですが、このような一面を知ると、生身の人間らしさが感じられて、少しホッとしてしまうのは、私だけではないと思います。

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