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ピアノ曲・ワンポイント攻略法:メンデルスゾーン「春の歌」

メンデルスゾーン「春の歌」

今年(2009年)は、メンデルスゾーンの生誕 200年のメモリアル・イヤーです。
メンデルスゾーンのピアノ曲の中で、この「春の歌」(無言歌集 Op62 より 6)は有名な曲なので、聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。 とても上品で軽やかな曲なので、一度は弾いてみたいと憧れをお持ちの方も多いかと思います。

どんな曲にも、やはり綺麗に弾けるようになるためのポイントがあります。そのポイントを踏まえて、効率の良い練習をしていきましょう。
(「春の歌」の楽譜については、こちらをご覧ください。)

「春の歌」を攻略するためのポイントは、以下の3つです。

1つ目のポイントは、装飾音符です。
この曲はご覧の通り、装飾音符が大変多い曲です。練習を始めて一通り弾けるようになってからで構いませんが、 装飾音符はしっかりとは弾かずに、あくまでも飾りですので、軽くまた弱く弾くようにしましょう。

メンデルスゾーン「春の歌」装飾音符

特に、左手の装飾音符は、しっかりと弾き過ぎたり、音が強くなってしまったり、遅くなってしまうことが多いかと思いますので要注意です。 装飾音符は、弾くと言うよりも、「鍵盤を少し触れた」くらいの感覚でよろしいかと思います。

初めは多少音が抜けてしまっても構いませんので、思い切って力を抜くことを心がけて練習をしましょう。 そして、時々は、装飾音符をわざとしっかりと音を出して弾く練習をします。
装飾音符を軽く弾く練習ばかりしますと、そのうちに指先の弾いている感覚が薄れてしまい、ご自身の知らない間に、指が正しい音を弾かなくなってしまったり、 音楽全体が崩れてしまう危険があるからです。

「思い切って装飾音符を軽く弾く練習」「装飾音符をしっかりと把握する練習」。この2つを交互にバランスよく練習しましょう。 目標は、「装飾音符をしっかりと把握しながら、軽やかにすべての音を弾くこと」です。 こうすることで、曲全体が軽やかな雰囲気の音楽になります。

2つ目のポイントは、曲の構成を把握することです。
1つ目のポイントにも関係するところですが、この曲は、3つのパートから出来ている曲です。
1つ目のパートは、メロディーのパートです。 メロディーは、右手部分の音のうち、音符の棒が上向きに書かれている音です。

メンデルスゾーン「春の歌」3つのパート

残りの音は伴奏と言うことになりますが、 左手で弾く音のうち、1拍目に弾くオクターブで書かれた音が、2つ目のパートの音です。曲全体の土台となる音です。

そして、右手で弾く音のうち、装飾音符の付いた音(音符の棒が下向きのもの)、 および、左手で弾く音のうち、装飾音符の付いた音、これらすべてが 3つ目のパートになります。 したがって、3つ目のパートのみ、右手で弾いたり、左手で弾いたりすることになりますね。

パート分けとは、例えるならば、「この曲を歌うとするならば、何人必要なのか」というものです。 この曲は 3つのパートから出来ていますので、歌うとするならば、3人必要ということになります。

そしてパートの説明をした順番が、音楽の優先順位の高い順です。 3つ目のパートのみ、右手で弾いたり左手で弾いたりしますが、あくまでも 1つのパートを弾いているのですから、 右手で弾いても左手で弾いても、同じ強さで弾くように気をつけましょう。 理想は「目を閉じて聴いても、手が変わったことがわからないように弾く」ことです。

1つ目のパートであるメロディーですが、3小節目のように、付点4分音符 & 8分音符、というリズムの組み合わせがよく出てきます。
メンデルスゾーン「春の歌」3小節目

この時に、8分音符がとても強くなってしまうことが多いので気をつけましょう。 何も考えずに指まかせに弾きますと、このようになってしまい、べたっとした重たい音楽になってしまい、この曲の良さがなくなってしまいます。 付点 4分音符より若干弱く8分音符を弾くようにしますと、軽やかに聴こえます。

3つ目のポイントは、右手の指番号です。
この曲は、右手の指番号がかなり複雑なので、十分に気を付けてください。 こちらで紹介しているインターネットから無料でダウンロードできる楽譜には、指番号の記述がまったくありません。残念ながら、そのような楽譜を見て弾くことは、大変難しいと思いますので、避けた方がよろしいかと思います。(すみません、指番号が書かれている無料の楽譜は見つかりませんでした)。

1) 3小節目の右手のシ、11小節目の右手のシ、52小節目の右手のシ、60小節目の右手のシ。この 4つは、すべて同じメロディー部分で、いずれも 5番で弾いて 1番に指替えをします。

メンデルスゾーン「春の歌」3小節目

本来、指替えをするときは、素早く行いますが、この部分に限り 1拍目の裏で装飾音符のついた音を弾いてから指替えをします。 少し、時間差をかけて行いましょう。 指替えのタイミングは、およそ 2拍目あたりになります(4分休符の部分ですね)。2拍目で指替えを行うようにしてみましょう。 ちなみに、他の箇所では、従来通り素早く指替えをします。

2) 指番号は、基本的に楽譜に書かれた通りに行いますが、手の大きさや柔軟性など個人差があります。 楽譜通りの指だと弾きにくい所や、他の指の方が弾きやすいというものがありましたら、変えてしまっても良いかと思います。

例えば、
27小節目の右手のラのシャープを 4番で弾いたり、そのすぐ後のドのシャープを 2番で弾いたり。
37小節目の右手のラのシャープを 3番で弾いたり。
41小節目の左手のドのシャープ(オクターブで弾くところ)を 4番と 1番で弾いたり。
43小節目の左手のファのシャープ(オクターブで弾くところ)を 4番と 1番で弾いたり。
53小節目の右手のレを 3番で弾いたり。
73小節目の右手のレのシャープを 3番で弾いたり。
77小節目の左手のファのシャープ(オクターブで弾くところ)を 4番と 1番で弾いたり。

また、87、88小節目の右手は、色々な指で弾けるかと思います。 この部分は「軽やかに(レジェッロ)」と書かれていますので、軽やかに弾ける指番号を研究なさってもよいかと思います。

メンデルスゾーン「春の歌」の楽譜について:
「春の歌」の楽譜は、例えば以下のような楽譜で購入することができます。

ピアノピースー012 春の歌/メンデルスゾーン (全音楽譜出版社)

また、無料の楽譜は、こちらのページ (外部サイト)などから、入手できるようです。(残念ながら指番号が書いてありません)

「春の歌」が収録された音楽CDは、おすすめ音楽CDのページをご覧ください。
また、メンデルスゾーンについては、趣味の音楽:ヨーロッパ音楽紀行・ライプツィヒ2で、メンデルスゾーンが一時住んでいた「メンデルスゾーン・ハウス」を紹介しています。メンデルスゾーンという作曲家を理解するためにお役立てください。

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独学でピアノレッスン

目次
ブルグミュラー「乗馬」
バダジェフスカ「乙女の祈り」
ベートーヴェン「悲愴ソナタ」
ドビュッシー「月の光」
ショパン「幻想即興曲」
メンデルスゾーン「春の歌」
ショパン「子犬のワルツ」
ベートーヴェン
「ソナタ 月光 第一楽章」
ショパン「ノクターンOP9-2」
モーツアルト「トルコ行進曲」

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